3分で分かる『とんこつQ&A』のあらすじ&ネタバレ考察・感想まとめ

今村夏子さんの最新作『とんこつQ&A』は、ゾワゾワする日常ホラー!今回は、じんわり「怖い」と話題の本作のあらすじを紹介。いろんな捉え方ができそうな作品ですが、筆者なりの感想や考察も記します。ネタバレ部分は隠していますので、ご安心を。

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今村夏子の小説『とんこつQ&A』とは

書名 とんこつQ&A
作者 今村夏子
出版社 講談社
発売日 2022年7月21日
ページ数 224ページ

『とんこつQ&A』は四編の短編からなる短編集。いずれも文芸誌『群像』に掲載された小説で、日常的な光景を描きつつも、心がゾワゾワするような怖い読み心地を与えてくれます。

作者の今村夏子さんは、『むらさきのスカートの女』で第161回芥川賞を受賞。平易な文章ながらも読者を深く考えさせる無二の世界観があり、根強いファンが多くいます。これまで『星の子』と『こちらあみ子』は映画化もされ、話題になりました。

※『とんこつQ&A』は以下に当てはまる人におすすめ!
・読みやすいけど、読後感が残る小説を読みたい人
・日常のなかでゾワゾワするような怖いホラーの気分を味わいたい人
・映画「星の子」や「こちらあみ子」が好きだった人

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3分で分かる『とんこつQ&A』のあらすじ【※ネタバレなし※】

『とんこつQ&A』は四編の短編で構成された短編集です。それぞれのあらすじを簡単に紹介します。表題作の「とんこつQ&A」だけ少し詳しくまとめてみました。

「とんこつQ&A」のあらすじ

「わたし」は「とんこつ」という名前の中華料理店で働き出したが、最初は「いらっしゃいませ」とすら言えなかった。しばらく苦悩していたが、書かれた文字を読むことならできると分かり、わたしは客からの質問をあらかじめ想定して、質問と答えを書いたメモを用意した。メモ作戦によりわたしはなんとか業務をこなせるようになった。

とんこつには、「大将」と呼ばれている店主と、その息子(「ぼっちゃん」とわたしは呼んでいる)がいた。店主の妻は亡くなっており、わたしは2人から時折、妻の身代わり(おかみさん)のような存在として扱われる

そんな折、とんこつへ新人の女性・丘崎さんが採用された。丘崎さんは最初の頃のわたしのようにうまく接客ができない。逆にわたしはメモ無しでも話せるようになったが、やがて丘崎さんがおかみさんの身代わりのような存在になっていき…。

「嘘の道」のあらすじ

子供の頃、町内に与田正という嘘つきの少年が住んでいた。ある日、「僕」と姉は近所のおばあさんに僕たちだけが知っている道を案内したが、おばあさんがその道中で倒れる事件が発生した。おばあさんに「嘘の道」を教えたのは誰かという話になり、姉はつい与田正に濡れ衣を着せてしまい…

「良夫婦」のあらすじ

土橋家の妻・友加里は、いつ見ても飢えていそうな少年・タムのことが気にかかる。ある日、声をかけたのをきっかけにタムに甘い菓子を与えたり、タムが庭のサクランボの木にこっそり登ってくるのを見て見ぬふりをする。夫婦でタムを招いた日に、ある事件が起こる…。

「冷たい大根の煮物」のあらすじ

工場で働く「わたし」は、同僚の芝山さんというおばさんから話しかけられて、一緒に激安のスーパーへ行くことになった。しばらく買い物を一緒にする内に、芝山さんは自宅へ来て簡単な料理をしてくれることに。しかしそんな芝山さんは、いろんな人からお金を借りているという良くない噂があった…。

『とんこつQ&A』のネタバレ解説&考察まとめ

『とんこつQ&A』はとても読みやすい小説ですが、物語の中で起こる「ズレ」をどう解釈するかで味わい方が変わりますよね。いろんな読み方がされてよい小説だと思いますが、ここでは筆者なりの考察を一部ネタバレこみでまとめました。

「とんこつQ&A」のタイトルの意味とは?

