3分で分かる『成瀬は天下を取りにいく』のあらすじ&ネタバレ解説・感想まとめ【本屋大賞受賞作】

今回は『成瀬は天下を取りにいく』のあらすじや感想をご紹介。膳所高校やミシガンといった滋賀県を舞台にした本作の聖地についての紹介や、主人公の成瀬が放つ名言、ラストシーンのネタバレ考察、続編の紹介や映画化やドラマ化の噂の考証なども行います。

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【2024年本屋大賞受賞作】宮島未奈の小説『成瀬は天下を取りにいく』とは

書名 成瀬は天下を取りにいく
作者 宮島未奈
出版社 新潮社
発売日 2023年3月17日
ページ数 208ページ

本作は宮島未奈さんのデビュー作。「ありがとう西武大津店」が新潮社主催の文学賞「女による女のためのR-18文学賞」において史上初のトリプル受賞(大賞、読者賞、友近賞)を果たし、文芸誌掲載の「階段は走らない」及び書き下ろし4編を加えて書籍化されました。

本作は滋賀県大津市を舞台に、中学、高校とマイペースに成長していく成瀬あかりと出会う人々の話を中心とした物語。閉店する西武大津店の中継に毎日登場したり、M-1グランプリに挑戦したりといった、瑞々しい青春を切り取ったストーリーとなっています。

※『成瀬は天下を取りにいく』は以下に当てはまる人におすすめ!
・瑞々しい青春物語を読みたい人
・滋賀県にゆかりがある人や興味がある人
・M-1グランプリが好きな人
・2024年本屋大賞の候補となった話題作をチェックしたい人

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3分で分かる『成瀬は天下を取りにいく』のあらすじ【※名言付き・ネタバレなし※】

小さい頃から一人で何でもできてしまう成瀬あかりは、成長していくにつれ孤立しているようにも見えたが、本人はひょうひょうとして日々を過ごしていた。小学生の頃には天才シャボン玉少女としてローカル番組「ぐるりんワイド」でも取り上げられ、その後もマイペースに行き、中学生になっていた。

本作はそんな成瀬を中心として描かれる、滋賀県大津市を舞台にした連作短編集である。

以降、各短編について、本作で飛び出す名言や印象的なセリフを一部引用しながら、簡単にあらすじを紹介します。

ありがとう西武大津店

島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う
引用:『成瀬は天下を取りにいく』本文(6ページ)より

中学二年の一学期の最終日に、わたし(島崎みゆき)の幼なじみの成瀬がまたおかしなことを言い出した。わたしたちが住む大津市唯一のデパート「西武大津店」が八月三十一日に閉店することになり、それまで毎日通うのを決めたらしい。

地元の番組「ぐるりんワイド」で毎日中継がある中、成瀬はなぜか西武ライオンズのユニフォームを着て現れる。やがて、それがSNSでにわかに話題になり出し、わたしも一緒にユニフォームを着て通うようになり……。

膳所から来ました

島崎、わたしはお笑いの頂点を目指そうと思う
引用:『成瀬は天下を取りにいく』本文(38ページ)より

成瀬がまた変なことを言い出した。わたし(島崎みゆき)たちはM-1グランプリにコンビで出場することにした。コンビ名は「ゼゼカラ」。「膳所から来ましたゼゼカラです!」でネタを始めるのを決めた。

わたしたちは過去のM-1グランプリの映像を見て研究し、西武大津店を題材にしたネタを思いつく。M-1グランプリ予選の前に、わたしたちは文化祭で漫才を披露することになるが……。

階段は走らない

西武が、ついになくなる
引用:『成瀬は天下を取りにいく』本文(76ページ)より

40代前半の俺(稲枝敬太)は、幼なじみの弁護士・吉崎マサルと西武大津店へ行くことにした。生まれたころから共に育った思い入れのある場所で、俺たちは小学校の同級生と偶然再会した。みなで談笑していると、俺たちの中心人物だったタクローの話題になった。

卒業前に転校したタクローの行方も気になる俺たちは、これを機に同窓会を開くことにした。SNSでその旨を告知すると……。

線がつながる

成瀬と同じ中学から高校に上がったわたし(大貫かえで)は、成瀬と同じクラスになって頭を抱えた。高校でもできるだけ目立たずに過ごしたいと思う中、できるだけ成瀬とは関わりたくない。わたしには大黒悠子という友達もできたが、悠子は成瀬と同じくかるた班に入部することになったと言う。

一度きりの高校生活だし、後悔のないようにチャレンジしてみようって思ったの
引用:『成瀬は天下を取りにいく』本文(122ページ)より

周囲が目標を決めていく中、わたしは東大を目指すことにした。そんな中、同じクラスの須田直也から一緒に勉強しようと誘われて……。

レッツゴーミシガン

気になる子がいるなら絶対話しかけないとだめだよ
引用:『成瀬は天下を取りにいく』本文(145ページ)より

高校のかるた選手権全国大会にて俺(西村航一郎)は、膳所高校の女子・成瀬のことが気になった。友人の中橋結希人が早速声をかけてくれ、俺たちは翌日に大津港で待ち合わせて琵琶湖の観光船・ミシガンに乗船することになった。

