小学校高学年の課題図書に選ばれている『大地をうるおし平和につくした医師 中村哲物語』(汐文社)。今回はこの本のあらすじや感想をまとめる他、読書感想文を書くためのコツを解説します。用水路を作り飢餓や貧困に悩む人たちを支えた哲先生の物語。ぜひチェックしてみてください。
『大地をうるおし平和につくした医師 中村哲物語』(小学校高学年の課題図書)の内容とは
書名 | 大地をうるおし平和につくした医師 中村哲物語 |
作者 | 松島恵利子 |
出版社 | 汐文社 |
発売日 | 2022年7月23日 |
ページ数 | 180ページ |
『大地をうるおし平和につくした医師 中村哲物語』は、医者の中村哲さんの生涯を描いた物語。昆虫好きだった幼少時代から、医者になりパキスタンで治療を行った話や、飢餓を救うために用水路建設をした話などを、小学生でも分かるような言葉でまとめた一冊です。
2023年における読書感想文の課題図書(小学校高学年の部)にも選出されています。「青少年読書感想文全国コンクール」のサイトでは、選定理由が以下のように記されています。
中村哲氏の一生や生きざまを丁寧に描き、小学生でも十分に理解でき、共感できる。また、「寄り添う」姿勢や、「人を育てる」姿勢が読み取れ、用水路建設が成し遂げられた理由が理解できる。
引用:読書感想文全国コンクール公式サイト
※『大地をうるおし平和につくした医師 中村哲物語』は以下に当てはまる人におすすめ!
・読書感想文を書こうと思っている小学生
・中村哲さんの活動に興味がある人
・世界の貧困問題について関心がある人
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3分で分かる『大地をうるおし平和につくした医師 中村哲物語』のあらすじ要約【※ネタバレあり※】
福岡県で生まれた中村哲先生は、昆虫が大好きな少年だった。昆虫の世界を通して、哲先生は「人は見ようとするものしか見えない」のだと学ぶ。どんな大切なことでも、ちゃんと関心を持って目を向けなければ、見逃してしまっているのだ。
とにかく信頼する。だまされるようなことがあったとしても、自分は人を裏切るようなことはしない人間でありたい
引用:『大地をうるおし平和につくした医師 中村哲物語』36,37ページより
昆虫博士に憧れた哲先生は、「世のため人のためになることをしたい」という思いも持っていたため、医学部を目指すことにした。そうして医学部を卒業し、精神科の医者になった哲先生。治療の場では、患者さんの心や魂に寄り添うことを第一に考えていた。
ある日、海外登山隊とともに訪れた村で、助けを求めている人が大勢いることを目の当たりにする。日本に帰国してからも、何度もパキスタンを訪れ、その後、北西部の町・ペシャワールの病院で働くことに。哲先生の活動を応援する「ペシャワールの会」も発足した。
パキスタンではハンセン病に苦しむ人がたくさんいた。日本では早期の治療で治る病気だが、パキスタンでは専門医があまりに少なく、治せる環境が整ってなかった。哲先生は自ら患者を背負って運ぶなどして懸命に治療した。
決して忘れてはならないのが、「死んだり傷つくのはいつも立場の弱い人たち」だということです。
引用:『大地をうるおし平和につくした医師 中村哲物語』84,85ページより
またパキスタンの隣の国であるアフガニスタンでは、ソ連からの侵攻や内戦の影響で多くの難民が苦しい生活を強いられていた。そこで哲先生は険しい山を超えて現地を訪れ、先頭に立って患者たちと接した。
2000年からアフガニスタンは深刻な干ばつ被害に見舞われた。さらにアメリカ同時多発テロを受け、無関係である一般の農民たちも悪者扱いされてしまった。これらの影響でアフガニスタンでは深刻な水不足と飢餓のために、子どもが次々と命を落とすようになっていた。
この現状をより多くの人に知ってもらうためにと、哲先生は国会でスピーチをし、その後に講演活動も行った。また、基金を集める活動を行い、現地に戻ってからは空爆の中、命がけで食糧配給をしてまわった。
とにかく水だ。100人の医者より、1本の用水路だ!
