小学校高学年の課題図書に選出されている『5番レーン』。今回はこの本をもとに読書感想文を書く人向けに、あらすじを簡単にまとめ、感想文を書くコツを解説します。「水泳」を題材に夢へ向かう大事さや、仲間との成長を描く物語『5番レーン』。ぜひ最後までチェックしてみてください。
『5番レーン』(小学校高学年の課題図書)の内容とは
書名 | 5番レーン |
作者 | ウン・ソホル (著)
ノ・インギョン (イラスト) すんみ (翻訳) |
出版社 | 鈴木出版 |
発売日 | 2022年6月29日 |
ページ数 | 254ページ |
『5番レーン』の主人公は、水泳部のエース・ナル。ライバルに勝てずに悩む彼女はある過ちを犯してしまう…。夢を追うことの大事さ、仲間との成長などを描いた青春ストーリーです。
第21回文学トンネ児童文学賞大賞を受賞しており、さらに2023年における小学校高学年の課題図書に選出されています。世界水泳が日本で開催される今年、テーマが「水泳」の本書はこの夏ぴったりの小説だといえるでしょう。
※『5番レーン』は以下に当てはまる人におすすめ!
・読書感想文を書こうと思っている小学生
・水泳に打ち込んだ経験がある人
・青春時代にちょっとした過ちを犯したことがある人
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3分で分かる『5番レーン』のあらすじ要約【※ネタバレあり※】
漢江小学校水泳部のエース、カン・ナルは、水泳大会で決勝に進んだ。ナルは5番レーンで、隣の4番レーンにいるのはライバルのキム・チョヒだ。試合開始後、チョヒのあまりの速さに焦ったナルは負けてしまう。
試合を見返したナルは、チョヒの水着がきらっと光るのをあやしむ。実際は反則ではなくナルのただのかんちがいだったが、これが後々ある事件へとつながっていく…。
ある日、チョン・テヤンという男子生徒が転校してきた。テヤンはこれまで水泳部での経験は少なかったが、新たな学校で水泳部に入りたいという熱意があった。校内水泳大会で良いタイムを出し、見事に入部が決まる。
純粋に水泳が好きなテヤンと比べて、ナルが水泳を始めたのは姉が水泳をやっていたのがきっかけだった。姉と一緒に競泳の韓国代表と約束していたのに、姉は今、競泳をやめて飛込をやっている。ナルにはどうにもそれが納得できていなかった。
ナルとテヤンは急接近し、デートを経て2人は付き合うようになった。休みだった土曜日の午後に学校へ行き、2人は誰もいないプールに入って、テヤンからナルに告白をした。
生まれて初めての恋が始まる瞬間だった。ナルは何よりも、水の中で告白されたのがうれしかった。
引用:『5番レーン』162ページより
2人が付き合い出した時、ナルは一つの悩みをかかえていた。それはライバルのチョヒがプールへと来た日。ナルはついチョヒの水着を盗んでしまったのだ。後日、先生からチョヒの水着を知らないかと聞かれ、ナルは動揺し、そして深く後悔した。
落ち込んでいたナルを母が元気付けてくれた。ナルは母と一緒に姉の飛込みを見に行った。姉は競泳については「やれるだけのことはやった」と後悔なくやめる決断ができたと明かした。そして、苦しそうなナルに姉はこう声をかけた。
胸をはって前に進んで。自分の力で進んだなら、思ったのとちがって下に下に向かってしまったとしても、それは落ちてることじゃなくて飛んでることになるわけだから
引用:『5番レーン』194ページより
思いきってチョヒに水着を盗んだことを伝えたナル。テヤンから「ぼくはいつもナルの味方だよ」という手紙をもらったナルは、コーチにも水着を盗んだことを白状し、決勝を棄権しようとした。
しかし、チョヒはナルに棄権せずに正々堂々戦おうと言ってきた。2人は決勝で争い、結果はチョヒが1位、ナルが2位だった。ナルはコーチの指示で罰を受けたあと、改めて勝負に勝てるように強くなりたいと思うのだった。
『5番レーン』の主な登場人物まとめ
ここで『5番レーン』の主な登場人物をまとめました。
カン・ナル:主人公の女子生徒。漢江小学校水泳部のエース。
キム・チョヒ:他校の水泳部のエース。ナルのライバル的存在。