翌日、ミシガンのうえで、俺は成瀬に好きな人はいるのか聞いてみた。そして遊覧後、成瀬は河岸で飛び込もうとしている男性を発見して……。

ときめき江州音頭

かるた班を引退して受験を控える成瀬は、ときめき夏祭りの打合せに参加していた。高校一年生の時、実行委員長の吉崎マサルに島崎がスカウトされ、それからゼゼカラの二人で総合司会を務めている。そんな中、成瀬は島崎が東京に引っ越すことにしたと告げられる。

高校入学時にスキンヘッドにしてそれから髪を切らずに伸ばし続けた成瀬だったが、悠子に指摘されたこともあり、髪を切ってしまう。しかし、それに対して島崎はその中途半端な成瀬の態度に少し失望したと言う。

やってみないとわからないことはあるからな
引用:『成瀬は天下を取りにいく』本文(187ページ)より

それでも今までやってきたことは無駄ではないと思う成瀬。高校卒業後に地元を離れる島崎とは、心の距離も開いていくが……。

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『成瀬は天下を取りにいく』の主な登場人物まとめ

ここでは『成瀬は天下を取りにいく』の主な登場人物について、簡単にプロフィールを紹介します。

成瀬あかり:きらめき中学校→膳所高校。成績優秀で運動神経も抜群だが、周囲からは孤立してマイペースに行動している。

島崎みゆき:きらめき中学校2年→成瀬とは別の高校に進学。中学時代に成瀬と漫才コンビ「ゼゼカラ」を結成する。

稲枝敬太:40代前半。きらめき小学校(当時は馬場小学校)出身。幼なじみのマサルとともに同窓会を企画する。

吉嶺マサル:弁護士。地元のときめき夏祭りの実行委員長を務め、ゼゼカラを総合司会にスカウトする。

笹塚拓郎:通称「タクロー」。敬太たちとの仲間内での中心人物だったが、卒業を前に転校した。

大貫かえで:きらめき中学校→膳所高校。あまり目立たずに過ごしたいと思う反面、強い承認欲求もある。

大黒悠子:膳所高校。大貫かえでと友達になる。成瀬と同じかるた班に所属する。

須田直也:大貫かえでに興味を持ち、一緒に勉強するようになる。

西浦航一郎:広島県錦木高校のかるた班所属。成瀬に一目ぼれする。

中橋結希人:西浦のかるた班の仲間。西浦と成瀬の仲を取り持つ。

『成瀬は天下を取りにいく』のネタバレ解説&考察まとめ

ここからは『成瀬は天下を取りにいく』の魅力を深掘りするために、聖地巡礼の話題、作品の魅力、ラストシーンのネタバレ考察などを行います。

滋賀県大津市を舞台にした小説!聖地巡礼も話題に

本作は滋賀県大津市を舞台にした小説。滋賀県出身の芸能人・西川貴教さんも帯で故郷を舞台にしていることに喜びの声を寄せています。(ちなみに作中で西川貴教さんの名前が出てくるところもあるので、注意深く読んでみてください)

そこで本作を片手に聖地巡礼をしているファンもいるようです。

そこでここからは作中に出てくる舞台について少し紹介します。

膳所高校
実際にある高校で、学校のホームページでも本作の舞台として使われたことが書かれています。作者の宮島未奈さんもコメントを寄せており、どうやら作者自身の母校でもあるようです。

西武大津店
こちらも実在したデパートで、本作で書かれたのと同じようにもう閉店してしまいました。本作の登場人物と同じように、小さい頃からここで育った人には閉店のニュースは寂しく、感慨深かったのではないでしょうか。

・ミシガン
こちらも実際にある観光船です。「レッツゴーミシガン」ではデート(?)の舞台に使われる船。実際に乗船してみては?

成瀬の姿に勇気をもらえる!人生の教訓になるような名言も紹介

やはり本作最大の魅力は、成瀬の我が道を突き進む姿勢にあるでしょう!周囲を気にせずにやりたいことをやってのける彼女の行動力には、勇気をもらえますよね。200歳まで生きると言ってのける成瀬は、本当に長く太く生きていそうな生命力の強さを感じます。

島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う
引用:『成瀬は天下を取りにいく』本文(6ページ)より

島崎、わたしはお笑いの頂点を目指そうと思う
引用:『成瀬は天下を取りにいく』本文(38ページ)より

成瀬の素晴らしい点は、まず自分が挑戦したいと思う内容を宣言していることです。そうすることで、自分だけの夢ではなく、仲間と共有できる目標に変えているのでしょう。

そんな本作では名言がいくつも出てきますが、どちらかというと成瀬が残した言葉というよりも、成瀬とかかわった人物からの名言が多く登場します。

一度きりの高校生活だし、後悔のないようにチャレンジしてみようって思ったの
引用:『成瀬は天下を取りにいく』本文(122ページ)より

気になる子がいるなら絶対話しかけないとだめだよ
引用:『成瀬は天下を取りにいく』本文(145ページ)より

この2つはあらすじの紹介のところでも引用した名言です。また、ラストシーンでは親友でもあり、コンビの相方でもある島崎みゆきからも名言が生まれます。それは次の章で紹介していきましょう。

ラストシーンのネタバレ考察!各章でのつながりとは

ここでは、ラストシーンについて考察した内容を記載します。一度作品を読んだ人だけチェックしてみてください。

ネタバレしていいからラストシーンの考察を知りたい方はこちらをクリック!

