「江戸のジャーナリスト 葛飾北斎」を読んで読書感想文を書こうと思っているけど、どこからどう書いていいか分からない!そんな方に向けて、本書のあらすじを要約した後、読書感想文を書くコツを例文つきで解説します。あなたもぜひ一人のジャーナリストになった気分で、この本の内容を深掘りしていきましょう!
中学校の部の課題図書「江戸のジャーナリスト 葛飾北斎」とは
書名 | 江戸のジャーナリスト葛飾北斎 |
作者 | 千野境子 |
出版社 | 国土社 |
発売日 | 2021年5月7日 |
ページ数 | 208ページ |
中学校の部の課題図書に選ばれた「江戸のジャーナリスト 葛飾北斎」。葛飾北斎の作品は、パスポートに『富獄三十六景』が採用されたり、2024年から発行される千円札に『神奈川沖浪裏』が登場したりと、馴染み深いですよね。
本作は江戸の浮世絵師・葛飾北斎にスポットを当てた本です。元新聞記者だった作者が、ジャーナリストの目線で北斎の生涯や家族などに密着し、北斎とは何者なのかを解き明かす構成になっています。
※「江戸のジャーナリスト葛飾北斎」は以下に当てはまる人におすすめ!
・読書感想文を描こうと思っている中学生
・葛飾北斎の絵に興味がある人
・ジャーナリスト志望の人
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3分で分かる「江戸のジャーナリスト 葛飾北斎」のあらすじ【※ネタバレなし※】
作者は小布施にある北斎館に展示された、小野小町の一生を描いた屏風『「七小町」の八曲一隻屏風』に引き寄せられた。作品を見るうちに、かつて新聞記者だった自分と同業者であるような親近感を抱いたのだ。
北斎の対象へのアプローチの仕方、事実を事実として冷厳に見るリアリストとしての眼は、あたかも、江戸時代のジャーナリストであるかのように思えました。
引用:「江戸のジャーナリスト 葛飾北斎」本文より
また北斎の鳥瞰図には、ジャーナリズムの世界で重要な「鳥の目と虫の目」の要素も感じられる。細部を把握するような虫の目は、北斎のどの部分に感じられるのだろうか。本書は北斎の生涯や家族について述べた後に、そういった北斎の魅力を深掘りしていく。
「江戸のジャーナリスト葛飾北斎」の詳しいあらすじ【※ネタバレあり※】
「江戸のジャーナリスト葛飾北斎」の前半部分は主に北斎の生涯について書き、後半部分でジャーナリストの作者から見た魅力について書かれています。作品で書かれた内容を以下に要約します。
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北斎の生涯については、箇条書きでざっとまとめてみました。
・宝暦十年、下総国本所割下水の近くで生まれる
・安永七年、人気浮世絵師の勝川春章に弟子入りする
・作品を多く発表し始め、名前を次々に変える
・文化三年、葛飾北斎を名乗る。
・文化九年、『北斎漫画』の下絵を書き、二年後に刊行する
・七十二歳のとき、『富嶽三十六景』を発表
・七十五歳のとき、『富嶽百景』を発表
また家族とのエピソードについても、箇条書きでまとめます。
・結婚二回、子供は二男四女
・生涯で九十三回も引越しをした
・お金を貯める気がなかったため、貧乏だった
以降は、主に以下のようなことが書かれています。(詳しくは長くなるので割愛します)
・北斎が海外の情報へ興味を持っていたこと
→中国古典に精通していたり、西洋画法に挑戦したりした
・『北斎漫画』が世界を魅了した
→シーボルトの「NIPPON」に掲載されたことで人気が出た
→影響を与えられたゴッホは、浮世絵を書いたり『北斎漫画』の感想を綴った手紙を書いたりした
・生涯を通じて現役絵師だった
→人気作品の多くを晩年に生み出した
→今日の「人生百年時代」を江戸のうちから先取りしていた
上記のようなことがまとめられていますが、本書ならではの北斎から感じられるジャーナリズムについて書いている部分をあげておきましょう。
先に書いた、北斎が持っている「虫の目」についての記述です。作者は『北斎漫画』において、北斎の「虫の目」を感じると述べています。
自然界から建物、人の動き、職人仕事などありとあらゆる事象を題材とし、一枚のページに、人物は人物、動物は動物、魚は魚で統一し、それらをさまざまなアングルや様態でびっしりと書きこんでいる。これぞ「虫の目」ならではの、緻密さとデッサン力の確かさが伝わってきます。
引用:「江戸のジャーナリスト葛飾北斎」本文より
「江戸のジャーナリスト葛飾北斎」の読書感想文ガイド【例文つき】
「江戸のジャーナリスト葛飾北斎」は2022年の課題図書(中学校の部)に選ばれています。読書感想文を書こうと思っているが、どこからどうやって書いたらいいか分からないと悩んでいる人もいると思うので、ここではいくつか書くためのコツを解説します。
読書感想文は本のあらすじをまとめるだけではなく、作品を読んでどう思い、どう感じたかを書く必要があります。本書は小説とは違うので、各章を読んで共感するトピックについて深掘りする書き方をするとよいでしょう。
以下、特に作者が伝えたいことを抑えた上で、感想文を書くポイントを紹介します。例文つきで解説するので、参考にしてみてください。
生涯通じて夢中になれるものを持つことの大事さを書く
葛飾北斎は有名作品の多くを晩年に完成させており、生涯を通じて名作を生み出し続けた人物だと紹介されています。なぜ彼がここまで生涯夢中になれたのかを本書の内容を読んでまとめた後、自分自身も生涯を通じて夢中になれるものがありそうかどうか考えてみるとよいでしょう。
【例文】