チ・スンナム:漢江小学校水泳部の部長。ナルの幼なじみ。
キム・サラン:漢江小学校水泳部の部員。
セチャン:漢江小学校水泳部の部員。
シン・ドンヒ:漢江小学校水泳部の部員。
チョン・テヤン:漢江小学校への転校生。水泳部入部を希望する。
カン・ボドゥル:ナルの姉。競泳をやめ、飛込をやっている。
ウ・ジミン:ナルやテヤンのクラスメイト。
イ・ジフン:ナルの映画館デートを目撃した生徒。
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『5番レーン』の読書感想文ガイド【例文つき】
『5番レーン』は小学校高学年の課題図書に選出されています。いざ読書感想文を描こうとすると、どこからどう手をつけてよいか分からないという人もいるでしょう。感想文はあらすじをまとめるだけではなく、本を読んでどう感じたかを書き記すことが重要です。
そこでここでは読書感想文を書く上でのコツを解説します。簡単な例文付きで説明するので、ぜひ参考にしてみてください。
過去の過ちを素直に話す大事さを書く
ナルはライバルであるチョヒの水着を盗むという、過ちを犯します。その後、自己嫌悪に陥り、落ち込むナル。彼女は自分がやった罪を白状することで、次に進むきっかけを得ます。
誰にでも過ちを犯す経験はあるでしょう。大事なのは、その後にどう対処するかです。そういった気づきを自分の経験をふまえて、書き記してみましょう。
【例文】
ナルがチョヒの水着を盗んだのはとても悪いことですが、その後に本人が反省して、しっかりチョヒに謝り、コーチにも自白したのはよかったです。誰でも一度や二度は過ちを犯したことがあると思います。大事なのは、その後しっかり謝ることができるかどうかでしょう。私も過去に一度過ちを犯しました。父の財布から勝手にお金をとったのです。父は気づいてなかったようなので、そのままにしておくこともできましたが、私自身がすっきりせずにモヤモヤとしたまま生活をしていました。
あとでその時は新しい筆箱がほしくてお金をとったのだと正直に言いました。父からは勉強のための道具ならちゃんと言ってくれれば、買ってあげたのに、と言われ、私は自分の行いを反省しました。
それから時折、父がほしいものは何か、おこづかいは大丈夫かと気づかってくれるようになりました。勉強道具が十分に使えているかをチェックもしてくれますし、私も必要なものはすぐに伝えるようにしました。
今は、正直に父とコミュニケーションをとるようにしています。これは本作の中で、最後にチョヒが「正々堂々と戦おう」と言ってきたことにも共通すると思います。かくしごとをせずに、そのまま伝え合うことが重要なんだと分かりました。
また、ナルが過ちを犯した理由を自分なりに考察してみると、ナルの行動に共感が生まれるかもしれません。そのうえでナルは本来どうすべきだったかを書くのもよいでしょう。
【例文】
ナルが水着を盗んだのは悪いことですが、大事なのは、なぜナルがそういう行動に走ったのかを考えることでしょう。ナルはチョヒの水着を疑っていましたが、それもこれもチョヒに負けたのが悔しかったからでしょう。つまり、ナルは負けず嫌いだったのです。だからこそチョヒはそんなナルの性格を知っているからこそ、「正々堂々と戦おう」と言ってくれたのだと思います。スポーツマンシップの高いチョヒと競い合えるナルは恵まれていると思うし、逆にいうとそれくらい水泳においては努力してきた人なんだろうなと感じました。
これからはそんな自分の環境に感謝し、ナルにも正々堂々と戦えるようにがんばってほしいです。
ボドゥルが飛込を始めた理由を自分なりに考える
ナルの姉のボドゥルは、競泳の道から飛込の道へと進みました。夢を叶えるために、その道でがんばり続けるのはすばらしいことだけど、また新たな道を見つけるのも重要なのだとこの本は教えてくれます。
皆さんも、ボドゥルと似たように、別の道へと進もうとしたことはありませんか?または、周囲にそのような人はいませんか?その状況を踏まえながら、思ったことを書いてみましょう。
【例文】
