3分で分かる「Blue」のあらすじ&ネタバレ解説・感想まとめ【第170回芥川賞候補作】

今回は川野芽生さんの小説「Blue」のあらすじや感想を紹介します。「人魚姫」やトランスジェンダーについて深く考えさせられる本作。タイトルの意味や作品の魅力、ラストシーンのネタバレ考察、第170回芥川賞の受賞予想なども合わせて行います。

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【第170回芥川賞候補作】川野芽生の小説「Blue」とは

書名 Blue
作者 川野芽生
出版社 集英社
発売日 2023年1月17日
ページ数 144ページ
初出 『すばる』2023年8月号

作者の川野芽生さんは、歌人としても活躍する作家。歌集『Lilith』で第65回現代歌人協会賞を受賞しています。今回紹介する小説「Blue」は、『すばる』2023年8月号における「トランスジェンダーの物語」特集のひとつとして掲載されました。

「Blue」は、成長するにつれ「正雄」「真砂」「眞青」と名を変えていく人物が主人公の、トランスジェンダー物語。高校時代に「人魚姫」の演劇を作る仲間と接し、大学時代にある女の子に好意を持つ、主人公の揺れる想いを丁寧に表現しています。

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・トランスジェンダーについて深く考えたい人
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3分で分かる「Blue」のあらすじ【※ネタバレなし※】

真砂が所属する高校の演劇部で、人魚姫を演じることになった。小説を書くのが好きな滝上ひかりに脚本を書いてもらい、オリジナルのストーリーとは少し違って、人魚姫が人間の女性を好きになるというストーリーになっている。

男性として生まれた真砂は、演劇部に所属した際、自分が女性として扱われると気持ちが楽になるのを感じた。女子の制服で学校に通い、病院で二次性徴をしばらく止める治療も受けた。そうして性から解放された真砂は、人魚姫の演劇で人魚姫役として立候補した。

真砂は、脚本を書いた滝上や、部長の宇内、それに栗林や水無瀬などの演劇部の仲間とあれやこれやと話し合いながら、日々を送っていた。

そんな高校時代を終えて、約3年後。真砂は、演劇部の仲間から「姫と人魚姫」を再演するから挨拶しに行かないかと誘われた。久々に再会した仲間からは、真砂が変化した姿に驚かれる。

女の子、やめちゃった
引用:「Blue」本文より

そういった真砂は、そのとき眞青と名乗っていた。大学に入学した後、眞青には好きな女の子ができていて(注:恋愛感情というより憐みという感情に近い)、それが名前を変えたきっかけだったのだ……。

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「Blue」のネタバレ解説&考察まとめ

ここからは「Blue」の魅力を深掘りするために、タイトルの意味、作品の魅力、ラストシーンのネタバレ考察などを行います。

タイトル「Blue」の意味とは

タイトルの「Blue」には様々な意味合いが込められていると考えられます。

まず考えられるのが、主人公の名前です。主人公は生まれたときは「正雄」と名乗っていましたが、高校時代には「真砂」となり、大学時代には「眞青」となります。この大学時代の名前に「青」が含まれることから、主人公そのものを表しているといえます。ちなみに作品中に含まれるSNSのアカウント名は、「眞青@blue_moon_light」となり、作品名の「blue」が内包されています。

次に考えられるのが、演劇部で演じることになった「人魚姫」です。人魚姫の舞台は海。この海も、青というテーマに深く結びつきます。

このように「Blue」には様々な意味合いがあり、また作中でも「青」「蒼」などと使い分けてあります。こういった点に注意してみると、さらに深い読み方ができるのではないでしょうか。

トランスジェンダーについて深く考えさせられる一冊

本作の大きなテーマはトランスジェンダーです。主人公の真砂は、男性として生きながら、演劇部で女性として扱われたときに初めて自分らしさのようなものを感じます。性に解放され、両親にもそのことを話して、生き生きと日々を過ごすようになるのです。

周囲にいる者たちと真砂とのやりとりがひとつの読みどころになっています。たとえば、男子サッカー部で一緒だった蓮は、真砂からすると<男同士の友情>に固執しているように見えます。そんな蓮と接するうちに、真砂は以下のように考えるのです。

