東野圭吾「白鳥とコウモリ」のあらすじ&ラスト真犯人のネタバレ&感想まとめ

2021年4月に出版された、東野圭吾の長編ミステリー「白鳥とコウモリ」。タイトルの意味や作品の魅力、簡単なあらすじ、読者の感想などをご紹介します。詳しいあらすじやラストの展開、真犯人の存在についての記述も掲載していますが、ネタバレになるので再読したい方に向けての内容と思ってもらえれば。まだ「白鳥とコウモリ」を読んでない方は、今回の記事と合わせてぜひチェックしてみてください。

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東野圭吾の小説「白鳥とコウモリ」とは

書名 白鳥とコウモリ
作者 東野圭吾
出版社 幻冬舎
発売日 2021年4月7日
ページ数 523ページ

東野圭吾の作家生活35周年記念作品となった力作!

今作「白鳥とコウモリ」は、東野圭吾さんの作家生活35周年記念作品と位置付けられた力作。500ページを超えた長編ミステリーであり、かなり読み応えのある内容です。

帯には過去の代表作である、「白夜行」「手紙」を引き合いにだし、東野圭吾さんの代表作となり得る作品だと示唆しています。東野版「罪と罰」とも称されており、2021年上半期を代表するミステリー作品だと言えるでしょう。

被害者の娘と加害者の息子の対比が鮮やかなミステリー

最初の80ページを読んだ時点で、事件の犯人は明らかになります。しかしそれで解決とはならないのです。ある刑事が事件に違和感を抱き、それがだんだんと物語を動かしていきます。

鍵となるのは、被害者の娘と加害者の息子の対比。被害者の娘は被告人の父親が嘘の自供をしているのではないかと疑い、さらに被害者である自分の父の言動を不審に思うのです。そんな中で加害者の息子と接触し…。息をつかない展開に一気読みさせられます。

【ネタバレなし】「白鳥とコウモリ」の簡単なあらすじ

2017年東京。善良な弁護士・白石健介が遺体で発見された。刑事・五代務は捜査を進める中で、事件が1984年に愛知で起きた殺人事件(すでに時効)と関わっていることに気づく。すると愛知から度々上京していた男性・倉木達郎が「すべて、私がやりました。」と自供してきた。

倉木は2017年の事件だけでなく、1984年の事件の犯人でもあると言う。本人の自供により、事件は解決かと思われた。しかし五代は事件に違和感を抱く。被告人である倉木達郎の息子・和真は、父の言動に不自然な印象を受ける。さらに被害者である白石健介の娘・美令も、父と犯人の関係や出会いに疑いをかけ始め…。

「白鳥とコウモリ」の主な登場人物

物語の詳しいあらすじやネタバレ解説に至る前に、ここで主な登場人物を整理しておきましょう。

【警察】
・五代努:警視庁捜査一課の刑事
・中町:警視庁所轄刑事課の巡査

【加害者側の関係者】
・倉木達郎:元自動車メーカー勤務。愛知県在住だが、息子を訪ねに度々上京する
・倉木和真:倉木達郎の息子。事件の影響で、会社から休養を言い渡される
・堀部孝弘:弁護士。倉木達郎の弁護人を務める

【被害者側の関係者】
・白石健介:港区海岸に停められた車より遺体で発見。善良な弁護士だと評判だった
・白石綾子:白石健介の妻。犯人には極刑を望んでいる
・白石美令:白石健介の娘。父の言動に違和感を抱き、独自で調査を始める
・長井節子:白石法律事務所アシスタント。白石健介を信頼している
・佐久間梓:元検察官。被害者参加制度に参加した白石遺族のサポート役

【その他】
・浅羽洋子:倉木が通う小料理店「あすなろ」の店主。故・福間淳二の妻
・浅羽織恵:浅羽洋子の娘。父・淳二の一件のせいで離婚した
・安西弘毅:浅羽織恵の元夫。財務省で働くエリート
・安西知希:安西と浅羽織恵の息子。中学2年生。
・灰谷昭造:1984年愛知での事件の被害者。悪徳商法で儲けていた
・福間淳二:1984年愛知での事件の被告人。逮捕された後、身柄拘束中に自殺した

【ネタバレあり】「白鳥とコウモリ」の詳しいあらすじ

※この章はネタバレを含みます。ネタバレしたくない方は読み飛ばしてください。※

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倉木達郎は白石健介と東京ドームで野球観戦をしている際に知り合ったと供述する。それに違和感を持った白石美令は、彼が当日に歯の治療を行なっており、飲酒を控えるよう注意されていたと知る。そんな中での野球観戦は不自然だと考える。

倉木達郎は白石健介と会った理由について、遺産譲渡の件で相談したかったからだと述べていた。しかし、倉木和真は達郎が既に遺産について相談している弁護士が他にいると知り、達郎の供述にはおかしな点があると気づく。

その他にも倉木達郎の供述や事件関与について疑いを持った、白石美令と倉木和真の二人。接触してはまずい立場だと周囲に忠告を受けながらも、二人はお互いの調査内容や事件についての気づきを共有し合うために密かに会う

五代刑事は和真の考えを聞いたり、白石に連絡をとったと思われる携帯の所在を調査したりする内に、事件の真相へと近づく。そして中町へこう告げる。

もし俺の想像が当たっていたなら(中略)とんでもない事実が出てきて、完全に事実がひっくり返る

【ネタバレあり】「白鳥とコウモリ」のラスト・真犯人の存在は?

