3分で分かる『なれのはて』(NEWS加藤シゲアキ)のあらすじ&ネタバレ解説・感想まとめ

NEWSの加藤シゲアキさんによる新作『なれのはて』はもうチェックしましたか?今回はこの小説のあらすじや登場人物の相関図を紹介したうえで、作家インタビューを交えた魅力の深掘りや、映画化やドラマ化の可能性などをまとめ、ネタバレ考察込みで感想を書きました。ぜひ最後まで読んでみてください。

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【第170回直木賞候補作】NEWS加藤シゲアキの小説『なれのはて』とは

書名 なれのはて
作者 加藤シゲアキ(NEWS)
出版社 講談社
発売日 2023年10月25日
ページ数 464ページ

加藤シゲアキさんはNEWSとしてアイドル活動を続ける中で、これまでに多くの小説を発表しています。なかでも前作の『オルタネート』は第42回吉川英治文学新人賞を受賞するなど、高く評価されました。

最新作『なれのはて』は、一枚の絵をきっかけに元報道マンの男性が秋田県にいる一族の謎を解明していく物語。報道のあり方を問うメディア小説でもあり、秋田県の土崎空襲に着目した戦争小説でもあり、一枚の絵の謎を解くミステリ小説でもあります。

※『なれのはて』は以下に当てはまる人におすすめ!
・NEWSや加藤シゲアキさんのファン
・ジャニーズ問題も含めて報道のあり方を考えたい人
・土崎空襲について知りたい人

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3分で分かる『なれのはて』のあらすじ【※ネタバレなし※】

報道局からイベント事業部に異動となった守谷京斗は、同僚の吾妻李久美から一枚の絵の写真を見せられ、展示会を開きたいと持ち掛けられる。絵の作者は「ISAMU INOMATA」。2人は絵の著作権について調べる内に、昔の地方新聞に書かれたニュース記事を見つける。

そこには、秋田県の猪俣傑が焼死体で発見されたこと、さらにその弟の猪俣勇(いのまたおさむ)が行方不明になっていることが書かれていた。ISAMU INOMATAと猪俣勇は同人物なのか?著作権はどうなっているのか?そして彼は殺人犯なのか?

守谷と吾妻は、真相を知るため、秋田県に向かう。しかし、猪俣傑は猪俣石油化学株式会社の創業者であり、その親族は地元の名士であるため、調査は難航する。当時の事件捜査にあたった刑事・長谷川勉と連絡をとり、なんとか活路を見出していく。

事件の真相を調べるうえで鍵となるのが、1945年8月14日に起きた土崎空襲だ。終戦の前の日に起きた日本最後の空襲……。

物語は、守谷や吾妻が絵の謎を追う中で、秋田県の猪俣家一族や関連する人物が生きた時代のシーンが挿入されながら進行していく。猪俣家に潜む謎とは?一枚の絵の真実とは?

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『なれのはて』の主な登場人物と相関図【ネタバレなし】

『なれのはて』はISAMU INOMATAと書かれた絵についての謎を追う現代の話に、猪俣家を巡る過去の物語編が時折挿入されながら進んでいきます。

猪俣家については物語を読み進めるうえで、人物像や各人物の繋がりが明らかにされていきます。ただし、一族を巡る話なので、登場人物がどうしても多くなり、途中で混乱してしまう人もいるでしょう。

そこで参考にしたいのが、以下のツイートに書かれた人物相関図です。ネタバレにならない程度にまとめてあるので、とても参考になります。筆者も後から人物を整理するのに、だいぶ役立ちました。ありがたいです。

相関図について知りたい方は、ぜひチェックしてみてください。

『なれのはて』の魅力を深掘り!【加藤シゲアキさんのインタビューあり】

ここからは『なれのはて』の魅力をさらに深掘りしていきましょう。加藤シゲアキさんのインタビューを含めつつ、紹介していきます。

報道のあり方を問うメディア小説

『なれのはて』では、一枚の絵の謎を追う際に、絵に描かれたサインと同じ名前を持つ猪俣勇が行方不明になっていると知ります。猪俣傑の焼死体との関係性が分からず、このままでは猪俣勇が殺人犯である可能性も考えられたのです。

