3分で分かる『われは熊楠』のあらすじ&ネタバレ考察・感想まとめ【第171回直木賞候補作】

今回は『われは熊楠』(読み方は「われはくまぐす」)のあらすじや感想を紹介。南方熊楠の生涯に迫った本作の魅力や、登場人物、ラストシーンのネタバレ考察などをまとめました。直木賞の受賞予想も合わせて行うので、最後までぜひ読んでみてください。

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【第171回直木賞候補作】岩井圭也の小説『われは熊楠』とは

書名 われは熊楠
作者 岩井圭也
出版社 文藝春秋
発売日 2024年5月15日
ページ数 336ページ

『われは熊楠』は、博物学や民俗学の分野で大きな功績を残した南方熊楠の生涯に迫った小説です。和歌山県で生まれ、幼い頃から学問を志した熊楠が、アメリカやロンドンへと渡り才能を開花させていった話や、家族との別離などが描かれた物語となっています。

作者の岩井圭也さんは、第9回野性時代フロンティア文学賞を受賞した『永遠についての証明』で2018年に作家デビュー。これまで『最後の鑑定人』が日本推理作家協会賞の候補、『完全なる白銀』が山本周五郎賞の候補となるなど、著作が高く評価されています。

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3分で分かる『われは熊楠』のあらすじ【※ネタバレなし※】

和歌山で生まれ育った南方熊楠は、中学時代学校を無断欠席してでも自然を観察し、収集し続けていた。百科事典を読み漁り、学問はなんと良いものだと常々思っている。

そんな熊楠には自分の中の内なる声がときどき聞こえることがある。熊楠はそれを「鬨(とき)の声」と呼んでいるが、なにかに熱中している時はその声が聞こえない。ただし、何かに迷ったり、悩んだりするときに、その声がたびたび現れるのだ。

熊楠は将来学問の道を志すも、商人の父や、学問に興味がない兄からは反対される。それでも唯一の師と仰ぐ博物学者の教師・鳥山啓とのやりとりを重ねるうちに、熊楠は学問への情熱をますます深めるのだった。

我は、この世界を知り尽くす
引用:『われは熊楠』本文(37ページ)より

また、熊楠が学問を志す理由はほかにもあった。それは後輩の兄弟・羽山繁太郎と蕃次郎との出会いだ。二人はやがて亡くなってしまうが、熊楠はその後もたびたび夢の中で彼らと会うのだった。

やがてアメリカやロンドンへと渡り、何度も論文を書くなどして、研究の道を開いていく熊楠だったが、その道は決して平たんなものではなかった。当初は自分のことを応援してくれていた弟との決別、そして精神病を患った息子との別離……。そんな熊楠の数奇な運命をたどる。

『われは熊楠』の主な登場人物まとめ

南方熊楠(みなかたくまぐす):今作の主人公。幼少期のあだ名は「天狗」。学問を志す

【学友や教師】
羽山繁太郎(はやましげたろう):熊楠の後輩で美形の学生。医師を目指す
羽山蕃次郎(はやまはんじろう):繁太郎の弟。医師を目指す
・喜多幅武三郎(きたはばたけさぶろう):熊楠の級友で、最も気が合う男
・鳥山啓(とりやまひらく):熊楠が唯一敬意を払う教師で、博物学者

【主な家族】
・弥右衛門(やえもん):父。商人で、熊楠が学問の道へ進むのを反対する
・すみ:母
・藤吉(とうきち)→弥兵衛(やへえ):マイペースな兄
・常楠(つねぐす):弟。学問を志す兄の理解者で、後に家業を継ぐ
田村松枝(たむらまつえ):宮司の娘で、後に熊楠と結婚する
・熊弥(くまや):熊楠と松枝の息子。後に精神病を患う

【その他】
・毛利清雅(もうりせいが):「牟婁新報」を主宰している僧侶
・友吉(ともきち):「石友」があだ名の石工。熊楠の飲み友達
・雑賀貞次郎(さいかていじろう):「牟婁新報」の若手記者
・服部広太郎(はっとりひろたろう):御用係の菌学者

『われは熊楠』のネタバレ解説&考察まとめ

ここからは『われは熊楠』の魅力を深掘りするために、タイトルの意味、作品の魅力、ラストシーンのネタバレ考察などを行います。

タイトル「われは熊楠」(読み方は「われはくまぐす」)の意味とは?