※この章はネタバレを含みます。ラストをまだ知りたくない方は読み飛ばしてください。※

ネタバレしていいからラストを知りたい方はこちらをクリック!

1984年愛知での事件の真犯人は白石健介だった。白石の祖母は、福元に投資詐欺で騙されていた。白石は抗議するために福元のところへ赴き、争ったのちに誤って福元を殺してしまった。

2017年東京での事件の真犯人は安西知希だった。織恵のスマホの中身をたまに盗み見していた知希は、達郎と織恵のやりとりを見てかつて自分の祖父が誤認逮捕された一件の真の加害者が白石健介だと悟る。港区の海岸で白石と接触した知希は、その場で彼を刺した。

知希に刺された白石は自力で車へと戻り、少し運転して車を移動させた後に後部座席へと移動。そのまま死んだ。白石は過去の事件の罪悪感があり、車を移動させれば少年の犯行だと疑われないだろうという配慮があった。

倉木達郎は、メールを盗み見した知希が白石を殺したこと、白石が知希の犯行を隠そうとしていることに気づいた。そして自分が2つの事件の身代わりになることで、知希を庇うことができると考えていたのだった。

最後の描写は、白石美令と倉木和真が再会するシーンで締めくくられる。和真は、事件の真相を掴むために2人で愛知県の常滑に行った際、手をそっと繋いだことが忘れられず、また手を繋ぎたいと告白する。

殺人者の娘でもある美令は、自身の罪と罰の問題について考え、何かしらの答えがついた時に、その気持ちに応えたいと答えた。すると、和真はいつまでもその答えを待っておくと約束した。

「白鳥とコウモリ」の読みどころを解説3つ

ここまではあらすじについて紹介してきましたが、ここで改めて「白鳥とコウモリ」の魅力を深掘りします。この章は極力ネタバレしない範囲で書いてますので、まだ未読の方も安心してご一読ください。

被害者の娘と加害者の息子という立場の違う2人のやりとり

タイトルの「白鳥とコウモリ」とはどういう意味なのか?気になっている方が多いでしょう。この「白鳥とコウモリ」は、ずばり被害者の娘である白石美令と加害者の息子である倉木和真のことを指しています。

物語終盤になるあたりで、五代刑事の発言に「白鳥とコウモリ」というフレーズが出てきます。中町が白石美令と倉木和真が情報交換をしていることを知り、「普通ではない」とぼやいた後での発言です。

どちらも事件の真相に納得していないってことだ。もっと別の真実があり、それを突き止めたいと思っている。(中略)ならば手を組もうと思っても不思議じゃない。
(中略)
光と影、昼と夜、まるで白鳥とコウモリが一緒に空を飛ぼうって話だ

事件をめぐる関係性を思えば禁断の接触であり、当然周囲からは会うことを反対されます。微妙な立場に立たされた2人だからこそ、お互いの心理描写も細かく描かれています。ミステリーとしての要素だけでなく人間物語としても楽しめるのです。

真犯人の存在は?迷宮を抜けるための意外な伏線

物語の冒頭で犯人が明かされるのですが、もちろん一筋縄でいくわけにはいきませんね。五代刑事も何かあるのではと迷宮を予感しており、実際に中盤は犯人の供述の不自然な点を検証していく内容になります。

ここでは真犯人の存在についての言及は避けますが、ラストまで読んだ上でもう一度物語を振り返ると意外な伏線が張り巡らされたと分かります。冒頭のシーンから見逃してはならない場面が出てくるので、注意して読み進めていきましょう。

「この世の女は全員名女優​!」女性の登場人物の発言や仕草に注目

「この世の女は全員名女優​!」とは五代刑事のセリフです。実際に本作に出てくる女性たちは食わせ者。自然そうに見えて、実は演技をしているとだんだん分かってきます。そしてそれが事件の真相を解く鍵に。

ふだん、女性によく騙されていると思っている男性読者の方々は、特に共感を持って読み進めることになるのでは。一度読み終わってからもう一度読み直してみる際、女性たちの仕草や表情に注目すると、さらに楽しめることでしょう。

SNSに寄せられた「白鳥とコウモリ」の感想まとめ

最後に「白鳥とコウモリ」の感想をまとめました。こちらもネタバレしないものを厳選しましたので、安心してご確認いただけます。

35周年記念作品という位置づけも納得!これまでの東野圭吾さんの集大成とも言える作品だと言えます。

分かりやすい勧善懲悪ものではないので、深く考えさせられますね。

中盤から一気読みしてしまう感覚、分かります!どんどん引き込まれていきますね。

出てくる人物ひとりひとりの人物描写がしっかりしていて、さすがベテラン作家だなと感じました。

まとめ:「白鳥とコウモリ」は東野ワールド全開の傑作ミステリーだった

いかがでしたか?最後にもう一度「白鳥とコウモリ」についてまとめましょう。

・東野圭吾35周年の記念作品であり、集大成とも言える力作
・冒頭で犯人が分かるが、事件の真相は別にある?
・被害者の娘と加害者の息子の2人のやりとりに注目!

以上です。まだ読んだことがない方は、ぜひ手にとってみてください!500ページを超える長編ですが、あっという間に読み進めていくことになるでしょう。

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