島崎みゆきから、高校卒業後に東京へ行くことを告げられた成瀬。本人はゼゼカラは解散となるし、本人を振り回したことに対して後悔の念が出てきます。そんな中、島崎から成瀬はこう語り掛けられます。

わたしはずっと、楽しかったよ
引用:『成瀬は天下を取りにいく』本文(198ページ)より

この言葉に対し成瀬は救われ、自分がやってきたことは間違いなかったと思い至るのです。今までマイペースであまり周囲のことは気にしてなさそうな雰囲気が出ていましたが、その反面人一倍他人のことを思いやっていたという、人間らしい一面が垣間見えた、よい終わり方でしたね。

続編『成瀬は信じた道をいく』も要チェック!

『成瀬は天下を取りにいく』の続編として、『成瀬は信じた道をいく』も発売されています。

書名 成瀬は信じた道をいく
作者 宮島未奈
出版社 新潮社
発売日 2024年1月24日
ページ数 208ページ

ますますパワーアップした成瀬と、それを取り巻く人たちの物語。こちらもぜひ合わせてチェックしてみてください!

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『成瀬は天下を取りにいく』は映画化・ドラマ化する?キャストを予想してみた

『成瀬は天下を取りにいく』は滋賀県大津市を舞台にした小説なので、ロケ地を活かして映像化されそうですね。連作短編として続編も出ているので、合わせて連続ドラマ化してもおもしろそうです。

2024年2月現在では、まだ本が出版されたばかりということもあり、ドラマ化や映画化の話は出ていませんが、今後映像化される可能性はおおいにあります。その場合、キャストはどうなるかも予想してみました。

メインの登場人物の成瀬あかりも島崎みゆきも中学生から高校生役なので、そのときに同年代の俳優がキャスティングされると思います。現時点での候補は、
・芦田愛菜
・本田望結
・田牧そら
・當真あみ
・茅島みずき

あたりになるのではないでしょうか。

また、滋賀県出身の西川貴教さんもどこかしらで友情出演してくれたらおもしろいなと思います。皆さんはどう予想しますか?

『成瀬は天下を取りにいく』を読んでみた感想

ここからは『成瀬は天下を取りにいく』を読んでみた感想を書いていきます。また読者のレビューも合わせてまとめました。

【筆者の感想】ストーリーの爽快さに加え、技術も相当高い!

本作の魅力はやはり第一に成瀬の人となりでしょう!周囲の目が気になる中、自分のやりたいことを思いきってやってのける主人公の姿には多くの人が惹かれたはずです。

個人的にはM-1グランプリも大好きで毎年準決勝の配信チケットを購入するくらい好きなので、ステージの雰囲気や出場者の意気込みなども臨場感があって伝わってきました。過去の出場者を見て研究するシーンなどはまさに!って感じでした。

ストーリーの構成が評価される作品ですが、書く技術もしっかりしていると感心します。最後の章は成瀬が語り手となっているのですが、他の章では第一人称(わたしや俺)となっているのに対し、ここでは成瀬のままです。

あくまで第一人称を使わずに語り手であっても「成瀬」と表現することで、主人公をミステリアスかつ魅力的な存在にしたまま、物語を進めていっている印象があります。このへんの語り手の人称の使い分けもうまいなぁと唸らされました。

【みんなの感想や評価】成瀬のファンになった人が続出!

続いて読者がSNSやレビューサイトに投稿した感想や口コミを紹介します。

成瀬あかりに会ってみたい。この一言に尽きる!中高生が主人公ながら、世代に関係なく、これは面白い。非常にわかりやすい。近江(滋賀)は見どころいっぱいだ。でも、主人公が生活する範囲で、スト-リーが広がっていく。地理的に狭いエリアであってもドラマがある。当たり前かもしれないが、ひどく感心した。
引用:Amazon

まとめ:『成瀬は天下を取りにいく』はマイペースを貫く成瀬あかりがとにかく魅力的な青春小説だった

いかがでしたか?『成瀬は天下を取りにいく』の特徴を以下にまとめました。

・2024年本屋大賞候補作
・滋賀県大津市を舞台にした地元愛あふれる物語
・マイペースを貫く成瀬あかりの一挙手一投足に惹きつけられる

以上です。まだチェックしていない方は、ぜひ読んでみてください!

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