小学校高学年の部の課題図書に選ばれている、「捨てないパン屋の挑戦 しあわせのレシピ」。今回はこの本を読んで読書感想文を書くコツを解説します。例文つきで紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
小学校高学年の部の課題図書「捨てないパン屋の挑戦 しあわせのレシピ」とは
書名 | 捨てないパン屋の挑戦 しあわせのレシピ |
作者 | 井出留美 |
出版社 | あかね書房 |
発売日 | 2021年8月20日 |
ページ数 | 168ページ |
「捨てないパン屋の挑戦 しあわせのレシピ」は、「捨てないパン屋」を開いた田村さんを取材した本です。「食品ロス」の問題に悩んだ田村さんがフランス修行を経て、パンを捨てないためのレシピを作り出します。
従来の「無駄を減らそう!」という動きとは違い、「本当に必要な分だけを作る」というコンセプトが評価されて小学校高学年の部の課題図書に選出されています。SDGsについて深く考えるきっかけになる本です。
※「捨てないパン屋の挑戦 しあわせのレシピ」は以下に当てはまる人におすすめ!
・読書感想文を書こうと思っている小学生
・食品ロスの問題について考えたい人
・パン屋さんに興味がある人
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3分で分かる「捨てないパン屋の挑戦 しあわせのレシピ」のあらすじ要約【ネタバレあり】
ここからは「捨てないパン屋の挑戦 しあわせのレシピ」の本の内容を要約します。前半と後半の二つの章に分けて、まとめました。ネタバレを含むので、まずは一度本を読んでから確認してみましょう。
前半:パン嫌いの田村さんがパン屋を開くまで
おじいさんの代から続くパン屋で生まれた長男の田村さんは、将来お店をつぐものだとみんなから思われていた。しかし田村さんは、はやりに合わせて菓子(かし)パンばかりをつくっているパン屋は「にせもの」のような感じがして、好きになれなかった。
昆虫(こんちゅう)が好きだった田村さんは、遊び場だった裏山が無くなると知って心を痛める。そこから環境問題に興味を持つが、実はこの問題は食べ物に原因があると分かる。環境問題に関連する職業に就職したかった田村さんだが、なかなか良い仕事が見つけられず、結局パン屋で働くことにする。
田村さんが働き始めた東京のパン屋「ルヴァン」では、国産小麦粉と天然の酵母(こうぼ)を使っていた。ここはもともと田村さんがイメージしていた「にせもの」のお店ではなく、「ほんもの」のお店だと気づく。
この世界には、チャラチャラしたパンだけでなく、人のこころを動かすパンもあると知った田村さんは、ひとまずパン職人をめざすことにしました。
引用:捨てないパン屋の挑戦 しあわせのレシピ」本文より
しかし父のすすめで修行に行った金沢のパンやでショートニングを使っているのががまんできずに、そのまま店を飛び出す。それから方向転換して大自然のなかで仕事するガイドの仕事にいったん就く。このときモンゴルに行った経験などが、その後の田村さんの人生にも大きくかかわっていく。
日本へ戻った田村さんだが、父がお店を閉める気でいることを知る。田村さんは「ほんもの」のパンづくりを始める決断をし、新たなお店「ドリアン」を開くことにした。
後半:試行錯誤(しこうさくご)の日々…捨てないパン屋が生まれるまで
「ほんもの」のパン作りにこだわった田村さんのお店はオープン初日から話題になり、多くのお客さんでにぎわう。しかしオープンしてしばらくするとだんだん客足が減り始める。
お客さんが少ないと、パンが売れ残ってしまう。それでもお客さんから満足してもらえるように、焼き立てのパンは作り続けないといけない。田村さんはそうして売れ残りのパンを捨ててしまわなければいけないことを問題視していた。
どんな理由があったとしても、食べものを捨てるなんてまちがっているのです。
だって、食べるとは「いのち」をいただくことなのですから。
それは田村さんがモンゴルで学んだ、いちばんたいせつなことだったのです。
