「りんごの木を植えて」を読んで読書感想文を書こうとしている小学生は必見!今回は2022年の課題図書に選ばれている本作のあらすじを要約しました。感想文をどう書いていいか分からない方に向けて、例文つきで書くコツを解説します。ぜひ参考にしてみてください。
小学校高学年の部の課題図書「りんごの木を植えて」とは
書名 | りんごの木を植えて |
作者 | 大谷 美和子 (著),
白石 ゆか (イラスト) |
出版社 | ポプラ社 |
発売日 | 2021年4月6日 |
ページ数 | 191ページ |
小学校高学年の部の課題図書に選ばれた「りんごの木を植えて」。作者の大谷美和子さんは本書のあとがきの中で、「死は終わりではない」というテーマで書いた小説だと語っています。
「りんごの木を植えて」は、小学5年生のみずほが主人公。おじいちゃんは重病が見つかったものの、病院の治療は受けない方法を選びます。みずほがおじいちゃんといっしょに生活していく中で、「生と死」を見つめ直すという話です。
※「りんごの木を植えて」は以下に当てはまる人におすすめ!
・読書感想文を書こうとしている小学校高学年の子
・身近な人の死を経験したことがある人
・「生と死」について考えたいと思っている人
↓↓「りんごの木を植えて」を買いたい人は以下から↓↓
3分で分かる「りんごの木を植えて」のあらすじ【※ネタバレなし※】
みずほが五年生になった夏休みのある日、おじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さん、お兄ちゃんとの6人でいっしょにごはんを食べた。楽しい時間だったが、おばあちゃんが「この時間がずっと続くといいのに」というようなことをつぶやいたのを、みずほは気になっていた。
それからみずほは、おじいちゃんがあまり食べなくなったり、日課の散歩に行かなくなったりしたことをふしぎに思う。いよいよおかしいと思ってきたみずほは、お父さんとお母さんにおじいちゃんは病気なんじゃないかと聞いてみた。すると、お父さんからおじいちゃんはガンが転移したことを知らされる。
おじいちゃんは、積極的な治療を受けないと決めたという。みずほはおじいちゃんに死んでほしくない一心で、おじいちゃんを説得しようとする。しかしおじいちゃんの決意はかたかった。みずほは死がせまるおじいちゃんといっしょに生活していく中で、自分の考えがだんだんと変わっていくことに気づく…。
「りんごの木を植えて」の詳しいあらすじの要約【※ネタバレあり※】
ここからはネタバレありで、「りんごの木を植えて」の詳しいあらすじをまとめます。一度作品を読んで、内容をふりかえりたい人だけチェックするようにしてください。
ネタバレしていいから詳しいあらすじを知りたい方はこちらをクリック!
おじいちゃんはお兄ちゃんの義人といっしょに甲子園へタイガースの試合を見に行った。体調がすぐれないのに無理をしているようで、みずほはその行動を非難したくなる。お母さんになぜおじいちゃんは治療したくないのか聞くと、おばあちゃんが答えてくれた。
昔、ひいおばあちゃんが重病で入院したとき、点滴や注射で延命されて、好きなことができずにベッドの上で死んだという。それを見ていたおじいちゃんは、死ぬ間際には「あんな終わり方したくない」「これからの毎日を大切に生きたい」と思ったそうだ。
それでも治療を受けないとすぐに死んでしまうのではないか。そう感じたみずほはおじいちゃんのところへかけよった。おじいちゃんは「おじいちゃんのこと、大事に思っていてくれて、ありがとう」と伝え、さらにりんごの木のエピソードを語ってくれた。
『たとえあした、世界が滅亡しようともきょうわたしはりんごの木を植える』ってことば、聞いたことないか?
引用:「りんごの木を植えて」本文より
おじいちゃんから問いかけられたみずほだが、なぜ世界が無くなると分かっているのに、そんなむだなことをするのか、ふしぎだった。おじいちゃんはこう続けた。
りんごの木を植えるのは未来への希望やろな。
(中略)
希望をなくしたら、人間、生きるのが苦しくなると思うで
引用:「りんごの木を植えて」本文より
それからみずほはおじいちゃんといっしょに過ごした。いっしょにスケッチをしに行ったり、おじいちゃんが仕事を続けた理由を聞いたり、おじいちゃんとおばあちゃんのツーショット写真をとったり。それはとても充実した時間だった。
おじいちゃんは80歳の誕生日の翌日に体調をくずし、その夜に亡くなった。亡くなる直前に、みずほはおじいちゃんにありがとうと伝えた。
おじいちゃんが亡くなったあと、2日間だけおじいちゃんの絵の個展をした。そこには爺ちゃんの中学時代からの親友の林さんをはじめ、多くの人がやって来た。みずほの友だちの咲ちゃんも来て、みずほからおじいちゃんとの思い出をずっと聞いてくれた。
泥ぼうよけのために玄関に出したおじいちゃんのくつ。おばあちゃんの部屋にあるおじいちゃんのリクライニングチェア。おばあちゃんとおじいちゃんがピアノと歌のデュエットをしていた思い出。今でもみずほの心の中にはおじいちゃんがいっしょにいてくれるように感じた。
「りんごの木を植えて」の読書感想文ガイド
「りんごの木を植えて」は、2022年の課題図書(小学校高学年の部)に選ばれています。ここからはこの本を読んで読書感想文を書くコツを解説していきましょう。
読書感想文はあらすじをまとめるだけではなく、そこから自分がどう感じ、どう思ったかを考えて書くことが重要です。皆さんの自分の言葉で書く必要がありますがどこからどう書いたらいいか分からないという人もいるでしょう。
ここではそんな方たちに向けて、読書感想文を書くヒントを解説します。作者が伝えたいことは何かをしっかり抑えていきましょう。例文も紹介しますが、あくまで参考程度にしてくださいね。
