3分で分かる『リカバリー・カバヒコ』のあらすじ&ネタバレ解説・感想まとめ【本屋大賞候補作】

今回は『リカバリー・カバヒコ』のあらすじや感想、口コミを紹介。作品に登場する名言、各章や他作品とのつながり、映画化やドラマ化の可能性などについてもまとめました。青山美智子さんによる2024年本屋大賞候補作、ぜひチェックしてみてください。

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【2024年本屋大賞候補作】青山美智子の小説『リカバリー・カバヒコ』とは

書名 リカバリー・カバヒコ
作者 青山美智子
出版社 光文社
発売日 2023年9月21日
ページ数 240ページ

作者の青山美智子さんはもはや本屋大賞の常連ともいえる作家です。これまで『お探し物は図書室まで』『赤と青とエスキース』『月の立つ林で』が立て続けに本屋大賞の候補作となっており、本作で4年連続の本屋大賞候補作となりました。

本作は、リカバリーをテーマにした連作短編集。公園にあるアニマルライドのカバには、自分の治したい部分と同じところに触れるとリカバリーしてくれるという逸話がありました。悩みを抱えた5人の人物たちが、それぞれ良い方向に向かっていくというストーリーです。

※『リカバリー・カバヒコ』は以下に当てはまる人におすすめ!
・公園の遊具に関心を抱いたことがある人
・悩みを解決してくれる心温まる作品を読みたい人
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3分で分かる『リカバリー・カバヒコ』のあらすじ【※ネタバレなし※】

団地に囲まれるようにしてある「日の出公園」。そこに設置されたアニマルライドのカバは、ところどころ塗料が剝がれているが、どこか涙目でそれでいてあきれるほどののんきな顔を浮かべている。そのカバの名前は、人呼んで「リカバリー・カバヒコ」。

カバヒコってね、すごいんだよ。怪我とか病気とか、自分の体の治したい部分と同じところを触ると回復するって言われてるの
引用:『リカバリー・カバヒコ』本文(17ページ)より

※以降は各章のあらすじを簡単に紹介していきます。

泰斗の頭

中学時代は勉強しなくても成績優秀だった僕(奏人)は、高校に入って授業になかなかついていけなくなり、テストの成績もよくなかった。僕はテストの点数を書き直してごまかし、無理やり自分を納得させようとしている。

現実を書き換えて、こっちのほうが本当の僕にふさわしい気がした。だからいいんだと自分に言い聞かせる。
だって僕は、こんなバカのはずがない。
引用:『リカバリー・カバヒコ』本文(6ページ)より

ある日、同じクラスの女子・雫田さんから、カバヒコの効能を教えてもらった僕は、カバヒコの頭を触りながら頭脳修復をお願いする。さらに公園でしばらく雫田さんと話した僕は、彼女が高校になって初めての友達になってくれるんじゃないかと期待して……。

紗羽の口

マンション購入を機に、娘のみずほを新しい幼稚園へと編入させたが、私(紗羽)はママ友たちとなかなか馴染めずにいた。元アパレル店員の私は、接客の仕事が好きだったが、今はうまくやろうとするあまり、何を話せばいいのか分からないでいる。

「ありがとうございました」と笑顔を向けることが、あんなにも誇らしく嬉しかった。(中略)
それなのに今、私は、ママ友たちと話すのが本当にしんどい。
引用:『リカバリー・カバヒコ』本文(65ページ)より

ママ友たちと無難に人付き合いしてきたつもりが、ある出来事をきっかけにママ友たちから省かれてしまう。ある日、クリーニング屋のおばあちゃんからカバヒコの噂を聞いた私は、カバヒコの口を撫でながらママ友たちとの関係を修復したいと願うが……。

ちはるの耳

ウェディングプランナーの私(ちはる)は、ストレスで耳が塞がれるような症状を発症し、休職していた。私はその原因を営業成績の良い同僚の澄恵や、連絡をくれるも本心をつかみきれない洋治のせいにしていた。

