3分で分かる『東京都同情塔』のあらすじ&ネタバレ解説・感想まとめ【第170回芥川賞受賞作】

第170回芥川賞を受賞した九段理江さんの「東京都同情塔」。今回はこの小説のあらすじを紹介したうえで、作品を読むうえでのポイントや、筆者の感想、読者の評価などをまとめました。多少のネタバレを含みますが、それを知っても本作の魅力は損なわれないので、安心してご覧ください。

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【第170回芥川賞受賞作】九段理江の小説「東京都同情塔」とは

書名 東京都同情塔
作者 九段理江
出版社 新潮社
発売日 2024年1月17日
ページ数 144ページ
初出 『新潮』2023年12月号

作者の九段理江さんは、「悪い音楽」で第126回文學界新人賞を受賞。デビュー2作目の「Schoolgirl」で第166回芥川賞の候補となり、惜しくも受賞は逃しましたが、選考委員から高い評価を受けました。

今作「東京都同情塔」は、「ホモ・ミゼラビリス」と呼ばれる犯罪者が生活するための塔を設計した建築家の牧名沙羅が主人公。牧名は、生成AIが普及する現在や未来において、言葉や人間の生きる条件などについて思考を巡らせていきます。

※「東京都同情塔」は以下に当てはまる人におすすめ!
・言語について思考する小説を読みたい人
・現代建築が好きな人
・第170回芥川賞を受賞した話題作をチェックしたい人

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3分で分かる「東京都同情塔」のあらすじ【※多少のネタバレあり※】

建築家の牧名沙羅は、新宿に建設される塔の設計を請け負った。さながらバベルの塔の再現とでも言うべき塔の名前は、「シンパシータワートーキョー」。牧名はそのカタカナばかりの名前に違和感を覚える。そして牧名は一つの結論に至る。

日本人が日本語を捨てたがっているからだ。
引用:「東京都同情塔」本文より

牧名は常々、言葉について考える。シンパシータワートーキョーは犯罪者のための施設だが、犯罪者という名称も「ホモ・ミゼラビリス」という呼称に置き換えられている。なぜこの言葉はラテン語なのだろうか? AIに質問を投げかけるも、その返答に対して牧名はまた苛立ちを覚える。

AIには己の弱さに向き合う強さがない。
引用:「東京都同情塔」本文より

そんな牧名には、東上拓人という15歳年下の新しい友人がいる。拓人は「シンパシータワートーキョー」のことを「東京都同情塔」と言い直すと、そのネーミングを牧名からいたく気に入られる。やがて拓人は塔の建設後に、職員として働くようになる。

物語は主人公の牧名の視点のほかに、拓人の視点や、「ホモ・ミゼラビリス」について書かれた資料などを挟みながら展開していく……。

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「東京都同情塔」のネタバレ解説&考察まとめ

ここからは「東京都同情塔」の魅力を深掘りするために、作品の背景や読みどころについて紹介していきます。

「東京都同情塔」を読むうえでおさえておきたいバックグラウンド

「東京都同情塔」では、昨今の東京での出来事を踏まえて、現実では起きなかったもう一つの時代を描いています。ある程度、背景をおさえた上で読むと、また深く読み込めると思うので、おさえておきたいポイントを簡単にまとめました。

ザハ・ハディド案
→もともとあった、新国立競技場の建設案です。正式に決まっていたものの、巨額の建築費などの問題から、白紙撤回されました。本作「東京都同情塔」では、建設費が問題になった旨の記述はありますが、それでも原案のまま国立競技場が建設されたという設定で物語は展開していきます。

生成AI時代
→特に有名なのが、ChatGPTの普及でしょう。一般ユーザーでも簡単に利用でき、文章の作成や翻訳などができる機能です。優れた自然言語能力が注目を集めていますが、本作「東京都同情塔」では、生成AIが抱える問題点などを提起しています。

言語について様々なことを考えさせられる小説

生成AIについての事柄も含め、本作では「言葉」の捉え方や扱い方が重要なテーマの一つとなっています。建築家の牧名は、カタカナで表現される言葉を極端に嫌う人物。さらに、言語に鋭敏なあまり、自分が発言する際や思考を表現する際には、自分の中にそれを吟味する検閲者としての役割が機能するのです。

そんな牧名は建築家らしい視点で言語を思考する場面も多々あります。例えば、以下の場面。

……でなければならない。……べきだ。強い意志と義務を示すコンクリートのように硬質な言葉たちが、私の内部でぼこぼこと音を立てて泡立ち続ける。それは私が自分自身を支えるために用意する、堅固な柱であり梁だった。
引用:「東京都同情塔」本文より

また、生成AIに対して、嫌いな点や不適切な点を吟味しながら、やりとりを重ねる場面もおもしろいです。

言葉について深く考えさせてくれるきっかけを与えてくれる作品になっています。

気鋭の純文学作家が書いた意欲作

本作は、先に書いた言葉以外にも、犯罪者(本書では「ホモ・ミゼラビリス」と表記)は本当に悪者なのか、真のユートピアとは何なのか、などのテーマを含んでおり、様々なジャンルをクロスオーバーしている作品だといえます。

敢えて意図的に多くのテーマを取り入れているところが、現代社会の混沌をうまく表現しているといえるかもしれません。

多くの要素が詰め込まれている分、かなり読みにくいと感じる人もいるでしょうが、たとえば作中の表現や言葉についての思考に共感する場面がいくつかあるだけでも十分読む価値があるでしょう。

また、ザハ案が通り、東京都同情塔が建設された、もう一つの世界で、抗いながらも自分の信念を曲げずに戦い続ける牧名の姿勢には、何かしら感じるものがあるのではないでしょうか。

「東京都同情塔」を読んでみた感想

ここからは「東京都同情塔」を読んでみた感想を書いていきます。また読者のレビューも合わせてまとめました。

【筆者の感想】ところどころクスッと笑える箇所も

多くのジャンルをクロスオーバーしていて、やや難解な箇所もありますが、ところどころクスッと笑える記述もあり、あっという間に読み終えました。作者のデビュー作「悪い音楽」もブラックユーモアが頻出していましたが、この作者には独特のユーモアセンスがあると感じます。また、牧名ほどの深い思考でないにせよ、生成AIの返答に毒づきたくなる気持ちには共感する人は多いのではないでしょうか。

東京都の中に犯罪者を隔離する施設という設定は、村上龍さんの『コインロッカー・ベイビーズ』に登場した「薬島」(鉄条網に囲まれた、麻薬売買や売春が蔓延している地帯)を想起させられました、ただ薬島がディストピアとして描かれているのに対し、「東京都同情塔」はユートピアのような描き方がされていました。

【みんなの感想や評価】建設を構造的に小説に組み込む

続いて、読者がSNSやレビューサイトに投稿した感想や批評をいくつか紹介します。

まとめ:「東京都同情塔」は建築や言葉について深く思考する空想小説だった

いかがでしたか?「東京都同情塔」の特徴を以下にまとめました。

・第170回芥川賞受賞作
・ザハ案が通った社会で「建築」について考えさせられる
・生成AIが普及する現代において「言葉」のあり方や使い方を考えさせられる

以上です。まだチェックしていない方は、ぜひ読んでみてください!

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