3分で分かる『白鷺立つ』のあらすじ&ネタバレ解説・感想まとめ【第174回直木賞候補作】

今回は『白鷺立つ』(著:住田祐)のあらすじや感想などを紹介します。さらに、タイトルの意味や、作品の評価、ラストシーンのネタバレ考察(解説)、直木賞受賞予想も含めたレビュー、読者の口コミなども合わせてまとめました。

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【第174回直木賞候補作】住田祐の小説『白鷺立つ』とは

書名 白鷺立つ
作者 住田祐
出版社 文藝春秋
発売日 2025年9月10日
ページ数 304ページ

作者の住田祐(すみださち)さんは、1983年兵庫県生まれの作家。2025年に『白鷺立つ』(読み方「はくろたつ」)で第32回松本清張賞を受賞し、デビューを果たしました。同作は、第174回直木賞の候補作にも選出されています。

『白鷺立つ』は、比叡山延暦寺に伝わる仏僧の修行をテーマにした小説。あと一歩のところで失敗しながらも不名誉な称号を与えられ生き延びた恃照のもと、出生の秘密を抱えながら己の存在を認めさせようと躍起になる戒閻が修行に臨もうとする小説です。

※『白鷺立つ』は以下に当てはまる人におすすめ!
・厳しい修行を乗り越える僧侶の姿を読みたい人
・圧倒的なエネルギーを放つ作品を読んで感動したい人
・第174回直木賞の候補となった話題作をチェックしたい人

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3分で分かる『白鷺立つ』のあらすじ【※ネタバレなし※】

比叡山延暦寺において、歴史と伝統のある修行が、北嶺千日回峰行だ。千日間かけて行う過酷な仏道修行で、満ずれば高僧の称号である「大阿闍梨」を与えられ、僧侶を導く立場となれる。

恃照は、北嶺千日回峰行を満ずるあと一歩のところで頓挫してしまう。この修行は行不退(生きるか死ぬか)であり、一般的なしきたりでは失敗した者は死する運命にあるのだが、恃照の場合は、特別な計らいで「半行満阿闍梨」として生き延びることになる。

やがて、恃照のもとで修行に励む戒閻が現れるが、二人はお互いに認めない犬猿の仲となる。この二人には、周囲に漏らしてはいけぬある理由があったのだ。戒閻は修行へと臨む際、あることを画策する。それは前例に無いものであった……。

『白鷺立つ』のネタバレ解説&考察まとめ

ここからは『白鷺立つ』の魅力を深掘りするために、タイトルの意味、作品の魅力、ラストシーンのネタバレ考察などを行います。

タイトル「白鷺立つ」の意味とは?

タイトルにある「白鷺」が作中に出てくる箇所がいくつかあります。いずれも実際に存在する白鷺ではなく、修行を行う戒閻を形容したものとして出てきます。

あの者が私を置いて漆黒の闇を駆け上がっていく姿は(中略)まさに白鷺そのものにござりました。
引用:『白鷺立つ』本文より

このように戒閻が、並々ならぬ決意のもと、修行へと臨んでいくさまが、物語後半の大きな流れになります。

・戒閻がなぜここまで修行に対して強い思いを抱いているのか?
・戒閻が修行に臨むのを許さない構えの恃照との対立

このあたりが本作の大きな読みどころとなってくるでしょう。

『白鷺立つ』は第32回松本清張賞を受賞!主な評価は?

『白鷺立つ』は第32回松本清張賞を受賞した作品です。選考委員の講評をいくつか紹介しましょう。

・森絵都さんからの評価

「命を賭して荒行に挑む僧たちの、煩悩にまみれた胸奥――この稀有なドラマに魅せられた」
引用:『白鷺立つ』住田祐 | 単行本 – 文藝春秋

・小川哲さんからの評価

「憎しみ合いながら、それぞれが生きる意味を問う物語。ラストには心を打たれた」
引用:『白鷺立つ』住田祐 | 単行本 – 文藝春秋

このように高い評価を得ていたからこそ、直木賞の候補作にも選出されたのでしょうね。

『白鷺立つ』のラストシーンをネタバレ考察(解説)!

ここでは『白鷺立つ』のラストシーンについて考察した文章を載せます。ネタバレとなるので、最後まで読んだ人だけチェックするようにしてください。

ネタバレしていいからラストシーンの考察(解説)を知りたい方はこちらをクリック!

【ラストシーンまでの大まかなあらすじ】
戒閻は堂入りを一日延ばす密契を結び、より高いハードルを課して修行に臨んだ。しかし、途中で息絶えてしまう。戒閻の強い想いを汲んだ恃照は、戒閻を担いで不動明王の周りを三周し、宣するのだった。

その後、恃照は再び、千日回峰に向かい、見事に満行した。そして恃照は心の中で、そっと戒閻への感謝の気持ちを言うのだった。

【考察】
いがみ合った恃照と戒閻の二人には、お互いに隠された出生の苦しみ(どちらも帝のもとに生まれ、隠されていた)を共有し、絆が生まれたのでしょう。最後は修行の本質に気づくという点も含めて、良い結末になっていました。

また、歴史小説ではありますが、修行に打ち勝つさまや、なんとしても生き抜こうとする強い決意、不名誉な称号を与えられて苦悩しながらも生き抜く姿などは、現代に生きる人々へも何かしらのヒントを与えてくれるのではないでしょうか。

『白鷺立つ』を読んでみた感想

ここからは『白鷺立つ』を読んでみた感想を書いていきます。また読者のレビューも合わせてまとめました。

【筆者の感想】現代人の生きるヒントにも

厳しい修行と出生の秘密を絡めて、良い物語を構築していました。修行の場面には圧倒的な迫力が伝わってきて、エネルギーが伝わってきました。そのうえで、二人の僧侶の関係性の描き方が見事で、結末の場面では感動必至の作品です。

主人公はあと一歩のところで修行に失敗し、不名誉な称号を与えられて生き延びている人物です。現代でも夢半ばで打ち砕かれて挫折をしたまま、踏ん切りがつかずに生活している人にとっては生きるヒントをもらえるかもしれません。

全体的に読みやすくなるような書き方をされているのも魅力です。歴史小説を初めて読む人も、挑戦しやすい作品だといえるでしょう。

本作は直木賞の候補作にも選出されているので、受賞予想も併せて行います。前述した良さがいくつも感じられ、新人離れした作品と評価されるでしょう。ただ、全体的に説明過多な点も散見され、それより修行の過酷な点を言及したり、修行以外の出来事についても触れたりしてほしいという注文もなされるかもしれません。

やや受賞は難しく、二作同時受賞なら可能性があるかもしれない、といった評価です。

受賞予想:△(大穴)

【みんなの感想や評価】憎しみながら生きる意味を問う

続いて読者がSNSやレビューサイトに投稿した感想や口コミをいくつか紹介します。

素晴らしい。著者の情報収集力、語彙の選び方、ストーリー展開、どれもよく考え抜かれた作品でした。
引用:Amazon

まとめ:『白鷺立つ』は過酷な修行をもとに僧侶たちの深い絆を描く作品だった

いかがでしたか?『白鷺立つ』の特徴を以下にまとめました。

・第174回直木賞候補作(受賞予想は△:大穴)
・比叡山延暦寺に伝わる過酷な修行がテーマ
・憎み合う恃照と戒閻の関係性に注目

以上です。まだチェックしていない方は、ぜひ読んでみてください!

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