3分で分かる『襷がけの二人』のあらすじ&ネタバレ解説・感想まとめ【第170回直木賞候補作】

今回は『襷がけの二人』のあらすじや感想を紹介。さらに作品の魅力や、ラストシーンのネタバレ考察、映画化やドラマ化の可能性についてもまとめてみました。第170回直木賞候補となり、新たなシスターフッド大河小説としても注目されている、本作。ぜひチェックしてみてください!

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【第170回直木賞候補作】嶋津輝の小説『襷がけの二人』とは

書名 襷がけの二人
作者 嶋津輝
出版社 文藝春秋
発売日 2023年9月25日
ページ数 368ページ

作者の嶋津輝さんは、『姉といもうと』で第96回オール讀物新人賞を受賞し、2016年にデビュー。本作『襷がけの二人』で第170回直木賞の候補作に選出されました。

本作は、大正から戦後まで生き抜いた千代と初衣の二人の絆を描いた物語。裕福な家に嫁いだ千代と、その家の女中頭だった初衣は、お互いの秘密を共有して打ち解け合います。戦時中に離れ離れとなりますが、その後に再会を果たすのです。

※『襷がけの二人』は以下に当てはまる人におすすめ!
・大正から戦後を描いた大河小説を読みたい人
・女性2人が強く生き抜くシスターフッドものを読みたい人
・第170回直木賞の候補となった話題作をチェックしたい人

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3分で分かる『襷がけの二人』のあらすじ【※ネタバレなし※】

昭和24年、鈴木千代は、三村初衣の家の女中として働くことになった。三村初衣は三味線の師匠をしている盲人だ。ただし、千代は初衣に自分の正体を隠していた。実はかつて千代が初衣を雇っていたことがあったのだ。

大正15年、千代は裕福な家庭の山田家へ嫁いだ。山田家の女中頭が初衣だった。初衣は元芸者だという噂があり、さらにもっと大きい隠し事があるようだった。

また、千代は若奥様となるも、夫の茂一郎とはだんだんと夫婦仲が疎遠になっていた。そんなある日、千代は初衣に自身の秘密を打ち明ける。それから二人の絆はだんだんと強くなっていった。

それから時が経ち、戦禍に見舞われた。全てを失った千代と、視力を失った初衣は、離れ離れとなるが……。

『襷がけの二人』のネタバレ解説&考察まとめ

ここからは『襷がけの二人』の魅力を深掘りするために、タイトルの意味、作品の魅力、ラストシーンのネタバレ考察などを行います。

千代と初衣の強い絆が描かれるシスターフッド大河小説

本作最大の魅力は、千代と初衣の強い絆が描かれている点だといえます。いわゆるシスターフッドものとして読め、お互いに立場は違えど、心を通わせていく様子が丁寧に描かれています。

特に、お互いに秘密を共有し合おうとするとき、なかなか自分のことをさらけ出そうとしない千代に対して、初衣が言ったことばが強烈です。少し引用します。

引用:

元芸者の噂がある初衣は、物語の中でこれまでの生き様について明かされます。後ろめたい事情を抱えながらも懸命に生きてきた初衣のことばとして、かなり重みのあるメッセージが詰まっていますね。

ラストシーンのネタバレ考察

物語の冒頭の章タイトルが「再会」ということもあり、戦禍で離れ離れになった二人が再会するのは早々と明かされます。ただし、主従関係が逆転するという構成がおもしろいなと感じました。

そんな再会を経て、つながるラストシーン。ここでは物語の結末部分について考察します。ネタバレを含むので、最後まで読んだ人だけチェックするようにしてください。

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【ラストシーンのあらすじ】
初衣に自分の正体を黙っていた千代ですが、初衣は千代に会って早々に見抜いていました。一年ほどそんな猿芝居に付き合っていた初衣ですが、ある日そのことを明かし、それから離れ離れになった時のことや、その後の顛末について語り合います。

すっかり打ち解けた二人のもとへ、初衣の弟子の一人である和江が、千代に料理を教わりたいという。初衣は千代にやってみるように勧め、引き受けることとなった。

また、千代は初衣にお芳ちゃんのもとへ行こうと提案する。お芳ちゃんは山田家に嫁いでいた際にいた女中の一人で、こちらも強い絆があった。盲目の初衣は不安を見せるも、千代はこう言って励ますのだった。

「大変かもしれませんが、二人一緒ならどこへでも行けます。だって、生きているんですもの」
引用:『襷がけの二人』本文より

【考察】
二人の強い絆が垣間見えた良い終わり方でした。主従関係が逆転していた二人ですが、最後はやはりどちらとも立場関係なく思いやる関係性が伝わってきました。

千代が初衣と打ち解けるきっかけとして料理は重要な要素でしたが、最後もそんな料理がキーワードとなり、新たな挑戦が見られるという構図も見事。大正から戦後を生き抜いてきた女性の強さが感じられました。

『襷がけの二人』はドラマ化・映画化する? キャストを考察

大正から戦後までを駆け抜けた二人の物語は、ぜひ映像でも見てみたいですね。戦中は迫力あるシーンが描かれており、インパクトが強そうです。

2024年1月時点ではまだドラマ化や映画化の噂はありませんが、今後実写化される期待大!そこで今回は、今作がもし映像化されたときに、どんなキャストになるか予想してみました。

鈴木千代:黒木華
・三村初衣:松たか子
・山田茂一郎:尾上寛之
・山田高助:渡部篤郎
・お芳ちゃん:佐久間由衣

実際に本作を黒木華さんのイメージで読んでいた人も多いのではないでしょうか。映像化が楽しみですね。

『襷がけの二人』を読んでみた感想

ここからは『襷がけの二人』を読んでみた感想を書いていきます。また読者のレビューも合わせてまとめました。

【筆者の感想】料理の描写や、主要人物以外の登場人物も魅力的

女性2人の絆の強さに感動したのはもちろん、細かな描写にも感心しました。特に料理は出てくるものがどれもおいしそう!台所でのやりとりに生き生きとした女性たちの姿が垣間見えました。

また、主要な登場人物以外のキャラも存在感がありました。特に気に入ったのが、狸みたいな猫の「トラオ」。強い名前を付けられているのに、ひときわ臆病で愛らしいキャラクターでした。千代と初衣がトラオの最期を悲しむシーンは、こちらももらい泣きしそうでした。

【みんなの感想や評価】助け合う女性たちが逞しい

続いて、読者がレビューサイトやSNSに投稿した感想をいくつか紹介します。

主人公の〈千代(ちよ)〉と〈お初(はつ)さん〉との、〝二人一緒なら、どこへでも行ける。何があっても乗り越えて生きていける〟って、そういう心が通い合う姿がとても良いです。見た目も性格も全く違うのに、馬が合うというのか、この二人がタッグを組めばたいていのことは大丈夫、みたいな絆の強さに惚れ惚れしちゃいました。
引用:Amazon

まとめ:『襷がけの二人』は大正から戦後を舞台にしたシスターフッド大河小説だった

いかがでしたか?『襷がけの二人』の特徴を以下にまとめました。

・第170回直木賞候補作
・千代と初衣の強い絆に感動させられる
・料理の描写や、主要キャラ以外の人物描写も魅力

以上です。まだチェックしていない方は、ぜひ読んでみてください!

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