『図書館がくれた宝物』を読んで、読書感想文を書こうとしている小学生、必見!今回はあらすじや感想を紹介したうえで、作品の要約(ネタバレ込み)や読書感想文を書くためのコツを例文つきでまとめました。ぜひ参考にしてみてください。
『図書館がくれた宝物』(小学生高学年の部の課題図書)の内容とは
書名 | 図書館がくれた宝物 |
作者 | ケイト・アルバス (著),
櫛田理絵 (翻訳) |
出版社 | 徳間書店 |
発売日 | 2023年7月12日 |
ページ数 | 384ページ |
『図書館がくれた宝物』は、親代わりの祖母を亡くした3兄弟が、遺産を受け取るのにふさわしい人を探す物語。第二次世界大戦下のイギリスを舞台とし、疎開先でつらい日々を送りながらも、図書館とそこで働く司書の女性との出会いが3人の救いになっていきます。
作者のケイト・アルバスさんは、アメリカの児童文学作家。本作がデビュー作にもかかわらず、様々な賞を受賞しています。『図書館がくれた宝物』という邦題が付けられた本作は、日本でも2024年の読書感想文課題図書に選ばれるなど、注目されている一冊です。
※『図書館がくれた宝物』は以下に当てはまる人におすすめ!
・読書感想文を書こうとしている小学生
・第二次世界大戦の恐ろしさを知りたい人
・図書館や本が好きな人
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『図書館がくれた宝物』のあらすじ【※ネタバレなし※】
第二次世界大戦中の1940年、イギリスでは誰もがドイツから攻め込まれることを恐れていた。特にウィリアム(12歳)、エドマンド(11歳)、アンナ(9歳)の3兄弟が住むロンドンは、被害の恐れがあった。
3人は親代わりだったおばあちゃんを亡くし、今後どうすべきかをお手伝いのコリンズさんに相談した。コリンズさんの知人の弁護士・エンガーソルさんによると、3人には相当な遺産が相続されるとのこと。しかしそれを受け取るには、後見人となる保護者が必要だった。
そこでエンガーソルさんから、3人はある計画を提案される。戦時下で行われていた学童疎開に参加して、疎開先で後見人を探そうというものだ。ただし、お金目的で利用されてはいけないので、あくまで本当のことは言わないようにするというルールを決めた。
くれぐれもあなたがたの身の上について人にしゃべらないように。三人全員が、秘密を打ち明けてもいいって思えるときまでは。
引用:『図書館がくれた宝物』本文(32ページ)より
本が大好きな3人は、1冊だけお気に入りの本を持っていくようにした。疎開先で厳しい日々が続く中、その本や現地にある図書館、そして司書との出会いが3人にとって救いだった。そして、3人の中には亡くなった母がくれたある言葉が残っていた。
うちの子たちは、まるで夜空に輝くお月さまのようねって
引用:『図書館がくれた宝物』本文(16ページ)より
3分で分かる『図書館がくれた宝物』の要約【※ネタバレあり※】
前章でネタバレなしのあらすじを紹介しましたが、ここでは本書の内容を要約したものを記載します。ネタバレが大丈夫な人だけ、下記をクリックして中身をチェックしてみてください。(※できるだけ自分の力で作品を全て読みましょう)
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3人は疎開先で厳しい日々を送ることになる。疎開先の家ごとに、内容をまとめた。
①フォレスター家
おじさんとおばさんは親切でいい人だったが、双子の息子2人は意地悪な子たちだった。「疎開野郎」とののしり、3人に意地悪をしてくる。しかし両親にはいつもいい顔をしていて、両親も実の子を全く疑わないために、だんだんと3人の居心地が悪くなってしまった。
②グリフィス家
かなりがめつい一面があり、3人を受け入れたのもお金が第一の目的だった。子どもたちにはかなりの節制を求めてくるうえに、ウィリアムとエドマンドはねずみ狩りの仕事をさせ、アンナには赤ちゃんの世話を押しつけた。辛い日々に3人は遂に逃げ出した。
③ミュラーさんの家
3人がいつも行っていた図書館の司書だった。3人が持ってきた本に興味を示し、ことあるごとに3人の心の支えになっていた。しかしミュラーさんの夫は、イギリスと敵対しているドイツ人であるため、周囲からは疎開の受け入れ先としてよく思われていなかった。
それでも、グリフィス家から抜け出してきた3人を温かく迎え入れてくれ、今までの現状を知ったうえで、その後も面倒を見てくれるようになった。ミュラーさんの夫は戦地で死んでしまったことを知り、今後は3人がミュラーさんを支えようとした。
そしてある日、3人はミュラーさんがこうつぶやくのを聞いた。
わたしにはあの子たちが、暗闇をてらしてくれるお月さまみたいに思えるのよ
引用:『図書館がくれた宝物』本文(363ページ)より
その言葉を聞き、3人の母になれるのはミュラーさんしかいないと確信した3人。おばあさんが亡くなって後見人を探していたことを打ち明け、受け入れてもらえたようだった。
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『図書館がくれた宝物』の読書感想文ガイド【例文つき】
『図書館がくれた宝物』は、2024年における読書感想文の課題図書(小学生高学年の部)に選ばれています。ただ、いざ読書感想文を書こうとすると、どこからどう書いていいか悩んでしまう子もいるでしょう。
読書感想文を書くときに大事なのは、あらすじをただまとめるのではなく、本を読んでどう感じたかを自分の言葉で書くことです。ここでは書くためのコツを解説したうえで、例文も紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
本が与えてくれる感動や意味について書く
疎開先で辛い日々を送っていた3人に救いを与えてくれたのは、図書館の存在でした。司書のミュラーさんとの会話や、本にまつわる会話を通して、3人は豊かな心を育て、たくましく成長していくのです。
