『秘密の大作戦！フードバンクどろぼうをつかまえろ！』は小学校中学年の課題図書に選出されており、あらすじや感想などをまとめてから、読書感想文を書いてみようと思っている子もたくさんいるでしょう。そこで今回はネタバレ込みで物語の要約をした上で、例文つきで読書感想文を書くヒントを解説します。
『秘密の大作戦！フードバンクどろぼうをつかまえろ！』（小学校中学年の課題図書）の内容とは
| 書名 | 秘密の大作戦！フードバンクどろぼうをつかまえろ！ |
| 作者 | オンジャリQ.ラウフ (著),
スギヤマ カナヨ (イラスト) 千葉 茂樹 (翻訳) |
| 出版社 | あすなろ書房 |
| 発売日 | 2022年6月16日 |
| ページ数 | 128ページ |
『秘密の大作戦！フードバンクどろぼうをつかまえろ！』は、フードバンクや朝食クラブといった、食糧支援を行う活動をテーマに取り上げた本。主人公の少年目線で、フードバンクで泥棒をする者を追い詰める物語が描かれています。
食糧支援の活動を普及させる目的を持った作品ですが、堅苦しい感じではなく、少年目線のアクション要素がある物語で、楽しく読めます。主人公たちが空腹をしのぐために考案したゲームも楽しげなもので、子どもたちにも読ませやすいでしょう。
※『秘密の大作戦！フードバンクどろぼうをつかまえろ！』は以下に当てはまる人におすすめ！
・読書感想文を書こうと思っている小学生
・食糧支援の活動を考えたい人
・どろぼうを追いつめるハラハラする展開の本を読みたい人
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3分で分かる『秘密の大作戦！フードバンクどろぼうをつかまえろ！』のあらすじ要約【※ネタバレあり※】
貧しい家庭で育つぼく（ネルソン）は、妹のアシュリーと「つもりゲーム」などの妄想で楽しむ遊びをしながら、はらぺこな時間を過ごしている。
ぼくは、朝食クラブと呼ばれる朝ごはんを提供してくれる場所へ行ったり、フードバンクと呼ばれる食品を支援してくれるところから食品をもらったりしながら、生活していた。
あるときから、フードバンクにどろぼうが入っていて、支援日に食品をあまり提供してもらえないことが続いた。そのせいでお母さんは、大事なものを質屋に行って、ぼくらの食費に変えてくれた。
お母さんの苦しむ姿を見たくないと思ったぼくは、妹や同じく朝食クラブへ通う子たちと協力して、フードバンクどろぼうをつかまえる計画を立てた。そして、当日。スーパーからカートごと食べ物を盗んだ悪者をぼくらはつかまえることができた。
親たちは勝手に行動した子どもたちのことを心配した。そこで、ぼくはお母さんに今の素直な想いを伝えた。
フードバンクが二度とからになってほしくないという気もちと、ぼくたちはもちろん、ラビーニアやケリーなど、朝食クラブのみんなが、いつでもおなかをすかせているようなことがないようになってほしい、という気もちもつたえた。
引用：『秘密の大作戦！フードバンクどろぼうをつかまえろ！』107ページより
その後、ぼくたちのもとにはフードバンクからのお礼にたくさんの食べ物が届いた。ぼくはかつてフードバンクからたくさんの食べ物をもらいたいと思っていて、結果的にその夢がかなった形になった。
また、朝食クラブの仲間うちでみんなのお気に入りだった、地元で活やくするサッカー選手から、いっしょにフードバンクや朝食クラブのような活動を広めるお手伝いをしようと言われる。ぼくたちはよろこんで、協力すると伝えた。
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『秘密の大作戦！フードバンクどろぼうをつかまえろ！』の読書感想文ガイド【例文つき】
『秘密の大作戦！フードバンクどろぼうをつかまえろ！』は小学校中学年の課題図書に選出されており、この本をもとに読書感想文を書こうとしている子たちも多いでしょう。しかしあらすじは分かったものの、いざ書こうとするとどこからどう書いていいか分からないとお悩みかもしれません。
読書感想文はあらすじをまとめるだけでなく、その本から何を学び、自分の生活にどう活かせるかを書くことが重要です。ここでは読書感想文を書く上でのヒントとなる事柄を説明します。例文つきで解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
貧しい子たちを支援する活動の意義を書く
本作のメインとなるのは、やはりフードバンクや朝食クラブなどの、満足に食事ができない子どもたちへの支援活動でしょう。とはいえ、この本で描かれる物語の舞台はイギリスであり、我々が住む日本では遠い出来事と感じられるかもしれません。
実際、日本におけるフードバンクの活動は他国に比べて遅れており、本書の巻末にある説明文によれば、日本のフードバンクで取り扱う食品の量はイギリスの6分の1以下だとされています。
しかし、日本も実は約7人に1人が「貧困状態にある子ども」だと言われており、深刻化している問題なのです。皆さんの周りにも該当する子は少なくないでしょう。
こういった現状を踏まえて、このような支援活動がどうあるべきかを一人一人が考えることが重要です。
・もっと多くの人がこの活動を知れば、おなかをすかせる子どもがへると思う