引用:捨てないパン屋の挑戦 しあわせのレシピ」本文より
田村さんはパンが売れ残らないようにするためには、もっとおいしい「ほんもの」のパンを作ることだと思った。そこでフランスへ修行に行き、「ほんもの」のパン作りを学ぶ。
日本に帰国した田村さんは、まき窯パンだけを作るお店「ブーランジェリー・ドリアン」をオープンさせた。これが「捨てないパン屋」の船出となった。
新店舗をオープンさせたことで、環境問題に意識の高い新しいお客さんが増えた。しかし田村さんはずっと働きづめで、このまま長く続けられるか不安に思った。
そこで働き方について学ぶため、フランスのお店へ二度目の修行に行くことにした。田村さんはそこで、パンはほんものの材料を使っていればもっとおおざっぱに作ってもじゅうぶんにおいしいのだと気づく。
・少ない人数で時間をかけなくても、おいしいパンを作れる
・人件費をおさえられる分、国産の有機小麦を使える
・お客さんも、パン屋ではたらく職人も、どちらも幸せになれる
こうして、幸せのレシピが生まれ、田村さんのお店「ブーランジェリー・ドリアン」はついに「捨てないパン屋」になったのです。
最高の材料をつかい手をかけずにおいしいパンをつくることこそ、パンの値段も安くなり、お客さんもしあわせなら、パン職人もしあわせで、農家もしあわせになる<しあわせのレシピ>なのです。
引用:捨てないパン屋の挑戦 しあわせのレシピ」本文より
「捨てないパン屋の挑戦 しあわせのレシピ」の読書感想文ガイド【例文つき】
「捨てないパン屋の挑戦 しあわせのレシピ」は小学校高学年の部の課題図書に選ばれています。ここからはこの本を読んで読書感想文を読むコツを解説します。
読書感想文はあらすじや内容をまとめるだけでなく、その本を読んでどう思い、どう感じたかを書くことが求められます。作者が伝えたいことをおさえて、みなさんがどう考えたかを自分の言葉で書くようにしましょう。
読書感想文として使える例文を紹介しつつ、書くポイントを解説します。ぜひ参考にしてみてください。
食品ロスの問題を考える
「捨てないパン屋の挑戦 しあわせのレシピ」の最大のテーマは、やはり食品ロスに対する田村さんの取り組みですね。田村さんの活動のユニークな点は、従来の「ものを減らそう!」という考えではなく、「必要なものだけをとろう!」という考えを実践している点です。
さらに食べたものを廃棄してしまうという食品ロスだけでなく、本物の食材を使わないことが環境問題につながっているという事実が書かれています。このことは皆さん初耳だったのではないでしょうか?
上記の点を読書感想文でまとめた上で、みなさんのこれまでの経験を振り返ってみましょう。
【例文】
これまで食品ロスの問題についてはよく考えていて、食べものはできるだけ残さないようにしようと気をつけていました。しかし本書のように本物の食材を使わないと、実はそれが環境問題につながっているというのは初めて知り、おどろきました。僕はよく菓子パンを食べるのですが、昨日買ったパンのふくろに書かれた成分表を見ると、しっかりショートニングが使われていました。これからはふくろの成分表を見て、できるだけ有機で作られたものをとるようにしようと思います。
このように今後の動きをどうするか、という点も書けるとGOOD(グッド)です。
働き方について考える
この本では、職人を長く続けるためにはほどほどに働くのが重要だと語っています。読書感想文を書こうと思っている小学生はまだ働いた経験がないため、イメージしづらいかもしれませんが、こういった働き方の問題についてふみこんで書くのもよいでしょう。
みなさんの身のまわりで働きすぎで体をこわしてしまった人や、不平不満を言っている人を見たことはありませんか?その人のことを思いうかべ、自分なりの考えを述べてみましょう。
【例文】
私の兄はファストフード店で働いています。バイトなので決まった時間でしか働いていませんが、兄からは「店長は働きすぎていて、見ていてかわいそうになる」と聞きます。ファストフード店は本書に出てくるパン屋とちがってたくさんの種類のパンを作っていますし、お店の営業時間も長いので、この本みたいな解決例は当てはめにくいと思います。でもこの本を読んで、そうやって苦しんでいる人がいるというのは分かりました。