(例文)
わたしは、アンナがずっと『小公女』の世界を信じていることが、つらい日々を送るなかでの救いになったのだと感じました。特にグリフィスさんの家で貧乏な生活を強いられているときに、読んだ一場面が心に残っています。あたたかそうなじゅうたん、赤々と燃えるだんろ、テーブルのうえにあるティーポット。世の中にはこんな風景があると知っていたからこそ、いつかこんな生活を送れるはずだと希望を持てたのではないでしょうか。
物語を読むと、自分が知らない世界に連れて行ってくれるのが好きです。わたし自身も、この本を読んで、3人がなんとかがんばっている姿や、やがてそれが報われる場面が心に残っています。わたし自身もがんばればきっとどこかで誰かが認めてくれるはずだという期待を持てるようになりました。
本作の最後には、「この物語に登場する本」として、書籍リストが掲載されています。そちらもぜひ参考にしてみて、新たな読書のきっかけにしてみてください。
戦争の悲惨さについて考えたことを書く
本作の舞台はイギリス。第二次世界大戦下で、ドイツからの侵攻を恐れる日々を送っています。実際に作中では遠い地で爆弾が落とされたという新聞の記述や、関連人物が戦死するという話が出てきます。
今から約70年前のできごとですが、現在でもロシアのウクライナ侵攻など、戦争は根強く残ってしまっています。今、戦争について考えるのはとても重要なことです。本作を読んで、戦争の恐ろしさなどについて言及してみるのもいいでしょう。
(例文)
遠い場所で爆弾が落ちたことにおびえている人々の姿が印象に残っています。生徒が最初はここから3キロしか離れていないと言って、先生がその後40キロは離れていますと訂正しますが、それくらい近くに感じてしまうということなのでしょう。この作品は子どもたちにも、先生にも少し意地悪な人たちが出てきますが、それには心の余裕のなさが原因なのかもしれないとも思いました。いつ爆弾が落ちるか分からないという不安で、みんなの心が狭くなっているのかもしれません。
実際に被害を受けたわけじゃなくても、みんなの心を不安にさせ、本来の自分とは違う気持ちで人と接するようになってしまう。戦争とはそんなところまで悪影響を及ぼす、おそろしいものなのじゃないかと感じました。
優しく接する心の大事さについて考える
辛い日々が続く3人でしたが、最後は優しさにふれ、と同時に3人にも本来の優しい心が戻ってくるような場面が描かれます。特に自分を憎んでいそうだと感じている、カー先生に接する場面には感動しますよね。
このように、人に優しく接するのはなぜ大事なのか、優しく接するとどんなことが起こるのか、そのあたりのことを書いてみるのもいいでしょう。
(例文)
3人がおばあさんが亡くなった事実をあえて言わなかったのは、お金目的ではなく、本当にやさしく面倒を見てくれる人を探すためでした。その点、ミュラーさんは、3人について心から幸せになってほしいと願ってくれていて、親切に接する人でした。ぼくがとくに心に残ったのは、そんなミュラーさんの夫が戦争で死んだのを知ったときに、今度は子どもたち3人が優しくしようといろいろ行動するところです。おんがえしをすることで、お互いに絆を深めていけたのだと思います。
思えば、ぼく自身も、親だったり友だちだったりに、つらいときに何度もすくってもらったことがあると感じます。ぼくももし親や友だちが苦しそうだったりつらそうだったりしたときに救いの手をさしのべるようになりたいです。
参考にしたい『図書館がくれた宝物』の感想・口コミ評価まとめ
続いて、SNSやレビューサイトに投稿された『図書館がくれた宝物』の感想や口コミを紹介します。大人の読者のレビューですが、読書感想文を書く際のヒントになるかもしれません。ぜひ参考にしてみてください。
クリスマスにおすすめしたいのは、『図書館がくれた宝物』孤児となった兄弟が田舎に疎開して、家族となってくれる人を探すというもの。出てくる本が子供達の性格を表していてブックガイドにもなる物語。個人的にはネズビットを夜に読み聞かせするチョイスが好き。 pic.twitter.com/Kroc9XUZId
— Bookland (@booklan72214770) December 25, 2023
ミュラーさんが三人平等に、愛を注いでいるところが素敵。特にウィリアムに対して「兄弟のお世話は、もうじゅうぶんよ」といってあげたり、「あなたたちなら、なんでもできるのはわかってるわ。でもね、これまでの数ヶ月、特にあなたの場合、頑張りすぎだと思うの」と言ってあげたりしていて良かった。
引用:読書メーター
家族とは、なにを持って家族とするのか、サバイバルと同時に今にも通じる視点を投げかけてくれる本だった。 途中のお家に住んでるとき、自分より小さい子どもの世話してえらい〜って美化しちゃいがちだと思うけど、それは違うってちゃんと言ってるのがうれしい。
引用:読書メーター
ひどいいじめを重ねたサイモンに「なにさまだと思ってんだよ」と言われたエドマンドが、自分のかっこうを改めて見てみて・・・笑い始めて、とまらなくなり
「なにさまか、だって?おまえたちのいうとおり、ぼくは、きたない疎開野郎さ!」といった。
こうやって過去の自分をのりこえた、その方法がすばらしい。
引用:honto
まとめ:『図書館がくれた宝物』は3兄弟を応援したくなる物語だった
いかがでしたか?『図書館がくれた宝物』の特徴を以下にまとめました。
・2024年における読書感想文の課題図書(小学生高学年の部)
・第二次世界大戦の恐ろしさが描かれるが、読後はすっきりしていて読みやすい
・図書館や司書の女性との出会いが3兄弟に希望を与えてくれる
以上です。まだチェックしていない方は、ぜひ読んでみてください!
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