・ぼくが食事をできているのは特別ではないと分かったので、残さずにきちんと食べようと思う
など、子ども目線で感じた感想を素直にそのまま書き記すようにしてみましょう。
辛くても妄想で楽しむ遊びの良さを書く
本作で登場する主人公たちは、妄想で楽しむゲームをして、日々の辛さを和らげ、楽しもうとしています。実際に本作で紹介されているゲームをいくつかあげてみましょう。
・つもりゲーム：食べ物がなくても、あるつもりだと演じるゲーム
・動物あてゲーム：町ですれちがう人がもし動物なら、なんだろうと想像するゲーム
これらのゲームはお金がなくても想像力だけで楽しめるゲーム。皆さんもすぐに実践できますね。特に「動物あてゲーム」は実際にやってみると、街中にいろんな動物が増えてくる感覚になり、自ずと楽しい気持ちになってくるでしょう。
また
・料理の達人ゲーム：おかしな食材を使って、創作料理をするゲーム
なども、想像力を駆使してできるゲームでおもしろそうです。このようなゲームを実際にやってみて、その感想をつづるのも良いでしょう。
また、さらに妄想でゲームをすると、発想力が培われるので、その点の良さを述べるのも良いです。その上で、自分でオリジナルの妄想ゲームを生み出して、簡単に紹介してみるのもいいでしょう。
【例文】
ぼくはゲームというと、スマホでできるゲームばかりをしているのですが、この本の登場人物たちみたいに、頭でいろいろ考えるゲームができたら楽しそうです。動物あてゲームを自分の家族でやってみたら、お父さんはライオンでお母さんはキリンだなと思いました。ぼくは家の中のものでようふくの代わりにできそうなものを探すゲームを考えてみました。将来、ぼくはようふくやさんになりたいので、いろんなものでようふくができないかそうぞうするのは、いつか役に立ちそうだなとも思いました。
これからはゲームをする時間を減らして、その代わりに自分でゲームを考える時間を増やしてみます。
冒険するときのワクワク感を表現する
物語後半からは、子どもたちが少年探偵となって、フードバンクどろぼうをつかまえるシーンが描かれます。このとき、少年たちはしっかりと役割分担をしたり、何が起きても諦めなかったりします。このような点に着目して感想文を書いてみるのもよいでしょう。
【例文】
スーパーでどろぼうをさがすのに、みんながそれぞれのやくわりを持っていました。これは今回のようなたんていの作戦だけでなく、ほかのいろんな場面で役立つと思います。先日、ちいきのお祭りがあり、子どもたちはそれぞれ仕事をわりふられました。みんなで一つのことを成功させるために、それぞれが自分のすべきことを見つけて、しっかりとやることが大事だと思います。
さらに、本の中の子どもたちはワクワクしながら冒険をしているようでもありました。この点も踏まえて、自分たちがワクワクできるポイントを見つけて書くとさらに良くなるでしょう。
参考にしたい『秘密の大作戦！フードバンクどろぼうをつかまえろ！』の感想や評価・レビューまとめ
ここからは、『秘密の大作戦！フードバンクどろぼうをつかまえろ！』に寄せられた感想やレビューを紹介します。読書感想文を書く際にも何かしらヒントになるかもしれませんね。
サッカーが好きな人は誰でも知っているはずの、イングランド、プレミアリーグのマーカス・ラッシュフォード選手の活動がなければこの本は世に出ることはなかった、という著者の感謝の言葉と、日本国内では全国フードバンク推進協議会、からの子供の貧困への取り組み、自分たち一人ひとりができること、が述べられている。
引用：レビュー | NetGalley
日本でも最近「フードバンク」や「子ども食堂」の名前を聞くようになったが、まだまだ知られていないのだろう。巻末には「フードバンク」の成り立ちも紹介されている。もっと多くの人に活動が知られてほしい。微力ながら、ときどきフードバンクの箱に寄付しています。
引用：『秘密の大作戦! フードバンクどろぼうをつかまえろ!』｜感想・レビュー – 読書メーター
ネルソン一家が我慢の為色々なごっこ遊びを編み出すのが切ない。嬉しい結末だが本当に、“すべての子どもが、健康でじょうぶな体を保ち、(中略)あらゆることに平等なチャンスをもてるように食べ物が得られ”ますように。
引用：『秘密の大作戦! フードバンクどろぼうをつかまえろ!』｜感想・レビュー – 読書メーター
小学生の目線からイギリスのフードバンクの様子や格差や貧困などが描写されるが、子どもたちが事件を追うという筋立てのおかげで、あまり重苦しい雰囲気にならずに読めるのが良い。
引用：『秘密の大作戦! フードバンクどろぼうをつかまえろ!』｜感想・レビュー – 読書メーター
まとめ：『秘密の大作戦！フードバンクどろぼうをつかまえろ！』は〜〜〜だった
いかがでしたか？『秘密の大作戦！フードバンクどろぼうをつかまえろ！』の特徴を以下にまとめました。
・2023年の課題図書（小学校中学年の部）
・フードバンクや朝食クラブなどの食糧支援について考えさせられる
・どろぼうをつかまえるスリリングな展開も読みどころ
以上です。読書感想文の課題図書としてはもちろん、食糧支援の活動を考えるきっかけの本としてもおすすめなので、ぜひ読んでみてください。
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