「クジラの骨と僕らの未来」を読んで読書感想文を書こうとしているけど、どこから書いたらいいか分からない…。そんな高校生に向けて、今回は本書のあらすじや内容をまとめた後に、読書感想文を書くコツを例文つきで解説します。読者のレビューや感想などもまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。
「クジラの骨と僕らの未来」(高等学校部の課題図書)の内容とは
書名 | クジラの骨と僕らの未来 |
作者 | 中村玄 |
出版社 | 理論社 |
発売日 | 2021年7月29日 |
ページ数 | 190ページ |
「クジラの骨と僕らの未来」は「世界をカエル10代からの羅針盤」シリーズの内の一冊。著者の中村玄さんは、クジラの骨の研究者。これまでにクジラに関する本を何冊か出版していますが、今作は将来について考える10代の読者向けに書かれています。2022年の課題図書(高等学校部の課題図書)に選出されました。
前半は大の生き物好きだった中村玄さんの少年時代の話が書かれています。大学時代に南氷洋を航海した話、クジラの骨に魅せられた話など、どれもロマンとスリルが味わえる話で読者をワクワクさせてくれます。
※「クジラの骨と僕らの未来」は以下に当てはまる人におすすめ!
・読書感想文を書こうと思っている高校生
・将来何をするか迷っている人
・クジラが好きな人
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3分で分かる「クジラの骨と僕らの未来」のあらすじ【※ネタバレあり※】
少年時代に動物の死体から骨格標本を作るなど、大の生き物好きだった中村玄さん。
高校生の時にはアルゼンチンに留学して、そこでも様々な変わった生き物を目の当たりにする。留学生から日本がなぜ捕鯨をするか聞かれた中村さんは、その場しのぎのような回答しかできなかった。しかしこのことがクジラの研究者を目指す一つのきっかけになった。
客観的に捕獲しても良いか悪いかの判断をできるのは科学の力しかないだろう。きちんと反論できなかった悔しさもあって、僕も将来そのような科学的データをもとに世界の人々を納得させられるようなクジラの研究者になりたいと思った。
引用:「クジラの骨と僕らの未来」52ページより
東京水産大学に進学し、魚の骨格標本作りに夢中になる。
骨格標本を作りながら、骨とじっくり向き合っていると、あたかもその生き物が自分の人生(魚生?)を語りかけてきてくれるようだった。
まさに「骨は口ほどにものを言う」だ。
僕は改めて生き物の形、とくにその基盤となっている「骨の形」には重要な意味があるということに気づき、そのおもしろさの虜となっていった。
引用:「クジラの骨と僕らの未来」61ページより
大学の研究室に入ると、クジラについて研究するようになった。茨城県に打ち上げられたクジラの解体に付き添ったり、沖縄でのクジラの個体調査をしたりした。そして四年生の頃に南氷洋の調査に参加させてもらうことになった。
南氷洋での調査は、船でのルールを覚えたり、周囲に迷惑をかけながら仕事に臨んだりと、苦難の連続だった。ある日にはシーシェパードから妨害行為を受け、ある日には船体が火事になった。それでもなかなかできない経験をして、無事に日本へ帰港した。
博士課程へと進んだ中村さんは、改めて骨の魅力を感じていた。クジラの骨について研究するために、沿岸域の捕獲調査に同行した。この時のデータをもとに博士論文をなんとか書き上げた。
国際学会では海外の研究者から論文を評価してもらえた。その後、世界を飛び回って調査をした。アルゼンチンでは高校時の留学でスペイン語を覚えたのが役に立った。世界最南端のクジラの博物館へ行った時には、良い研究者たちとの出会いもあった。エピローグでは最後にこう締めくくられている。
クジラの研究は一人ではできない。僕は、いつしか、生き物のことを真剣に考える同志たちに囲まれていた。情熱を与えつづけてくれた生き物たちと、これまで出会った人たちに改めて感謝している。
引用:「クジラの骨と僕らの未来」189ページより
「クジラの骨と僕らの未来」の読書感想文ガイド【例文つき】
「クジラの骨と僕らの未来」は2022年の課題図書(高等学校の部)に選ばれています。ここまで「クジラの骨と僕らの未来」のあらすじと内容をまとめましたが、読書感想文ではそれだけでなく本を読んだ上でどう思いどう感じたかを書く必要があります。
ここからは「クジラの骨と僕らの未来」で作者が伝えたいことを抑えた上で、読書感想文を書くコツを解説します。例文つきで紹介するので、ぜひ書く際の参考にしてみてください。
好きなことを追究する姿勢の大事さを書く
「クジラの骨と僕らの未来」はクジラについての専門知識だけを書いたものではなく、高校生がこれからの将来をどうするか考えるのに役立つ本です。作者の中村玄さんが少年時代に標本作りに打ち込んだ経験や、海外への留学がその後の人生に生きてきます。
読書感想文ではそんな少年時代の行動がその後の中村さんの人生にどういう影響を与えていったかを簡潔にまとめ、その上で自分の将来についても考えて自由に書いてみましょう。
【例文】
僕は中村さんが少年時代にタヌキの標本作りに失敗した経験が将来の研究生活に活かされているのだなと感じました。失敗したからこそ次はどうやったらうまくいくか考える探究心が芽生えていったのだと思います。僕は将来建築家になりたいと考えていますが、それは小学校の自由工作で模型をうまく作れなくて悔しかった経験があったからだと、この本を読んで思い出しました。それからいろんな家や建築物を見るのが好きになりました。
