3分で分かる「迷彩色の男」のあらすじ&ネタバレ解説・感想まとめ【第170回芥川賞候補作

今回は安堂ホセさんの小説「迷彩色の男」を紹介します。作品のあらすじや感想を紹介したあと、タイトルの意味や前作「ジャクソンひとり」の登場人物とのつながり、ラストシーンのネタバレ考察などを行います。第170回芥川賞の受賞予想もするので、最後まで読んでみてください。

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【第170回芥川賞候補作】安堂ホセの小説「迷彩色の男」とは

書名 迷彩色の男
作者 安堂ホセ
出版社 河出書房新社
発売日 2023年9月27日
ページ数 168ページ
初出 『文藝』2023年秋号

作者の安堂ホセさんは、第59回文藝賞を受賞したデビュー作「ジャクソンひとり」でいきなり第168回芥川賞候補に。同作はブラックミックスのゲイの男を主人公にした小説で、二作目となる「迷彩色の男」も同様のテーマで描かれている作品だといえます。

本作は、ブラックミックスの男が主人公。かつてクルージングスポットで知り合い、親交があった男・いぶきが何者かに襲われます。いぶきとの過去を振り返りつつ、日々を過ごすなかで、事件の背後に迷彩色の男が浮かびあがるというストーリーです。

※「迷彩色の男」は以下に当てはまる人におすすめ!
・人種や性の多様性について関心がある人
・ミステリー風の純文学を楽しみたい人
・第170回芥川賞の候補となった話題作をチェックしたい人

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3分で分かる「迷彩色の男」のあらすじ【※ネタバレなし※】

2018年12月23日、私を含めた二十人余りの男が、<ファイト・クラブ>にいた。そこは男性同士が知り合ってセックスをする場所・クルージングスポット(昔でいうハッテン場)だ。

その日、私は以前に<ファイト・クラブ>で知り合った男・いぶきと来ていた。いぶきは自身の性行為を撮影し、配信することで収益をあげている人物だ。そんないぶきが、ある部屋で血まみれになっているところを発見された。誰が容疑者か分からないなか、私を含め全ての男がその場から逃げ出した

いぶきはアフリカ系アメリカ人と日本人の間に生まれ、私はブラックミックスのルーツを持っている。いぶきの事件の後、私は今までのいぶきとの出会いを振り返りつつ、日々を過ごす。休業明けの<ファイト・クラブ>を訪れ、そこでまた別の男と知り合って……。

怒りは屈折する」これはかつていぶきが残した言葉だ。さまざまな怒りが渦巻く中、事件の背後に浮かび上がってくる迷彩色の男の存在があった……。

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「迷彩色の男」のネタバレ解説&考察まとめ

ここからは「迷彩色の男」の魅力を深掘りするために、タイトルの意味、作品の魅力、ラストシーンの考察などを行います。ネタバレ部分の解説は隠しているので、大丈夫な人だけ該当部分をクリックして読んでみてください。

タイトル「迷彩色の男」の意味とは?

タイトルに出てくる「迷彩色の男」は、物語の中盤から登場します。クラブで無差別に人を傷つける出来事が起き、<私>も軽傷を負ったあとの場面で以下のような記述が登場します。

ライトとスモークのなかまだらな濃淡をまとった彼の手が、刃物の光を素早く走らせていく。
迷彩色の男が、脳裏に浮かびあがった。
引用:「迷彩色の男」本文より

無差別に傷つけた加害者が迷彩色の男として書かれているようですが、その後物語が進んでいくなかで、この人物像は飛躍していきます。それは主人公の私が脳内で彼の存在を、別の人間に当てはめるというか、また違ったものへとトレースしているかのような描写です。

このあたりは作品の主題に深くかかわってくるところで、読者によって様々な捉え方ができると思います。読者もこの迷彩色の男がどんな存在なのか、意識しながら特に物語後半を注意深く読んでみるといいでしょう。

デビュー作「ジャクソンひとり」とのつながりは?