大切な人が死んだ経験を重ねて書く
「りんごの木を植えて」では、いっしょに住んでいるおじいちゃんとの生活とお別れが書かれています。みずほにとってのおじいちゃんのように、自分のまわりの大切な人が亡くなってしまった経験があるひとは、その時どう思ったかふりかえってみましょう。
【例文】
みずほがおじいちゃんを思う気持ちには、とても共感できる部分がありました。私も去年、いっしょに住んでいるおばあちゃんが亡くなったからです。おばあちゃんは心臓の病気でした。
作中でみずほは治療をしない道を選んだおじいちゃんを悲しんだり、無理して外に出ようとしたところを心配したりします。同じような気持ちになったことがある人は、その気持ちを表しましょう。
【例文】
病気のおじいちゃんが野球を見に行くのを、みずほが心配するシーンがありました。わたしは去年コロナウイルスがはやっている中、おじいちゃんとおばあちゃんが旅行に行くことに不安になったので、本の中のみずほと似たような気持ちになりました。そのときはおじいちゃんやおばあちゃんが勝手な行動をしていると、責めたくなりました。しかしこの本を読んでいると、人生の残りの時間を大切にしていたからだと気づきました。もっとおじいちゃんとおばあちゃんの気持ちを尊重できれいればよかったと、今は少し反省しています。
このように、作中の登場人物の気持ちをくみとって、自分の考えに反映させるとよいでしょう。
希望を持って生きる大事さを考える
「りんごの木を植えて」の中で、明日世界が終わると分かっていてもりんごの木を植えるのは「希望」があるからだという話がありました。また、おじいちゃんが死んだ後に残された人たちが希望を感じている場面も書かれていました。このあたりの内容をふまえて、読書感想文を書いてみましょう。
【例文】
亡くなった人が生きられなかった未来を、私たちは生きていると思いました。そう考えると、毎日をムダに生きてしまうのはもったいないし、死んでしまった人に悪いとも思えます。
もっと具体的に、「希望」を持って生きる大事さについて書くと、さらによい文章が書けます。
【例文】
アサガオの観察日記をつけています。このアサガオがきれいにさく姿を見られるのは、今わたしがしっかり毎日を生きているからだと思います。アサガオが咲くまでに、わたしは自分の目標をしっかり決めようと考えました。アサガオの花が開くころ、自転車にうまく乗れるようになっている自分を想像して、毎日練習します。
絵や音楽を通じて、毎日を楽しむ喜びを感じる
「りんごの木を植えて」では、おじいちゃんが残された日々を絵や音楽にふれながら楽しんでいる日々がえがかれています。学生時代の親友とスケッチをしたり、おばあちゃんとデュエットをしたり。絵や音楽がもたらす喜びが伝わってきますね。
みなさんも絵を書いたり、音楽を聞いたりしていると、楽しくなってきた経験があるでしょう。そのことを思い出しながら、自分がどう感じたかを書いてみましょう。
【例文】
「りんごの木を植えて」では、おじいちゃんがおばあちゃんとデュエットするシーンがありました。わたしはピアノのレッスンに通っているのですが、一人だけで練習するのはつまらないと感じる時があります。しかしこのまえ中島みゆきさんの「糸」をひいているとき、わたしの母がいっしょに歌ってくれて、うれしく思いました。それを聞いていたわたしの父も「感動した」と言ってくれました。もっとピアノの練習をがんばってみようと思います。
参考にしたい「りんごの木を植えて」の感想まとめ
読者がSNSやレビューサイトにあげた「りんごの木を植えて」の感想を紹介します。大人の読者が書いた内容なので、少し分かりづらい点がありますが、参考にできるところはぜひよく読んでみてください。
課題図書の、リンゴの木を植えて、
とても深い、深いお話だった。
『たとえ明日、世界が滅亡しようとも、今日わたしはりんごの木を植える』
五年生の娘には、まだ少し難しいものがあったけど、なにか響いたらいいなぁと思う😌— みなつき菫🌻 (@minatuki_smr) July 28, 2022
ようやっと高学年課題図書『りんごの木を植えて』読了
素敵なお話でした。
大きな事件とかは起こらない。
小学生の女の子がおじいちゃんの病気を通して生と死を見つめていく。
おじいちゃんの病気も、多くは
描写されない。
主人公の気持ちに、ただただ寄り添って読み進める。
そんな作品。— あつこ (@akenotsuki) July 27, 2022
おそらくみずほがその後の人生を通じて何度もおじいちゃんの言葉を思い出しその真意を理解していくように、この本も読み終えた後も心に残って折に触れて思い出す、そんな物語だと思います。
引用:Amazon
ムスメが選んだ読書感想文の課題図書「りんごの木を植えて」を私も読了
おじいちゃんの生き方が素敵。
ムスメも一生懸命自分の感想をまとめてます。頑張れ☺️ pic.twitter.com/8FP3wbuUbG
— さば母@《無料知育プリント》さばの知育カジリ (@sabatiiku) July 31, 2022
まとめ:「りんごの木を植えて」は生きる大切さを教えてくれる本だった
いかがでしたか?「りんごの木を植えて」の特徴(とくちょう)を以下にまとめました。
・2022年の課題図書(小学校高学年の部)
・大事な人が亡くなった経験がある人は共感しやすい内容
・生きることの大切さが分かる本
以上です。読書感想文を描こうと思っている小学生はもちろん、大人の方にもおすすめしやすい作品です。まだチェックしていない方は、ぜひ読んでみてください!
↓↓「りんごの木を植えて」を書いたい人は以下から↓↓
コメント