そこで吾妻は守谷に対して、こう発言します。

私が愛した作品を生み出した人が、人を殺していたかもしれないなんて。もし彼が殺していたのなら、どうしてそうなったのか知りたい。彼でないのなら、ちゃんと彼でないと証明したい。
(中略)
知ってしまった以上、私たちは正しく伝えるべきです。それがメディアの責任です
引用:『なれのはて』本文より

もともと報道部にいた守谷は「正しく伝えるべき」「メディアの責任」という言葉を反芻します。しかし報道部にいたからこそ、その難しさを知っている守谷。彼らは真実をどのように知っていき、そしてどう対処していくのでしょうか。

作者の加藤シゲアキさんはアイドルとしても活動していますが、所属する事務所の問題が日々報道されています。しかし、長年メディアが公に報道しなかったことが問題視されているのも事実です。

加藤さんの小説が書き上げられたのは、ジャニーズ問題がまだ取り上げられる前のことでした。したがって、本作を今回の問題に絡めるのはややこじつけかもしれません。ただ、どうしても関連性を考えながら読んでしまう人もいるでしょう。

加藤さんはインタビューの中で、事務所の抱える問題をどう報道すべきか、自分の意見を述べています。

自分たちの事務所のことに関しては、むしろ僕は、明らかにしてくれって思っています。どんどん明らかにしてくれて、問題を浮き彫りにしてくれたほうがいいと思うけれど、それで傷つく人がいるのも分かる。僕は事務所の代表として意見は言えないけれど……
引用:加藤シゲアキが語る「報道」。自身の最新小説を「問題作」と呼ぶ理由(小暮 聡子) | FRaU

そのうえで、自身が小説を書いて表現することについても、以下のように語っています。

小説も、やはりフィクションでありながらも現代を切り取った記録になってしまう。それは半分、引き受ける覚悟というか、その覚悟がなかったら小説を書いてはいけないと思っています
引用:加藤シゲアキが語る「報道」。自身の最新小説を「問題作」と呼ぶ理由(小暮 聡子) | FRaU

土崎空襲について描く戦争小説

守谷たちが猪俣家一族について調べる中で、土崎空襲についても触れられています。土崎空襲は8月14日に秋田県で起きた空襲。戦争を振り返る際に、8月6日の広島と8月9日の長崎にそれぞれ原爆が落とされたことはよく語られますが、土崎空襲のことは初めて聞いたという人も多いのではないでしょうか。

終戦の日の一日前に起きたできごと。当時の被害者の中には、あと一日終戦が早ければと思っている人もいるそうです。そんなこれまでなかなか語られてなかった史実を加藤さんは調べ上げ、物語に組み込んでいます。

徹底して戦争の恐ろしさを書くというのは、(中略)意識し続けたポイントの1つです。
引用:【会見ほぼ全文】加藤シゲアキ「なれのはて」 記念会見をレポート!【25日発売】 | with digital(講談社)

一枚の絵の謎を追うミステリー

本作はISAMU INOMATAと書かれた絵についての謎を追うミステリー小説としても楽しめます。ISAMU INOMATAと猪俣勇は同一人物なのか?その猪俣勇は殺人犯なのか?など、謎が謎を呼んでいく展開は、読んでいて引き込まれますね。

ここからは、ネタバレ考察をしていきます。重要な結論やラストシーンについて述べるので、作品を読んだ方だけ以下をクリックして読んでみてください。

ネタバレしていいから考察を読みたい方はこちらをクリック!