私はいつも、不安なのだ。
人にどう思われているか。自分の仕事がちゃんとできているのか。
そして今、これから私はどうするんだろう、どうなるんだろうと不安はさらに増す一方だった。
引用:『リカバリー・カバヒコ』本文(112ページ)より

ある日、私は同じマンションに住む樋村さんからカバヒコ伝説を聞かされ、カバヒコの耳をなでた。数日後、私のもとへ封書が届く。それは休職前に最後の担当をした、新郎からの手紙だった……。

勇哉の足

運動神経がそれほどよくないぼく(勇哉)は、駅伝メンバーに選ばれないためにわざと足を怪我していると嘘をついた。しかし、なぜか本当に足が痛み出してしまう。整体院の先生からは、足から意識を飛ばすことが大事だとアドバイスされた。

ほんとは痛くないのに痛いって、頭はなんで間違えちゃうのかな。
ああ、結局足のことを考えている。意識を飛ばすのって、難しい。
引用:『リカバリー・カバヒコ』本文(166ページ)より

クリーニング店のおばあちゃんから、カバヒコに足を治してもらうといいと聞いたぼくは、右足を触りながら弱虫な本音を吐いた。すると、そこには駅伝メンバーに選ばれたクラスメイトのスグルがいて……。

和彦の目

雑誌編集長の俺(和彦)は、四十代半ばを過ぎて文字が見えづらくなったことに悩んでいた。部下の忠告や提案も無下に対処するくらい心にも余裕が無くなっている。また、母親との関係もこじれていて、ずっとここまできた。

人はみんな老いる。
時間は人にいろいろなものを与えるが、その一方でいろいろなものを奪っていく。
おかしいだろ、今まで俺は、なんでもがんばって克服してきたのに。
引用:『リカバリー・カバヒコ』本文(195ページ)より

俺の母さんは小さい頃にカバヒコが和彦の味方だと言ってくれたのだ。俺はカバヒコの目をなでながら、老眼や母さんとの関係が修復してほしいと願う。やがて俺は、カバヒコの恩恵に授かった人々と出会っていき……。

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『リカバリー・カバヒコ』のネタバレ解説&考察まとめ

ここからは『リカバリー・カバヒコ』の魅力を深掘りするために、作品に出てくる名言、作品の魅力、ラストシーンのネタバレ考察などを行います。

『リカバリー・カバヒコ』の登場する名言5選

『リカバリー・カバヒコ』には人生の教訓となるような名言がいくつも登場します。ややネタバレを含むので、さらっといくつか紹介していきましょう。

褒められたくてがんばるって、それも悪いことじゃないんだけどな。それだけを目標にしてると、褒められなかったときにくじけちゃうだろ
(中略)
誰が何を言ったって、何も言わなくたって、懸命に咲こうとしているその姿には、なんの変りもないのにさ
引用:『リカバリー・カバヒコ』本文(41ページ)より

受験勉強だけではなく、スポーツなどにも当てはまる名言ですね。

もう流されたりしない。やるべきことを、やりたいことを、私のペースでしっかりやっていく。
引用:『リカバリー・カバヒコ』本文(94ページ)より

人に流されずに、自分のしっかりした信念を持つ大事さを教えてくれます。

心遣いも思いやりも、すべて想像力だからね。不安がりなあなたは、きっと優しい人だと思うよ
引用:『リカバリー・カバヒコ』本文(122ページ)より

不安という一見ネガティブな要素も捉え方によってはポジティブな意味になりますね。

何が好きで、何が苦手で、何が楽しくて、何がつらいのか、試しながら覚えていくんだ。
引用:『リカバリー・カバヒコ』本文(180ページ)より

人の目を気にしてチャレンジしないのはもったいないというメッセージです。

老いに向かうことには抗えない。
でも、アレンジならできるかもしれない。
(中略)
変わりゆく状況を受け入れて適応していく。そういう形のリカバリーもある。
引用:『リカバリー・カバヒコ』本文(230ページ)より

元の姿に戻ることだけが、リカバリーじゃないのですね。

これらは作品の各章から出てきた名言ですが、作品を読んだうえでこのフレーズに遭遇すると、より深い意味を持って捉えることができるでしょう。ぜひ、作品と一緒に味わってみて、心に刻んでください。

『リカバリー・カバヒコ』の各章のつながりとは?

