ピース・又吉さんの受賞など、何かと話題になりやすい芥川賞。日本で最も有名な文学賞の一つですが、作家志望の人が気軽に誰でも応募できるものなのでしょうか?そこで今回は芥川賞の応募条件や応募要項について調査。実際に受賞するための方法を、丁寧に解説していきます。
そもそも芥川賞とはどんな賞なのか?
芥川賞は受賞作が話題になりやすい、日本で最も有名な文学賞の一つ。1月と7月の年2回選考会が実施されます。優れた純文学の新人に贈られる賞であり、若手作家の登竜門とされています。
最近ではお笑い芸人のピース・又吉直樹さんが芥川賞を受賞して、話題になりました。他にも松本清張、村上龍、吉田修一、綿矢りさ、川上未映子、小川洋子さんなどの人気作家たちがこれまで受賞しています。
芥川賞は公募の新人賞ではないので、応募できない!
芥川賞はハードルが高い賞だと思われがちですが、実際にその通りで作家志望の方がいきなり受賞できるわけではありません。芥川賞は公募の新人賞と違って作品を募集していないので、こちらから応募できるわけではないからです。
なので、芥川賞の応募条件や応募要項などは一切ありません。では作家志望の人が芥川賞の受賞を目指すのは不可能なのか?と言われると、そうではありません。次章からは作家志望の方が、芥川賞を受賞するための方法を解説していきます。
作家志望が芥川賞を受賞するための方法を解説
ここからは作家志望の方が芥川賞を受賞するための方法を解説していきます。前述した通り、芥川賞の受賞はハードルが高く、なかなかすぐに受賞できるものではありません。とはいっても、努力すれば夢に近づく可能性があります。各STEPを丁寧に解説していきましょう。
本当に芥川賞を受賞したいのか?まずは賞の本質や自分の目指す道を考えよう
まずはあなたが本当に芥川賞を受賞したいのか、自問自答するところから始めましょう。芥川賞は何かと話題になるので、なんとなく応募できないかなと思った程度だと、率直に言って受賞までの道はかなり険しいです。
その理由の一つに、芥川賞の対象となるジャンルが一般的に書きづらいジャンルだということが言えます。芥川賞で評価対象となるのは、純文学という分野です。そこでまず純文学とはどんなジャンルかを知っておく必要があります。
純文学とは、文学の芸術性や世界観を高く評価する文学です。本屋さんでよく売れているようなエンタメ系の小説(ミステリー、恋愛小説など)は主に大衆文学であり、純文学とは違います。
純文学は、いかにも文学然とした雰囲気があります。過去の芥川賞受賞作を読んでみると、「何が言いたいか分からない」と思われる作品も多いでしょう。なんとなく有名な文学賞で芥川賞を思い浮かべた人にとっては、純文学はとても高いハードルだと感じてしまうかもしれません。
少し厳しい言い方になってしまいましたが、逆に純文学が狙いやすいと思われる点もあります。それはある程度起承転結がはっきりしている物語を求められる大衆文学とは違い、純文学は自由に書いてよいからです。
ただしある程度の文学の基礎を踏まえた上で書く必要はあります。その上で文学的な付加価値を見出していき、自分なりの世界観を表現していくことになるのです。それくらいの覚悟があるか、まずは自分自身がどうなりたいかを問いただすところから始めてみるとよいでしょう。
文芸誌の新人賞を狙う|主要文芸誌5誌の新人賞をチェック!
