3分で分かる『木挽町のあだ討ち』のあらすじ&ネタバレ解説・感想まとめ【第169回直木賞候補作】

第169回直木賞の候補作に選ばれている『木挽町のあだ討ち』(著:永井紗耶子)。今回は、本作のあらすじや感想を紹介する他、タイトルの意味、ラストシーンのネタバレ考察などを行います。ぜひ最後まで読んでみてください。

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【第169回直木賞候補作】永井紗耶子の小説『木挽町のあだ討ち』とは

書名 木挽町のあだ討ち
作者 永井紗耶子
出版社 新潮社
発売日 2023年1月18日
ページ数 272ページ

『木挽町のあだ討ち』は、ある夜に行われた仇討ちの真相を解き明かすストーリー。仇討ちを目撃した、芝居小屋に関わる人物たちが、これまでの人生や仇討ちについて話していくうちに、ある一つの真実が浮かび上がります。

『木挽町のあだ討ち』は第36回山本周五郎賞を受賞し、さらに第169回直木賞の候補作にも選出されました。人気講談師の神田伯山さんが帯にコメントを寄せ、インタビューも行うほど、既に大きく話題になっている時代小説です。

※『木挽町のあだ討ち』は以下に当てはまる人におすすめ!
・仇討ちや芝居小屋に興味がある人
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3分で分かる『木挽町のあだ討ち』のあらすじ【※ネタバレなし※】

雪の降る夜、木挽町にある芝居小屋・森田座の裏通りで見事な仇討が行われた。若い娘のふりをした菊之助に、声をかけてきたのは、このところ悪い噂が絶えない作兵衛だ。菊之助は作兵衛に対し、こう言い放つ。

「我こそは伊能清左衛門が一子、菊之助。その方、作兵衛こそ我が父の仇、いざ尋常に勝負」
引用:『木挽町のあだ討ち』本文より

その声に続々と野次馬が集まり、菊之助と作兵衛の決闘が始まる。ややあって、菊之助が作兵衛を倒し、作兵衛の首級を高らかに掲げた。その見事な仇討ちは多くの人に称賛されたのだった。

木戸芸者の一八はその仇討ちを目撃し、語り継いでいた。そんな一八の元を一人の若い侍が訪ねてきた。仇討ちのことを詳しく聞きたいという。一八は当時の様子を話すが、侍はさらに一八のこれまでの来し方(人生)についても聞かせてくれと言うのだ。

一八はもともと吉原で生まれた、女郎の子供だった。男として生まれた一八は、吉原でとても生きにくく、それでも幼少期は女のふりをして、女郎の隣にただ座って付き添っていたという。そこから一八はどうやって芝居小屋へとたどり着いたのか…。

菊之助の縁者だという青年は、一八だけでなく、立師の与三郎、女形の衣装係のほたる、小道具職人の久蔵(と妻のお与根)、筋書の金治を訪ねる。それぞれに仇討のことや、これまでの人生について聞いて回ったのだ。そして、ついに仇討ちの真相が判明する…。

『木挽町のあだ討ち』のネタバレ解説&考察まとめ

ここからは『木挽町のあだ討ち』の内容を深掘りするために、作品の魅力、タイトルの意味、ラストシーンのネタバレ考察などを行います。ネタバレ部分は隠しているので、作品を読んだ人だけクリックして中身をチェックするようにしてください。

各話ごとに芝居小屋で働く語り手の人生が知れておもしろい!

『木挽町のあだ討ち』では各幕(各話)ごとに、芝居小屋で働く人々の人生が語られます。それぞれがもともとは生まれも育ちも違う中、現在の芝居小屋へと辿り着くのです。

当時、芝居小屋は「悪所」と呼ばれていました。流れ者がやってくるような場所として描かれていますが、そこにはその人が辿る運命が描かれており、また芝居小屋で働こうと思った強い動機、さらに芝居にかける情熱も明かされます。

一幕での一八の人生で描かれた吉原の内部事情など、当時の文化や価値観などが知れるエピソードとなっていて、どれも読み応えがあります。一種のお仕事小説のようにも捉えられ、現在にも通じる考え方や、参考にしたい言葉なども見つかるでしょう。

タイトル「木挽町のあだ討ち」の意味とは?