引用:『大地をうるおし平和につくした医師 中村哲物語』128,1279ページより
深刻な干ばつ被害を救うために、次に哲先生が考えたのは用水路の建設だった。土木工学の知識が無かったにもかかわらず、一から研究を始めた。その時役に立ったのは、故郷・福岡の筑後川と、小さい頃に得た「人は見ようとするものしか見えない」という教訓だった。
昔ながらの知恵と現地の技術を活かして、用水路はできていった。時折、空爆がありながらの建設工事。哲先生が自ら危険をかえりみずに手伝うこともあった。工事の様子を見にくる子どもたちの将来を想いながら、できあがっていった用水路。大地に緑が広がった。
「一日3回食事をすること」「家具と一緒に暮らすこと」
現地の人が心から願っていたことを、1本の用水路がかなえてくれたのです。
引用:『大地をうるおし平和につくした医師 中村哲物語』161ページより
哲先生は、水によってもたらされる平和な暮らしを実現させることを願って、その後も用水路の建設や補修工事を積極的に行った。またその他にも、モスクや学校なども建設した。村の人たちは感謝し、代わる代わる哲先生にお礼を伝えた。
2019年。哲先生は作業現場に向かう途中で襲われて、命を落とした。生前に哲先生はこんな言葉を残している。
「身近にあってできる事は、案外たくさんある
(中略)
小さな一つ一つが、何でもないようなことが人間の真心
それをじっと守ることが大事なんだ」
引用:『大地をうるおし平和につくした医師 中村哲物語』172,173ページより
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『大地をうるおし平和につくした医師 中村哲物語』の読書感想文ガイド【例文つき】
『大地をうるおし平和につくした医師 中村哲物語』は、小学校高学年の課題図書に選ばれています。そこでこの本を読んで、いざ読書感想文を書こうとしたものの、うまく書けずに悩んでいる人もいるかもしれません。
そこでここからは、読書感想文を書くコツを解説します。良い感想文はあらすじをまとめるだけでなく、本を読んでどう感じたのかを記すことが大事です。例文つきで紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
パキスタンやアフガニスタンの現状について初めて知ったことを書く
本作にはパキスタンやアフガニスタンの現状を細かく伝えるレポートのような役割を持っています。現地を訪れた哲先生だからこそ見えるものがあり、読者に今までわたしたちが知らなかった真実を教えてくれますね。
貧しい生活を強いられている人々の暮らしについてまとめ、初めて知ったこと、その上でどう感じ、さらにどんなアクションを起こすべきか、考えたことを書きましょう。
コツとしては全体をまとめようとするとどう書いていいか難しくなりがちなので、どれか一つのトピックやエピソードに注目して、それについて考察すると良いです。
(例)
・アフガニスタンが干ばつに見舞われるのには、日本が二酸化炭素を大量に出すことで気候変動が起きているのも原因だった。
→感じたこと:難民の話はどこか遠い国の話と思って実感が無かった。
→アクション:世界で貧しい人を出さないために、こまめに節電するなど工夫しよう。
・哲先生が無くした帽子を何時間もかけて届けてくれた人がいた。
→感じたこと:貧しいアフガニスタンではものを大事にする文化が根付いているのだろう。
→アクション:なんでも簡単に買える日本だけど、ものを大切にする心を忘れないようにしよう。
用水路建設にまつわるトピックを深掘りする
先ほども話したように、一つひとつのトピックを深掘りすると、感想文を書きやすいです。この本は各章で◇から始まるいくつかの話によって構成されているので、自分が書きやすそうな話をひとつ取り上げて、それについて詳しく書いてみましょう。
哲先生の起こした大きな功績としてあげられるのが用水路建設です。本の後半は用水路建設にまつわる話が中心なので、その中からどれか書きやすそうなトピックを探してみましょう。
(例)
・130ページ「◇娘さんの教科書を借りて勉強」の話に注目
【例文】
哲先生は医師として十分な知識と実績があるのに、全く新しい分野について一から勉強をし直すところがすごいと感心しました。このとき意外だと感じたのは、専門書で勉強するのではなく、まず教科書を借りてそこから勉強を始めたというエピソードでした。ということは、教科書は全ての学問の基礎になることが詰まっているのでしょう。哲先生のように目的を持って勉強に取り組めば、教科書の内容はとても身になるものだと感じます。まずぼくは哲先生のように、自分ががんばりたい分野の目的を見つけることが大事だと思いました。
・151ページ「◇ピンチを救ってくれた、故郷の山田堰」の話に注目
【例文】
なかなか用水路がうまく作れないというピンチを救ったのは、哲先生の故郷にあった山田ぜきの考え方でした。生まれ育った地元に、解決するヒントがあったという話には感動しました。先人の知恵を借りるとよくいいますが、ピンチになった時、両親や周囲の大人にアドバイスを聞くのが大事だと思いました。長く生きてきた人は同じような経験をして乗り越えた経験があるのでしょう。そこにヒントがあると思い、自分の今後に生かしていきたいです。
参考にしたい『大地をうるおし平和につくした医師 中村哲物語』の感想や評価・レビューまとめ
いかがでしょうか。ここからは『大地をうるおし平和につくした医師 中村哲物語』のレビューを紹介します。読書感想文を書く上での参考になるかもしれません。
汐文社から出版された
「中村哲物語」
写真が豊富でとても読みやすかった。
小学校高学年から中学生対象。中村哲氏、生きていたら平和な世界を作るためにもっと力を尽くされたろうに。
残念だ。
でも、本に書かれた事により沢山の子ども達が影響を受けるんじゃないかな。 pic.twitter.com/B5zBroJqyw— かず (@fountainplum) September 15, 2022
「食料支援ではなくて、用水路を現地の人が作れる手法で作る」に至るまでの経緯がわかりやすく書かれている。いきなり用水路を作ったわけではなく、自分にできることを誠実にやりとげていく姿勢がすごい。
引用:読書メーター
分かり易い言葉で丁寧に書かれていて読みやすかったです。昆虫が好きな少年が登山隊の随行医師に応募してアフガンとのかかわりを持って行く経緯が納得できました。読み終えて孫娘(中学3年生)に贈りました。
何か感じてくれると嬉しいです。
引用:Amazon
「人は見ようとするものしか見ない」そして、見て見ぬふりは苦しい。あっという間に読めてしまうこの一冊から、いろいろな言葉と考え方を受け取ることができた。成せばなるのだなー。
引用:読書メーター
単なる偉人伝ではなく、これを読んだ子どもも大人も、世の中の仕組みや、地球上で起こっている様々な出来事を、もう一度見つめて、捉えなおす、そうした強い思いを生む本です。
引用:読書メーター
まとめ:『大地をうるおし平和につくした医師 中村哲物語』は中村哲先生の生涯を分かりやすくまとめた伝記だった
いかがでしたか?『大地をうるおし平和につくした医師 中村哲物語』の特徴を以下にまとめました。
・2023年の課題図書(小学校高学年の部)
・中村哲先生の幼少時代から最期までの生涯をまとめた伝記
・用水路建設に至る苦悩や、周囲からの感動の声などが分かる
・重要な部分をピックアップして書けば、読書感想文は書きやすい
以上です。中村哲先生の功績を詳しく知りたい方はぜひチェックしてみてください!
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