「とんこつQ&A」というタイトルだけ見たら、「ラーメン屋さんの話?」「質問を投げかけるストーリー?」などと想像したくなりますね。まず「とんこつ」というのが中華料理店の名前であり、ラーメンをメニューに置いていないというところで、読者はいい意味で裏切られた気分になります。

また「Q&A」というのは、前章のあらすじ紹介でも述べたように、主人公が接客するためにメモしたマニュアルのことを指しています。店の名前は「とんこつ」なのに、なぜラーメンを置いていないか説明する際に、このマニュアルの形式で書いて紹介している点が、うまい構成だなと思いました。

『Q.15 メニューにとんこつラーメンがないのに、どうしてお店の名前は”とんこつ”なの?』
なぜ店名が「とんこつ」なのか。それにはこんな理由があった。
『A15.この店、元々の名前は〜(以下、略)
引用:『とんこつQ&A』9ページより

しかもこのマニュアルは、接客のためならず、後半では出てくる登場人物たちの台本を作るためにも機能し出すのです。そのあたりについては次章の詳しい考察で述べていきましょう。

我々は生きているようで、生かされているのか…。主従・服従の関係性に注目

「とんこつQ&A」に出てくる主人公の「わたし」は、メモした文章のことしか言えないマニュアル人間のように描かれています。しかし物語中盤で新人女性の丘崎が登場したあたりから、主人公の行動は変わっていきます。ここからは多少のネタバレを含むので、気になる方だけ以下をクリックして読んでみてください。

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丘崎さんは店主とぼっちゃんから可愛がられ、おかみさんの代わりのような存在になります。しかし丘崎さんは自分の意志で発言することができないので、「わたし」がおかみさんがいかにも言いそうなセリフをメモするようになるのです。

まるで台本のような役割を果たすようになり、次第に丘崎さんだけでなく、店主やぼっちゃんも「わたし」が書いたメモによって行動していくかのような展開になります。

序盤はメモの通りにしか発言できなかった「わたし」(しかもぼっちゃんにいたずらされて、発言を誘導されたこともある)ですが、後半では立場が見事に逆転しています。こういった形勢逆転は、芥川賞受賞作『むらさきのスカートの女』でも見られた手法(主人公が常識人かと思いきや、変人だった!)です。今村夏子ワールドの真骨頂といった感じでしょうか。

このように「我々は生きているようで、生かされているのではないか」という命題は、小説内だけでなく普段生活している私たちにも問いかけられているようです。あなたに自分の意志は本当にあるのか、そんな根源的な問いを突きつけられ、恐ろしい気持ちになりました。

まるでホラー?日常的な光景の中に潜む怖い部分が浮き彫りに

ホラー的な要素があるのは、表題作「とんこつQ&A」だけでなく、他の三編にも共通しています。特に「嘘の道」では、主人公の父親が何気なく発した「いずれ消える」という言葉が伏線のようになっていて、驚がくのラストへと着地します。

今村夏子さんの文章はとても平易で読みやすいのですが、その分逆に「無邪気ゆえの怖さ」とでも言うべき恐怖感が増幅されている印象があります。読者はそれを覚悟して読み進めていくべきでしょう。

『とんこつQ&A』を読んでみた感想

ここからは『とんこつQ&A』を読んだ筆者の感想を綴り、読者の評価やレビューをまとめます。

【筆者の感想】善意がいつの間にか形を変えていく怖さ

今回も今村夏子ワールド全開の世界観で楽しめました。善意で接しているはずが、いつの間にかエゴを突き通そうとしたことで、自分が窮地に追い込まれていく、という人間のずる賢い部分を見事に突いてくる手法に感心しました。

「嘘の道」は、テレビ番組「世にも奇妙な物語」に出てきそうな世界観。最後に主人公の姉が窮地に追い込まれていく様はとにかく恐ろしいです。実写化されたら、誰が演じるのか気になります。

芥川賞を受賞するまでは寡作だった今村夏子さんですが、この頃は作品を発表するペースが上がってきたように思います。今後もこの調子でどんどん新作を発表していってほしいですね。

【みんなの感想や評価】ゾワゾワする怖さを感じた

続いて、レビューサイトやSNSにあがっている評価やレビューをまとめていきます。

4作からなる短編に共通するのは誰も傷つけない、サラッと終わるところです。誰にでもある日常の不満や憐憫を、そんなこともあるさと余韻を残すところに魅力を感じます。
引用:Amazon

本当にありふれた人間模様の中から、どうやったらこういった闇を抽出出来るのか…
残酷な描写や、いたたまれない悲しみなしでこうも心を揺さぶられる作品は稀有です
引用:Amazon

今村夏子はうまく立ち回れない人たちをけして病的にとらえたりはせず、自然なものとして書いている。
変に社会のルールを身に着けた大人になってしまった自分に、本当にそれでいいのかと問いかけてしまう。
引用:Amazon

まとめ:『とんこつQ&A』はゾワゾワとした恐怖を感じる小説だった

いかがでしたか?『とんこつQ&A』の特徴を以下にまとめました。

・ゾワゾワとして恐怖を味わえる
・「生きているのか、生かされているのか」というテーマを突きつけられる
・「世にも奇妙な物語」で実写化されそうな世界観

以上です。まだチェックしていない方は、ぜひ読んでみてください!

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