結論からいうと、絵の作者は猪俣勇本人ではなく、猪俣家が面倒を見ていた少年・道生でした。道生は今でいう発達障害のような症状がありましたが、逆に絵の感性は優れたものがあり、それを発揮していたのです。道生が登場するシーンあたりから、これはもしかして……と気づいた人も多かったかもしれませんね。

ISAMU INOMATA展ではなく及位道生展として開かれた展覧会。そこに来ていた輝が道生と邂逅する場面で幕を閉じます。やや予定調和な気もしますが、このシーンには、「感動した」「涙が出た」と感想を寄せている人も多くいました。

また報道のあり方については、守谷が一つの結論にたどり着きます。

何もかもを暴き、公表することが正しいとは思えない。
(中略)
正しさは振りかざすだけの矛ではない。他者を守るための盾でもある。
引用:『なれのはて』本文より

これはこの小説に限らず、多くの事象に共通する命題だと思えました。やはり、事務所の問題についても、加害者だけでなく、被害者がいることを考えると、こういった配慮は必要になってきそうですね。

『なれのはて』は映画化・ドラマ化する?キャストを予想してみた

『なれのはて』はまだ小説が発表されたばかりですが、スケールが大きい作品で、報道や戦争など映像化して取り上げたい事象を含んでいるので、ドラマ化や映画化の期待も高まります。どちらかというと、映画作品としてスクリーンで鑑賞してみたいですね。

そこでもし映画化された場合、主要キャストはどうなりそうか、予想してみました。

守谷京斗:松坂桃李
吾妻李久美:福原遥
愛弓:川島海荷
谷口:結木滉星
真崎:おいでやす小田

小笠原:鶴見辰吾
長谷川勉:光石研

【秋田県】
猪俣傑:尾上松也
猪俣勇:柄本佑
赤沢真喜夫:福士誠治
輝:中学生子役タレント
藤田八重:中村ゆり

いかがでしょうか。ぜひ皆さんも予想してみてください。

『なれのはて』を読んでみた感想

ここからは『なれのはて』を読んでみた感想を書いていきます。また読者のレビューも合わせてまとめました。

【筆者の感想】若い人が戦争を知るきっかけに

当初読み進めていくなかで、なぜこの作品を加藤さんが書かなければならないのか、というのを考えていました。もちろんどの作家がどんな作品を書いてもいいのですが、アイドルとして活動している加藤さんだからこそ表現できる世界があるとも思っていたからです。

ただ報道のあり方を巡る小説だと思ったとき、加藤さんだからこそ感じるものも多かったのではないかと思うようになりました。実際加藤さんのインタビューを読んでみると、自身もコメンテーターとして出演していた経験があり、どう伝えるべきか葛藤したそうです。また、報道関連の知人が多く、みな報道のあり方について考えているという話もありました。

また、戦争について書くことにも葛藤があったそうです。ただ、こうして作品ができあがったとき、結果として加藤さんのファンである若い層が戦争について知るきっかけができるというのはとても良いと感じます。それに物語だからこそ表現できる戦争の凄惨さもあることでしょう。

かなりの力作で圧倒させられました。ただ物語の中軸にミステリーとしての流れがあることで、先を読み進めたいという気持ちもあり、読むのは苦ではなかったです。総合的によく完成された小説なので、直木賞も含め、多くの文学賞でも注目される作品になるのではないでしょうか。

【みんなの感想や評価】物語の密度、構成力などが優れていた

続いて、読者がSNSに投稿した感想もいくつか紹介します。

まとめ:『なれのはて』はメディア、戦争、ミステリーなどをテーマに詰め込んだ力作だった

いかがでしたか?『なれのはて』の特徴を以下にまとめました。

・NEWSの加藤シゲアキさんによる最新小説
・報道のあり方を巡るメディア小説
・土崎空襲をテーマにした戦争小説
・一枚の絵の謎を巡るミステリー

以上です。本人のインタビューなども含めて読むと、またさらに深い読み方ができる作品だと思います。まだチェックしていない方は、ぜひ読んでみてください!

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