私は小さな頃からピアノを習っていましたが、小学校4年生の頃にレッスンをやめてしまいました。一時期はピアニストになりたいと言っている時期もありましたが、発表会で私よりも上手に弾く人を見て自信を無くし、その夢はあきらめました。この本に出てくるボドゥルもきっと同じ気持ちになったのだろうなと思います。競泳で姉妹でメダルを取ると思っていたにもかかわらず、難しそうだと思った時、あきらめるのにはかなりの決断がいったでしょう。
それでもボドゥルの母が、姉の決断を受け入れてくれたのはよかったと思います。私自身も母が「あなたが毎日ピアノの練習をがんばってたのは後々生きてくるよ」と言ってくれたことが勇気になりました。
大事なのはボドゥルが「飛込」という分野でがんばろうと思えたように、私も何か次に打ち込めるものを見つけられるかどうかだと思います。次につながるように、自分が輝けるものを見つけていきたいです。
みんなが応援してくれるという環境
水泳は個人競技ですが、それぞれが目標を持って、打ち込むことでチームとして結束できるでしょう。本作でもコーチが生徒に「目標は自分で決めよう」と助言するシーンが出てきます。
このように個人競技でがんばった経験がある人は、その時学んだことと本書の内容を照らし合わせながら、感想文を書けると良いです。作中の人物たちと、自分との間に共通点や共感できることがあれば、それを取り上げてみましょう。
【例文】
私はピアノのレッスンで、自分がどんなピアニストになりたいか想像するのが大事だと言われました。それまで学校の勉強では、いついつまでにここまで勉強しようとか、宿題はいつまでとか、目標は決められてきたものだったので、おどろきました。この本でもコーチが生徒に「目標は自分で決めよう」とアドバイスしていました。みなが自分自身で目標を決めることで、自分の決めたことはうらぎりたくないという気持ちが働いて、よりがんばろうと思えるのかもしれません。
それにお互いの目標をチームで共有することで、個人競技だけどチームで一緒になってがんばれるはずです。みんなが応援してくれていると思えれば、それが後押ししてくれて、よい結果につながるんじゃないでしょうか。
参考にしたい『5番レーン』の感想や評価・レビューまとめ
ここからはSNSや『5番レーン』のレビューサイトに書かれた、読者の投稿を紹介します。読書感想文を書く上でも何かしら参考になるかもしれませんよ。
『5番レーン』ウン・ソホル
高学年の課題図書読み終わりました。プールのにおいや水に包まれたときの感覚を思い出させてくれる。悩みながら成長していくナルの姿に親世代は胸熱です。挿絵もきれい。こちらも激推ししたいいい作品でした。 #読書 #読了— めいめい (@meiroshisho) April 26, 2023
まるで映画のような爽やかな場面が続くが、主人公ナルの心に寄り添ううちに読者はいつの間にか自分自身の物語として捉えるようになる。“5番レーン”に立つ全ての子どもたちへ。自分自身の力でつかむ限り未来は明るいと伝えたい。
引用:読書メーター
なんともみずみずしい表現と心に響くセリフの数々。努力しても報われない、生まれ持ったもので決まることもある。自分の限界に気づいた思春期の児童が、この本を読むことで救われるといいな。
引用:読書メーター
人生で、思い通りにならないことはいっぱいあるんだけど、それをいかに自分で折り合いをつけていくのか、子供の大切な学びだね。友達、幼なじみ、ライバル、気になる子と周囲との関係を作っていくのも大切な学び。大切な学びが詰まっている本でした。
引用:読書メーター
まとめ:『5番レーン』は夢を追うことや仲間との成長を描く青春物語だった
いかがでしたか?『5番レーン』の特徴を以下にまとめました。
・2023年の課題図書(小学校中学年の部)
・ナルが過ちを犯し、反省して行動するまでを丁寧に描く
・夢を追うこと、夢を変えることの重要さを教えてくれる
・仲間たちとの成長物語として爽やかな読後感を得られる
以上です。課題図書としてはもちろん、普通に楽しく読める小説なので、ぜひ手にとってみてください。
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