熊楠というのは、博物学や民俗学の分野で多大なる貢献を果たした人物・南方熊楠のことを指します。本作は南方熊楠の幼少期からその生涯を終えるまでを追った物語です。

また、「われは」というフレーズが指しているように、自分自身のあり方を見つめ続けるという問いが作品全編を通して展開されます。自分の好きな道を突き通す熊楠の生涯は、自分自身とどう向き合っていったのでしょうか。

内なる声の存在や、繁太郎・蕃次郎の幻影に注目

物語に奥行きを与えているのが、内なる声の存在と、繁太郎・蕃次郎の幻影です。

内なる声とは、熊楠の心の中で響き合う複数の声です。熊楠はこの声を「鬨(とき)の声」と呼んでいます。物語上では客観的な人物像を描く一つの仕掛けになっているほか、自問自答を繰り返す熊楠の一面をよく表しています。

また、後輩の繁太郎・蕃次郎の幻影も、度々登場します。序盤は淫靡な妄想も入り混じりますが、後半からは人生の岐路を考えるうえでのヒントのような描かれ方もされてきます。

この2つがただの伝記に留まらず、一つの物語として作り上げるうえでの重要な要素となっていると言えます。ぜひ、この2点に注目しながら読み進めていきましょう。

ラストシーンのネタバレ考察

ここではラストシーンについて考察してみます。ネタバレとなるので、読んでも大丈夫な人だけ以下をクリックしてみてください。

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ラストシーンでは、熊楠の体力に限界が来て、死を迎える場面となります。ここで、2つの大きな出来事が終息します。前章で指摘した内なる声の存在と、繁太郎・蕃次郎の幻影です。それまでの経緯を辿ってみましょう。

ずっと自分のあり方について、自問自答を繰り返してきた熊楠。海外から帰ってきて那智で暮らした時に他者と交わることを知り、同時に学者としての道も花開いていきました。終盤、熊楠は蕃次郎の幻影と以下のような対話を繰り広げます。

「熊楠さんは己をどう思てるんですか。誰かに認めてもらわな、誰かに褒めてもらわな、満たされんような器ですか」
(中略)
「認められたらあかんか。褒められたらあかんか。我はもう、独りきりは嫌なんじゃ。家族がおって、仲間がおって……そがな普通の生き方も許されない、ちゅうんか」
引用:『われは熊楠』本文(251ページ)より

そして、以下のような考えに帰着していきます。

生きることは、出会い、交わり、別れる、その連続です。でも別れたから言うて、出会ったことは無駄にはならん。その人らは皆、心の土に轍を刻んでいく。熊楠さんはその轍を辿るだけでええ」
引用:『われは熊楠』本文(307ページ)より

こうして、彼らの幻影は消えるのでした。このあたりの流れが熊楠の成長の跡ともとれるでしょうし、自分の道を突き進んだ男に対してのひとつの作者の答えだと捉えることができそうです。

『われは熊楠』を読んでみた感想

ここからは『われは熊楠』を読んでみた感想を書いていきます。また読者のレビューも合わせてまとめました。

【筆者の感想】序盤の博物学者との出会いが良かった

序盤で鳥山という博物学者と会ったのは、熊楠にとってかなり意義があったのでしょうね。博物学の意義や可能性を教えてくれ、「世を知り尽くす」と宣言した熊楠の言葉には逞しさを感じました。

序盤は理解があった弟や、最愛の息子とのやりとりには心苦しさを感じましたが、一方で繁太郎・蕃次郎の幻影が大きな支えになったのは間違いないでしょう。

さて、直木賞の受賞予想も合わせて行いたいのですが、題材としては一番直木賞向きという気がします。ここ最近は歴史小説が高い評価を受けやすく、受賞しやすい傾向にあります。

評価のポイントは、繁太郎・蕃次郎の幻影や、内なる声の存在が文学的企みとして優れているか、また南方熊楠の人物像がうまく描けているかといったところでしょう。作品を読んでいて、序盤は結果が出ずに苦悩していたなか、中盤から結果が出ていきますが、その過程がやや薄くて物足りない気もしました。その点はややマイナスかもしれません。

受賞予想:◯(対抗)
(全候補作を読み終えた段階でもう一度予想してみます)

【みんなの感想や評価】学問を究める険しさと人生の苦悩を体感

続いて読者がレビューサイトやSNSに投稿した感想や口コミを紹介します。

まとめ:『われは熊楠』は南方熊楠の人生に迫った小説だった

いかがでしたか?『われは熊楠』の特徴を以下にまとめました。

・第171回直木賞候補作(受賞予想は◯:対抗)
・南方熊楠の人生に迫る
・内なる声や亡くなった後輩の幻影が物語に厚みを加えている

以上です。まだチェックしていない方は、ぜひ読んでみてください!

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