タイトル「木挽町のあだ討ち」とは、あらすじでも紹介した通り、菊之助が作兵衛の仇討ちを行ったことが直接的に関係しています。しかし、作中の聞き手がこの仇討ちについてしつこく聞いて回るように、どこかこの仇討ちにはある真実が隠されているようなのです。

その真相を知る鍵が、実はタイトルにも表れています。これ以上書くとネタバレになるので、ここでは伏せます。まずは作品をぜひ読んでみてください。

「木挽町のあだ討ち」ラストシーンをネタバレ考察!仇討ちの真相とは

「木挽町のあだ討ち」のラストシーンでは、仇討ちの真相が明かされます。ここからは結末の場面の考察を行うので、作品を最後まで読んだ人だけ以下をクリックしてみてください。

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木挽町の仇討ちの真相から話すと、実は作兵衛は死んでおらず、全てが芝居だったと明かされます。ざっくりいうと作兵衛はとてもいい人で、ずっと菊之助を守ってきた人物でした。気が触れた菊之助の父が、息子の菊之助を襲おうとしたところを助けていたのです。

しかし、武士としての手前、菊之助は作兵衛に仇討ちをするという形になってしまいます。仇討ちを決行しないと故郷へ帰れないしきたりがある中、菊之助は苦悩する日々を送ります。親切な作兵衛を殺すことなんてできないと思っていたのです。

こっそり作兵衛と菊之助は会って、結局本当に仇討ちするしかないとなっていた二人。しかし、その真相を知った芝居小屋の人物たちが、仇討ちをでっちあげようと提案してきます。こうして芝居のプロである者たちが集まり、知恵を出し合い、訓練を重ねる中で、当日の見事な仇討ちの「芝居」が実行されたのでした。

実は、タイトルの『木挽町のあだ討ち』の「あだ」がひらがなになっている点に、真相を知るためのヒントが隠されていました。これはかたきという意味の「仇」を入れるのではなく、いたずらにという意味の「徒」を入れる、ということだったのです。

また作者の永井さんはインタビューでこう語っています。

仇討ちというシステム、ただの恨み辛み、私怨を晴らすだけじゃ物語にならないだろうし、人々を拍手喝采で熱狂させることだってできないと思うんです
引用:永井紗耶子さん「木挽町のあだ討ち」インタビュー 窮屈な社会を生きる道は自分の理屈の外側にある|好書好日

もともと仇討ち自体に疑問を抱いていた、永井さん。その結果、本作のような新たな「あだ討ち」が生まれたのでしょう。

【筆者の考察】
芝居小屋で働く人々の人生を描いた上で、最後は芝居小屋から抜け出した街中を舞台として、一つの大きな芝居を作り上げているという、この構成が見事だと感じました。

立師、女形の衣装、小道具、筋書とそれぞれの技がいかんなく発揮されていました。また、その中でお与根だけ周囲からいい意味で信頼されてなくて、天然のエキストラになるというところは笑ってしまいました。ユーモアあり、感動ありの、本当にいい結末でしたね。

『木挽町のあだ討ち』を読んでみた感想

ここからは『木挽町のあだ討ち』を読んでみた筆者の感想を書きます。また読者の感想やレビューも合わせてまとめました。

【筆者の感想】時代劇が苦手な人にも読んでほしい

筆者はそこまで時代劇が得意ではないのですが、それでもスイスイと読めました。時代劇が苦手だという人にもぜひ読んでほしい作品だと感じました。

どの回(幕)も好きでしたが、中でも最も好きだったのは立師の与三郎の話。仁義とは何なのか、を考えさせられました。この考え方は現代でも十分に通じるのではないでしょうか。

この記事を書いている時点では、まだ直木賞の発表前ですが、直木賞受賞の可能性が高いと感じています。既に山本周五郎賞を受賞している点や、ここ最近の直木賞受賞作は時代小説が続いている点などは気になりますが、それでも十分に受賞に値するのではないでしょうか。それくらい秀逸な作品だと感じました。

【みんなの感想や評価】人の情けにグッとくる

これから先も挫折する人、絶望する人、視野狭窄へと嵌る人で世の中は埋め尽くされるのだろうけれども、「本当に居場所は『そこ』だけのか?」「人の世に自分を受け容れてくれる場所は無いのか?」と問い掛け、視野を今一度広く構えてみようよと諭してくれる様な一冊。
引用:Amazon

まとめ:『木挽町のあだ討ち』はミステリーと人間ドラマを楽しめる歴史小説だった

いかがでしたか?『木挽町のあだ討ち』の特徴を以下にまとめました。

・第169回直木賞候補作
・仇討ちの真相へと近づくミステリー仕立ての構成がおもしろい
・芝居小屋にかかわる人物の人生に人間ドラマが感じられる

以上です。まだチェックしていない方は、ぜひ読んでみてください!

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