「迷彩色の男」は、作者・安堂ホセさんのデビュー作「ジャクソンひとり」とテーマが共通しており、また同じ登場人物も出てきます。それが「いぶき」です。

いぶきは「ジャクソンひとり」において、ある人物に復讐を企てた四人組のうちの一人。動画配信で収益を得ているという記述もあり、その点も「迷彩色の男」に出てくるいぶきと共通しています。

実際、作者の安堂ホセさんが「迷彩色の男」は「ジャクソンひとり」の前日譚といった位置づけだとインタビューで語っています。

『ジャクソンひとり』は2021年から2022年にかけて執筆してるので、そのころのリアリティを切り取っていて、『迷彩色の男』の時代背景は2018年だから、ちょうどいまから5年前くらい。生産性発言を小説の中でも取り扱っていますけど、2018年は日本でのゲイバッシングの方向性が変わった年のように思います。
引用:安堂ホセが芥川賞候補作『ジャクソンひとり』に続く『迷彩色の男』を発表 | FREENANCE MAG

なお、「ジャクソンひとり」は以下のページにあらすじや解説をまとめているので、合わせてチェックしてみてください。

⇒「ジャクソンひとり」のあらすじを知りたい人はこちらから

ラストシーンをネタバレ考察!いぶきを殺した犯人は誰?

ここからはラストシーンについて、考察していきます。ネタバレの内容を含むので、結末を知っても大丈夫な人だけ下記をクリックして読んでみてください。

ネタバレしていいからラストシーンの考察を知りたい方はこちらをクリック!

ラストシーンでは、<私>と彼と知らない男が登場し、トイレで彼と知らない男が<私>に刺される場面が描かれます。もともと<私>と彼は恋人という間柄だったと説明されていますが、刺された後では以下のように役柄が変わります。

ひとつずつ役がずれて、知らない男が<犯人>に、彼が<被害者>に、そして空席だった<恋人>の役に私が、それぞれ迷彩していた。
引用:「迷彩色の男」本文より

これは全ての人が加害者にも被害者にもなり得るということを示唆しているようにも読み取れます。実際、このトイレで刺す場面の直前に、<私>は<ファイト・クラブ>で逃げていった男たちのことを思い出し、こう表現しているのです。

抜き型でくり抜いたようにそっくりだった青い人影たち。
私たちも同じだった。誰からも疑われないほど典型的に男を模して、青い半密室にやってきた三人に、別も同じも、似ているも何も、重要ではなくなっていた。
引用:「迷彩色の男」本文より

そして、最後の場面で<私>は<いぶき>と囁いています。<いぶき>への復讐が終わったと捉えることもできるでしょうが、他の捉え方もできるかもしれません。皆さんは最後の場面、どのように感じましたでしょうか?

「迷彩色の男」を読んでみた感想

ここからは「迷彩色の男」を読んでみた感想を書いていきます。また読者のレビューも合わせてまとめました。

【筆者の感想】人物像の対比がうまい!

<ファイト・クラブ>での出来事を中心に物語は展開しますが、個人的には主人公の<私>が勤める職場でのシーンも読み応えがありました。<私>は職場で周囲から「ノンプレイヤーキャラクター」と揶揄されており、この人物像が物語後半の迷彩色の男とうまく対比できていると感じました。

前作「ジャクソンひとり」の方が作品としては好きでしたが、今作はよりストイックに人間に向き合って書かれた意欲作として評価すべきなのではないでしょうか。

なお、本作は第170回芥川賞の候補作に選出されています。前作「ジャクソンひとり」も候補となっているため、前作と比較して評価する選考委員も出てくるでしょう。そう考えたとき、エンタメ感が強かった前作より純文学然とはしているものの、作品自体の躍動感が減ったとマイナスの評価につながるかもしれません。

後半の「迷彩色の男」の存在がいかに作品で活きているか、というのが受賞の焦点となってくるでしょうが、受賞まではもう一つとなりそうな気がします。

【みんなの感想や評価】中毒性が高い作品

続いて、読者がSNSに投稿した感想もいくつか紹介します。

なかなか表に出せないシチュエーションであり、“私”がクローズドな世界でいぶきの復讐をするのが、暗くて湿っぽくて臭くてドロドロしている。作者の詩のような文体は綺麗なのだが、世界観を色でたとえるなら汚れた黒である。世の中の闇を描いた感じは芥川賞候補にふさわしい。
引用:Amazon

まとめ:「迷彩色の男」は混沌としたクライム・スリラーだった

いかがでしたか?「迷彩色の男」の特徴を以下にまとめました。

・第170回芥川賞候補作
・性や暴力描写が生々しくて迫力がある
・迷彩色の男の存在感に引き込まれる

以上です。まだチェックしていない方は、ぜひ読んでみてください!

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