「継続は力なり」と簡単に言ってしまいそうになりますが、葛飾北斎の活躍をみていると、まさにそうだなと実感しました。私自身も中学生に入って、毎日続けていることがあります。それはテニス部での活動内容をまとめた日記です。最初は顧問(こもん)の先生から言われてやっていたので、いやいや続けていた時期もありました。しかしこの本を読んで、継続することで力が身についていくのだと気付きました。北斎が晩年にピークを迎えていったように、私も中学3年生の総体前の時期に力を出せるよう、しっかりがんばっていこうと思います。
自分の境遇と歴史上の偉人の生い立ちや感覚を重ねてみる
葛飾北斎の生涯を知っていく中で、自分と共通するところを見つけられませんでしたか?例えば、北斎は甘いものに目がなく「好きなものをがまんできないところにも人間臭さが感じられる」と書かれています。この点をピックアップした例文をあげましょう。
【例文】
北斎が甘いものを好きで食べるのをがまんできなかったように、私もカードゲームが好きでやめられなくなる時があります。好きなことを変にがまんしてストレスに感じるのは良くないと感じました。ただし北斎は画業のために健康に注意していたという記述がありました。だからこそ甘いものをセーブせずに済んだのでしょう。私もカードゲームをする時間は作るけど、将来の夢のための勉強の時間はしっかり確保して、余った時間で楽しむようにします。
ジャーナリスト目線で葛飾北斎の魅力を分析してみる
この本の作者がジャーナリスト目線で葛飾北斎の魅力を分析したように、読者のあなたもなぜ北斎がここまで人気なのかを検証してみるとよいでしょう。レベルが高いことをやっていると思われるかもしれませんが、これがあなた自身の言葉で書ける内容なので、いろいろ空想してみると楽しいですよ。
本書の記述をもとに、考察してみましょう。例えば「北斎は甘いものが好きだった」という記述を受けて、「甘いものはエネルギーが生まれて、頭の回転が良くなると聞いたことがある。推理ドラマの主人公が甘いものを食べながら考えているシーンを見たことがある。北斎の実力が発揮されたのは、意外とこういった食生活が大きく影響しているのかもしれない」など。
また自分なりの分析と、作者の分析の違いを比較してみると、深い洞察(どうさつ)力が評価されます。あなたも一人のジャーナリストになって、この本をよく研究してみてください。
世界で活躍する力をどうやって身につけるか考える
葛飾北斎の世界での活躍ぶりについては、主に第四章の「海外情報への好奇心」と第五章の「世界を魅了した『北斎漫画』」に書かれています。この章をしっかり読んで、なぜ北斎が世界で活躍することになったのかを自分なりに分析してみましょう。
少しだけヒントを書くと、北斎自身が海外にまず興味を持っていることがことの始まりだと言えますね。北斎は中国の古典に精通し、西洋画法に挑戦するなど、海外の文化を積極的に情報収集しています。
またその上で、北斎が逆に世界で認められるようになったきっかけも考えてみましょう。こちらはシーボルトの『NIPPON』に『北斎漫画』が登場してきたことが大きいです。ゴッホが浮世絵に魅せられ、作品を多く発表していたのも面白いですね。
第八章の「北斎を復活させたロシア人」の章は、教科書や他の関連本でもあまり指摘されてこなかった点でオリジナリティーがあります。この章の内容を踏まえて、感想文に反映させるとよいでしょう。
もっと踏み込んで、自分自身が世界で活躍するにはどうしたらよいか考えてみましょう。例えば北斎が海外にまず興味を持ったように、自分自身が興味を持つようになった具体的なエピソードをあげて論じてみるとよいです。
【例文】
本書の中で、浮絵と呼ばれる、浮世絵に西洋画の透視図を取り入れた手法があるのだと初めて知りました。浮世絵は日本固有のものばかりだと思っていたので、驚きました。北斎は若い頃に浮絵に挑戦し、その後に銅版画や油絵にも関心を示しています。私は将来ミュージシャンになりたいという夢があります。これまでは日本の音楽ばかり聞いていましたが、それだけでなく海外の音楽も聞いてみようと思いました。海外のレゲエやジャズなどを聞いてみると、意外と日本の有名な音楽にも取り入れられていることを発見しました。私の好きなミュージシャンたちも、同じように海外の音楽を研究して取り入れていたのだと知れたのは大きな発見でした。
参考にしたい「江戸のジャーナリスト葛飾北斎」の感想まとめ
ここからは「江戸のジャーナリスト葛飾北斎」の感想をまとめます。大人の読者が書いたレビューなので少し難しいかもしれませんが、ぜひ参考にしてみてください。
現在の言葉で言えば後期高齢者になっても情熱を燃やし続けた北斎に、お前も頑張れよ、と肩を叩かれたような気分です。
引用:Amazon
北斎の多彩な分野の作品が時代、国境を越え大きな影響を与え、その縦横無尽の活躍ぶりが今なお続いていることなど実に面白く一気に読んでしまった。
引用:Amazon
鳥の目で見る、虫の目で見る、旺盛な好奇心で新しいことに挑戦する、裏付けを取る、などなど。世の中のことはすべていろんな見方がある、いろんなアングルでとらえることができる、ということを子供たちに伝えたいという意欲がひしひしと感じられる本です。
引用:Amazon
まとめ:「江戸のジャーナリスト葛飾北斎」は葛飾北斎の魅力が分かる本だった
いかがでしたか?「江戸のジャーナリスト葛飾北斎」の特徴を以下にまとめました。
・2022年課題図書(中学校の部)
・葛飾北斎の詳しい生涯や家族について知れる
・葛飾北斎の魅力をジャーナリストの作者が読み解く
以上です。本書を読んで、葛飾北斎の魅力をもっと知ってみましょう。
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