芥川賞の候補作は、過去半年に刊行された文芸誌の掲載作品から選ばれます。文芸誌に自分の小説を掲載してもらうためには、各文芸誌が主催している新人賞を受賞するところから始めましょう。
芥川賞の候補になりやすい主要文芸誌5誌とその新人賞を以下の表にまとめました。各文芸誌の名前のリンクをクリックすると、それぞれ公式サイトにとべます。締め切りについては例年の日付を書いているだけなので、正式には各公式サイトの締め切りをご確認ください。
文芸誌の名前 | 新人賞の名前 | 例年の締め切り |
文學界 | 文學界新人賞 | 9月30日 |
新潮 | 新潮新人賞 | 3月31日 |
群像 | 群像新人文学賞 | 10月15日 |
文藝 | 文藝賞 | 3月31日 |
すばる | すばる文学賞 | 3月31日 |
上記のどの賞も新人賞に選ばれれば、該当する文芸誌に掲載されます。上記の中で締め切りが近いものに応募するとよいでしょう。どの文芸誌でも芥川賞の候補になる可能性はありますが、強いていうなら文學界新人賞に応募するのがおすすめ。なぜなら文學界新人賞は、芥川賞を主催する文藝春秋社が主催する新人文学賞だからです。
小説の基本をおさえたいなら…小説家の養成講座に通う
小説を書くなら、まずは文章を書く基本をおさえておきましょう。独学だと客観的に自分の文章を評価しづらいので、最初は小説家の養成講座に通うのをおすすめします。実際に最近の芥川賞受賞者である、若竹千佐子さんや石井遊佳さんは小説家の養成講座に通っていたと語っています。
若い方なら小説家の基礎を学べるカリキュラムを学べる学校を選ぶのもよいでしょう。アミューズメントメディア総合学院では、未来を担うクリエイターの基礎を楽しみながら学べます。まずは資料請求と体験申込から始めてみましょう。
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受賞傾向を分析する|独自の世界観が評価されやすい
過去の受賞傾向を分析していきましょう。まずは純文学とはどういうジャンルか知るところから始め、過去の芥川賞を受賞した作家の本を読み漁るとある程度の雰囲気がわかってきます。
第164回芥川賞を受賞した宇佐見りんさんは、尊敬している作家に芥川賞作家の中上健次さんをあげています。中上健次さんは生々しい感覚が伝わってくる迫力や独特の文体が評価されている作家で、純文学の世界を知りたい人にとってはとても参考になりやすいです。
独自の世界観が評価される賞なので、どんな作品が好まれやすいかは判断しづらいです。ただし歴代の芥川賞受賞作の傾向や、文体の研究をするのにおすすめの本があるので次章で紹介していきます。
芥川賞を研究するのにおすすめの本3冊
芥川賞を研究するのにおすすめの三冊をセレクトしました。
文学賞メッタ斬り!
例年、芥川賞と直木賞の発表時期になると、受賞作予想と毒舌な講評が話題になっているコンビ(大森望&豊崎由美)の本です。選考委員に文句を言っていることが多いですが、受賞傾向の分析力は優れているので、どんな小説が受賞しやすいか把握するのにいくらか役立つでしょう。
また、この本は芥川賞・直木賞だけでなく国内に存在する主要文学賞について触れています。もし芥川賞が難しいと感じても、自分に合った文学賞を発見できるかもしれません。そういう意味でもぜひチェックしてほしい本です。
[実践]小説教室
これまでに多くの人気作家のデビューに立ち会った、講師・根本昌夫による本です。最近も若竹千佐子さん、石井遊佳さんなどの芥川賞作家が教え子だったというニュースで話題になりました。
小説の基本から、読者の心情に訴えかけるためのメソッドなど、実践的な内容が多く書かれているので、これから小説を書こうと思っている人には必須の教科書のような存在です。
芥川賞全集 第十一巻
過去の芥川賞を受賞した作品を収めた全集です。これまで第十九巻まで出ていますが、おすすめは第十一巻。村上龍のデビュー作や、三田誠広による話題作などが収められており、全体的に若者向けの小説が多いのが特徴です。
芥川賞を受賞した小説全文はもちろん、当時の芥川賞の選評も併せて掲載されています。当時の選評は肯定的な意見だけでなく、否定的な意見も多く寄せられているので、指摘されている点は小説を書く上での参考になるでしょう。
過去の芥川賞受賞作を無料で読む紹介を公開!
毎回受賞作が話題になる芥川賞。前回の芥川賞受賞作『ハンチバック』は、重度障害者の作家による生々しい描写や鋭い視点が評価されました。
この『ハンチバック』をはじめ、前々回の芥川賞受賞作となった『この世の喜びよ』や、話題となった『コンビニ人間』、又吉直樹さんによる『火花』などは、Amazonが展開するサービス・Audibleにて配信されています。
Audible(オーディブル)は、プロのナレーターが本を朗読したものをいつでも聴けるサービス。月額1500円のサービスですが、現在、30日間無料で体験できるキャンペーンを実施中です。ぜひ無料期間のうちにチェックしておきましょう!
【Audibleにて無料配信中の主な芥川賞受賞作品】
・『ハンチバック』(著:市川沙央)
・『この世の喜びよ』(著:井戸川射子)
・『コンビニ人間』(著:村田沙耶香)
・『火花』(著:又吉直樹)
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まとめ:芥川賞には直接応募できないが、新人賞を経由して受賞する可能性がある
いかがでしたか?芥川賞は公募の新人賞ではないので、応募条件や応募要項はなく直接応募できるものではありません。しかし純文学の新人賞に応募して受賞すれば、一気に可能性があがります。
まずは自分が本当に芥川賞を受賞したいと思っているのか、純文学というジャンルで小説を書きたいかなど、一旦自分自身がどういう作家になりたいかを考えてみるところから始めてみましょう。
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