また中村さんは高校生の時の海外留学で様々な生き物と出会っていて、そこからさらに生き物への興味が増しています。僕が好きな建築の分野でも、海外では日本にはないような建築物がたくさんあるので、大学に進学したらヨーロッパに行って多くのインスピレーションを受けたいと思います。
クジラの専門知識や特殊な経験について思ったことを書く
「クジラの骨と僕らの未来」ではクジラの生態や体の構造など、専門的な知識を多く知ることができます。98-99ページでは「クジラのさばきかた」が図解で示されていて、おもしろいですね。
クジラの生態を知って驚いたこと、意外と人間と共通しているなと思ったこと、人間にもこういう機能があればいいなと思ったことなど、感じたことをなんでも自由に書いてみましょう。
また南氷洋での体験はどれもスリリングで、まるで実写版「ワンピース」を読んでいるようだと感じたシーンもありませんでしたか?この時の経験を一つどれでもいいのでエピソードとして切り取ってみて、そこから感じたことを記してみましょう。
(例)
・クジラが遊ぶのは生き物としては珍しい
→人間は自由に遊べるから恵まれていると思った
・シーシェパードの妨害行為
→ハラハラした。漫画のような世界の話が現代でもあると知って驚いた
など。コツはできるだけ具体的なエピソードを切り取ってみることです。テレビのバラエティ番組でワイプにいる芸能人がどうコメントするかなと思いながら、自分のことばで感想を述べてみるとよいでしょう。
周りの人に支えられて成長していった経験を振り返る
中村さんは末尾でもいろんな人に支えられて今の研究生活があると述べています。皆さんも今まで誰かに支えられて何かを続けることができた、何かを達成できたという経験があるはずです。そのことをふりかえってみましょう。
【例文】
中村さんは博士論文を書き上げる際に、学部時代に励まし合ってきた同期の存在があったから完成までこぎつけたと言ってました。私も同じような経験をしたのを思い出しました。ピアノのコンクールで難しい曲に挑戦して、なかなかうまくひけずに苦労したことがありました。しかし同じコンクールに出ている友だちが「私ならできる」と言ってくれたり、放課後に遊びに来てくれて練習に付き合ってくれたりしたのです。
コンクール当日はその友達のことを思って、最後まで間違わずに弾くことができました。今はピアノのレッスンには通っていませんが、この時の経験を活かして周囲に感謝してチャレンジしようと思えるようになりました。
今後は中村さんのように自分が好きになれることを見つけて、熱中してその道を突き進み、またそこで得た仲間に支えられながら成長していけたらなと思います。
参考にしたい「クジラの骨と僕らの未来」の感想・レビューまとめ
「クジラの骨と僕らの未来」のレビューサイトやSNSに挙げられた感想をいくつか紹介しましょう。読書感想文を書く上での参考になると思います。
『 クジラの骨と僕らの未来』中村玄
課題図書の中に惹かれる本があったので購入。クジラの解剖の仕方なんて初めて知った!
小さい頃に興味を持ったものが将来に繋がっていく、興味を持つって大事だな~って思った🤔#読了 pic.twitter.com/OVRsnIK9lp— 飴子 (@ame_korosuke) July 12, 2022
波瀾万丈な人生ドラマを見た気がしました。
引用:Amazon
クジラの研究者という特殊な経験にも関わらず、だれが読んでも面白い内容になっている。
出来事のスケールが大きいのに、どうしてもクスっと笑ってしまう文章が魅力的。
研究者に興味を持っている人におススメの一冊です。
引用:Amazon
生きものをきちんと調べて良く知ることが地球を守り、「僕らの未来」を築くことに繋がるんですね。未来を見失いがちな、この大変な時にこそ、多くの若い人達に是非読んで頂きたい、素敵な一冊です!
引用:Amazon
子どもの頃って、何かまわりと違うと揶揄われたりいじめられたり… 他の人と同じものを好きでなくちゃいけないのかと悩むこともあると思うけど、そんなことないんだよ、好きなことを自信持って好きと言っていいんだよ、と子どもの頃の自分に贈ってあげたかった本。好きを貫いて花咲かせた著者に拍手!
引用:Amazon
『クジラの骨と僕らの未来』あんまり興味ないジャンルだなぁ…と思っていたら、いきなりクジラに行き着く訳じゃなく、生き物や骨に興味を持ち追求していく著者の勢いに惹かれて読み通してしまった。こういうのが好きな子がこれを読んだら道がパァァァって開けそうな気がします。 pic.twitter.com/k04WXmQVUS
— Bookland (@booklan72214770) October 13, 2021
まとめ:「クジラの骨と僕らの未来」は好奇心をかきたてられる本だった
いかがでしたか?「クジラの骨と僕らの未来」の特徴を以下にまとめました。
・2022年の課題図書(高等学校の部)
・中村玄さんがクジラの骨の研究者になるまでの経験や想いが書かれている
・将来どうしようか考えている若者には特におすすめ
以上です。読書感想文の課題図書としてはもちろん、大人の方も読んで楽しい本なので、ぜひチェックしてみてください。
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