今、スーパーでレジの無人化システムが作られていたり、飲食店でもモバイルオーダーの仕組みが取り入れられたりしています。これらのIT面での普及が進めば、働き方は変わるのではないかと思いました。それは本書の「必要なものだけをつくる」という考えにも共通する点があるのではないでしょうか。
敢えて遠回りすることの大事さを書く
この本に登場する田村さんは、ずっとパン屋として働いていたわけではありません。金沢のパン屋での仕事がいやになって逃げ出して、旅のガイドをしている時期がありました。しかしその中での経験が、後々の人生に大きな影響を与えていったと分かります。
例えば、素人のトラベルガイドよりも現地の人の方が詳しく案内できたこと。ここからは「適材適所」という言葉が連想されますね。やはり自分はパン屋さんとして力を発揮したいという考えに至るきっかけになったのではないでしょうか。
上記のような気づきを踏まえて、感想文では自分も遠回りして何かに気づけた経験を書けるとよいでしょう。
【例文】
私はサッカーのドリブルがなかなか上達せずに、苦しんでいる時期がありました。毎日一人で練習しているのに、なかなかうまくなりません。そんな時、父から野球の試合を見に行こうと誘われました。サッカーが好きで野球には興味がない私は最初不満でしたが、そこで父からチームプレーの大事さを教えてもらいました。そこでドリブルの練習ばかりをする私は、個人技に走ろうとし過ぎていたことに気づきました。
本書の田村さんも一見パン屋とは違う仕事をしていましたが、その時の経験がその後の活躍に表れていました。一見遠回りだと思うことでも、その中で本来目指しているもののヒントになることもあるのだと気づきました。
参考にしたい「捨てないパン屋の挑戦 しあわせのレシピ」の感想まとめ
ここからは「捨てないパン屋の挑戦 しあわせのレシピ」の感想・レビューを紹介します。大人の読者が書いたものなので、少し分かりづらい点もあるかもしれませんが、ぜひ参考にしてみてください。
廃棄をゼロにするには、ウルトラC的な解決策があるわけではなく、何かを絞り込むことで達成できるんだという当たり前ですが、それによって得られる清々しさを感じさせてくれる物語でした。
環境問題や食品ロスなどに興味がある人はもちろん、何かを挑戦したいと思っている全ての人にオススメしたいと思います。
引用:Amazon
田村さんがパン窯で発酵させて膨らませたものは、自分はどう働くか、どう作るか、どう食べてもらうかという思いだった。じつはそれはどれも環境問題だった。これからの時代は疲れた地球の環境改善も考えて「何になろうか」を考えたい。くらしやすい環境づくりがひとびとの喜びにむすびつくのだから。
引用:Amazon
食品ロスという観点だけでなく
環境問題、ライフスタイル子供も大人も読んで満足できる書籍だと思います。
引用:Amazon
長男の宿題の手伝いで課題図書を読みました。「捨てないパン屋の挑戦 しあわせのレシピ」実在するパン屋さんのお話で、食品ロスや環境問題、働き方改革等も盛り込まれた濃い内容でした。一番心に響いたのは、「大切なのは、ほどほどに」という言葉。そうだよね、息切れしてちゃダメだよね。#妊活 #不妊
— 清水せな@妊活女性をサポートするCULLA (@ninkatsu_culla) August 6, 2022
まとめ:「捨てないパン屋の挑戦 しあわせのレシピ」は食品ロスについて考えるよい本だった
いかがでしたか?「捨てないパン屋の挑戦 しあわせのレシピ」の特徴を以下にまとめました。
・2022年の課題図書(小学校高学年の部)
・食品ロスについて考えるきっかけになる本
・環境問題や働き方についても勉強になる本
以上です。小学生の読書感想文の課題図書に選出されていますが、大人の読者でも十分に満足できる内容なので、ぜひチェックしてみてください。
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