自分が女性であるのか男性であるのかが、誰と<異性>になり、誰と<同性>になるのかーー誰とは友達になれて、誰とは恋人になる可能性があるのかを意味するなんておかしい、と真砂は思う。
引用:「Blue」本文より

こういった記述は、トランスジェンダーならではの考え方だと感じます。他にも演劇部の仲間や、大学時代に好意を持つ葉月とのやりとりでも同様に、これまでなかなかなかった視点での会話や思想が出てきます。読者が、トランスジェンダーについて深く考えるよいきっかけになるのではないでしょうか。

ラストシーンから本作の主題をネタバレ考察

ラストシーンでは、本作の主題に通じる描写が登場します。一応ネタバレを含むので、読んでも大丈夫な人だけ以下をクリックして、続きを読んでみてください。

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【ラストシーンの要約】
眞青は好意を持っていた葉月に、自分の想いをぶつけます。「ぼく、じゃ、駄目?」と聞いたところ、葉月からは「ごめんね、あたし、朝ちゃん(注:眞青のこと)を音の子として見られない」と回答され、眞青は言葉を無くします。

そして眞青は、以下のように思い至ったのです。

葉月が自分を必要としていたのではなく、自分が葉月を必要としていたのだと、眞青にはもうわかってしまっている。自分の生き方を、自分で選んだのだと思い込むために、他者が必要だったのだと。
引用:「Blue」本文より

【考察】
最後に引用した部分は、本作の主題に深くかかわっていそうです。真砂は男子サッカー部の蓮とも、演劇部との仲間とも、接するうちに自分らしさをどこか求めているように書かれています。

これは筆者の個人的な考えですが、誤解を恐れずにいえば、トランスジェンダーの方たちは、自分たちで性についての意識を決めており、人からどうみられるかを気にせずに生きていると思われている節があるかもしれません。

しかし本作の主人公のように、他者と共存するうえで、自己の性についての意識が揺らぐこともあるのだというのは、新しい発見であり、多様性についてのひとつの提言でもあると感じました。

「Blue」を読んでみた感想

ここからは「Blue」を読んでみた感想を書いていきます。また読者のレビューも合わせてまとめました。

【筆者の感想】想像を膨らませやすい人魚姫の物語

人魚姫のオリジナルストーリーは王子様に恋をする話ですが、この物語の設定は読者にいろんな想像を膨らませやすく、今回の演劇のように二次創作しやすい題材だなと感じます。たとえば、歌手・Coccoの「強く儚い者たち」も人魚姫をテーマにした楽曲。栄光をつかみ取る裏でその代償もあるという、儚い雰囲気を持った作品です。

そんな中、人魚姫が人間の女性に恋をする展開で、トランスジェンダーを語るというアイディアがまず秀逸だと感じました。人魚姫が人間になるというのも、性を獲得するというひとつのメタファーになっていると捉えることができます。

川野芽生さんはXを見てみると、いろんな活動をされている個性的な作家のようなので、今作をきっかけに他の作品や川野さんの活動自体にも注目していきたいです。

また本作「Blue」は第170回芥川賞候補作に選ばれています。選考委員にはトランスジェンダーについて書かれた作品として高く評価されそうですが、物語後半の葉月との展開がどう評価されるかが鍵でしょうか。

演劇部の仲間との活発な議論に魅力がある一方で、葉月とのやりとりは少し物足りないという意見もあるかもしれません。また序盤に出てくる(暗転)の表記を含めた作品構成に施された工夫もどれほど効果的なのか、という点も議論になりそうです。

このあたりがうまく評価されず、受賞までには至らないのかなと予想します。

【みんなの感想や評価】様々な性や愛に対する価値観がある

続いて、読者がSNSに投稿した感想もいくつか紹介します。

まとめ:「Blue」は他者との関わりで性の意識について揺らぐ人物にスポットを当てたトランスジェンダー物語だった

いかがでしたか?「Blue」の特徴を以下にまとめました。

・第170回芥川賞候補作
・「人魚姫」についての議論やオリジナルの演劇の内容がおもしろい
・トランスジェンダーについて深い考察ができる

以上です。まだチェックしていない方は、ぜひ読んでみてください!

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