青山美智子さんの連作短編集の特徴として、各章に登場する人物たちがつながっているというものがあります。本作も同様に各章でのつながりが感じられます。

ただ他の作品がミステリーっぽい企みだったのに対し、こちらは分かりやすい形で登場するのでそれほど混乱することなく安心して読めるでしょう。カバヒコの効果を聞く場面では、ちょうど前章に登場する人物も現れるので、彼らの心の変化を知ることができます。

最終章では今までカバヒコの効果について教えてきたクリーニング店の店主が、まさかのつながりを持って登場します。そのあたりの仕掛けにも注意しながら読み進めてみてください。

『リカバリー・カバヒコ』と他の青山美智子作品とのつながりとは?

『リカバリー・カバヒコ』の作品中には、他の青山美智子作品で書かれたものも出現してきます。そのひとつが最終章に出てくる「ブラマン」です。これは『赤と青とエスキース』に登場する漫画家の砂川凌が描いた「ブラック・マンホール」のこと。前作を読んだ人は、思わずニヤリとしてしまったのではないでしょうか。

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『リカバリー・カバヒコ』は映画化・ドラマ化する?キャストを予想してみた

これまで青山美智子さんの作品はなかなか映像化されてきませんでしたが、本作は公園を舞台にして日常を描いた作品なので、NHKの夜ドラあたりでドラマ化されないかなと期待してしまいます。現時点では映画化の噂も含めてまだありませんが、ここでは妄想で主要キャストを予想してみましょう。

・宮原奏斗:奥平大兼
・樋村紗羽:多部未華子
・新沢ちはる:橋本愛
・立原勇哉:番家天嵩
・溝端和彦:大森南朋

・サンライズ・クリーニングの店主:吉永百合子

『リカバリー・カバヒコ』を読んでみた感想

ここからは『リカバリー・カバヒコ』を読んでみた感想を書いていきます。また読者のレビューも合わせてまとめました。

【筆者の感想】誰もが気軽に訪れる公園を舞台にしたのがよかった

筆者は個人的に子育て真っただ中ですが、子どもを公園に遊ばせに行かせるようになってから、街中には意外と公園が多いんだなと思うようになりました。それに子どもだけでなく、仕事で休憩中の会社員や、散歩に来たお年寄りなどいろんな人が訪れることにも気づきました。

本作は、そんな多くの人が気軽に行ける公園のカバをモチーフにした点がいいなと思います。いつも同じ表情でずっとその場所で待ってくれる存在がいると心強くなれるのではないでしょうか。

本作はあくまで迷信のようなものではなく、主人公が自力で解決していく道筋を見つけていくのもいいですね。カバに触ることで、客観的に自分を見つめ直すきっかけになるのではないでしょうか。結局は自分の中に答えはあるのでしょう。

青山さんらしいハートフルな作品。とても読みやすいので、これまた多くの人が手に取ってもらえたらいいなと思います。

【みんなの感想や評価】心が温かくなる作品

続いて読者がSNSやレビューサイトに投稿した感想や口コミをいくつか紹介します。

各章が独立しながらも緩やかに連なって物語が展開する。長編を読むには時間がない!忙しい方も隙間時間にお茶を片手にほっと読める。あの日の自分に重ねてしまう共感できる登場人物たち。じんわり心が温かく懐かしくなるような。そんなお話
引用:Amazon

まとめ:『リカバリー・カバヒコ』はカバヒコが心の再生のきっかけをくれる小説だった

いかがでしたか?『リカバリー・カバヒコ』の特徴を以下にまとめました。

・2024年本屋大賞候補作
・心のリカバリーがテーマの作品
・各章の登場人物たちのつながりもおもしろい

以上です。まだチェックしていない方は、ぜひ読んでみてください!

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