「111本の木」は読書感想文の課題図書としてはもちろん、大人の読者にもおすすめしたい一冊です!今回はこの本のあらすじや内容をまとめた上で、作者が伝えたいことを解説します。小学生のお子さんを持つ親御さん向けに、読書感想文を書くコツを例文つきで紹介するので、ぜひお子さんと一緒にこの本について語り合ってみましょう。
「111本の木」(小学校中学年の課題図書)の内容とは
書名 | 111本の木 |
作者 | リナ・シン (著),
マリアンヌ・フェラー (イラスト), こだま ともこ (翻訳) |
出版社 | 光村教育図書 |
発売日 | 2021年2月2日 |
ページ数 | 36ページ |
「111本の木」はインドのある村で起きた実話をもとにした物語です。自然環境や教育格差や男女平等などの現代で取り扱われるべきテーマについて書かれており、SDGsへの意識が高まる作品にもなっています。
「111本の木」はインドに生まれた少年が成長して村長になり、村を変えていく話。幼い頃に苦しい生活を経て母を亡くした経験から、村に女の子が生まれた際には111本の木を植えて、18歳までには結婚させず学校に行かせるという決まりを作ります。
※「111本の木」は以下に当てはまる人におすすめ!
・読書感想文を書こうと思っている小学生
・環境問題や教育問題や男女平等に関心がある人
↓↓「111本の木」を買いたい人は以下から↓↓
3分で分かる「111本の木」のあらすじ要約【※ネタバレあり※】
インドのある村に生まれた少年は、母のつらい仕事を目の当たりにして心を痛めていた。ある日、母は毒ヘビに噛まれて死んでしまった。
それから成長した少年・スンダルさんは、大人になって大理石工場で働いた。大理石を掘り出すために荒れ地になった場所に木を植えて、緑ゆたかな土地に戻したいと考えた。また幼い頃の母の思い出をふりかえり、男の子だけでなく女の子も学校へ行けるようにしたいとも思った。
スンダルさんは選挙に出て、村長になった。一年後にスンダルさんの娘が病気で亡くなった。スンダルさんは若木を植えて、悲しみごと土に埋めようと思った。その時、スンダルさんはある決断をした。
この村で女の子が生まれるたびに、111本の木を植えておいわいしよう。
引用:「111本の木」本文より
男の子が生まれたら喜ばれる一方で、女の子が生まれたら歓迎されない風潮がある中、スンダルさんの考えはなかなか受け入れられなかった。しかしスンダルさんは村の人たち一人一人とじっくり話をして、村の自然のこと、男女平等のこと、教育が行き届いている国のことなどを話した。
スンダルさんの考えは、徐々に村の人々へと浸透していった。スンダルさんは女の子が生まれたら111本の木を植える代わりに、女の子は18歳まで学校に行き、結婚はしないという約束をした。
その結果、村は緑におおわれた美しい村になった。また男の子と女の子はどちらも18歳まで学校へ行っている。村の人たちはみんな幸せに暮らせるようになった。
「111本の木」の読書感想文ガイド【例文つき】
「111本の木」は2022年の課題図書に選ばれています。この本をもとに読書感想文を書こうとしている小学生のお子さんがいるけど、なかなか手につかずにいる…。そんなお子さんに対して、どうアドバイスしたらよいか、ここからは解説していきます。
ここまで「111本の木」の内容やあらすじを紹介しましたが、読書感想文では要約した文章を載せるのではなく、自分がどう思ってどう考えたかを書くことが求められます。作者が伝えたいことを抑えて、お子さんたちがどうやったら考えることができるか?そのヒントを親御さんたちから教えてあげましょう。
各テーマについて、例文つきで紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
身の回りで自然環境をよくするための行動について考える
「111本の木」では大理石を採掘したせいで荒れ地になった場所に、緑を植える動きが書かれています。自然がどれほど無くなっているか調べ、その上で一人一人がどういう動きができるかを考えてみましょう。
【例文】
大理石工場で荒れた土地に緑をたくさん植えて、豊かな土地にしている話がありました。しかしこれは一部で、今の世の中ではどんどん緑が無くなっていると聞いたことがあります。ぼくたちには何ができるでしょうか?自然環境がよくなるように、エコな活動を意識したいと考えました。わりばしを使わずにマイはしを持ち歩いたり、電気はこまめに消したりするなど、ふだんからの心がけでできることをしていきたいと思います。
教育を受けられるありがたさを書く
世界では十分な教育を受けられない子どもがたくさんいます。その事実をふまえて、学校で教育を受けられる今の環境のありがたさを書くのはどうでしょうか。
【例文】
学校に行けずにいる子どもたちがたくさんいると知り、ぼくはショックを受けました。今、あたりまえにできていることが、他の国に生まれていたらできなかったかもしれません。ぼくは勉強がいやで学校に行きたくないと思う時がたまにあるのですが、行きたくても行けない人たちがいることを知った今は、まじめに感謝して学校に行かないといけないなと感じました。
男女平等について考えたことを書く
本書のテーマの一つに「男女平等」があります。物語に出てきたインドの村ほどではないにしても、日本でも男女平等の問題については深く考えたくなるような事柄があるのではないでしょうか。またなぜそういった差別が起きるのか、根本的な原因について考えるのも重要です。
【例文】
「111本の木」では男女平等の問題が書かれていました。なぜこういった差別の問題が起きるのでしょうか。女の子の方が力がなくて、男の子の方が力をつけて、体力を使う仕事がしやすいからなのかもしれません。電気や水道が通ってなくて、体力を使う仕事ばかりが必要になる社会ではそうなりやすいのでしょう。そう考えると今の日本はとてもはたらきやすい社会になっていると思います。しかしたとえば政治家はほとんどが男性で、なぜ女性にかつやくの場が少ないのかぎもんです。日本でもっと男女平等の考えが広がっていったらいいなと思います。
すすんで行動する大事さを書く
「111本の木」ではスンダルさんの行動力の高さにも感心させられます。村を変えるといった大きな行動はとても真似できるものではありませんが、小さなところから気づいたらすぐ行動する、という姿勢は学べるところが大きいですね。
【例文】
スンダルさんの行動力に感心しました。女の子が生まれたら111本の木を植えるなどとても考えつかないですし、たとえ思いついたとしても行動にうつせるのがすごいなと思います。ぼくも学校で何か問題が起きたときにすぐに行動できるようになりたいです。スンダルさんは自分が悲しい経験をしたことをふまえて、アイディアを思いつきました。行動を起こすためには、まずは今のクラスで何か困っていることはないか、普段から問題意識を持つことが大事だと考えます。
参考にしたい「111本の木」の感想まとめ
ここからは「111本の木」のレビューサイトやSNSに寄せられた感想をまとめました。大人の読者の意見ですが、子どもの読書感想文の参考にもなるでしょう。
女の子も生まれたら祝福したい。インドのピプラントリ村で、スンダルさんが根気強く続けてこられた実話に基づくお話。女の子一人につき111本の植樹は、今や25万本になっているという。
ジェンダーの不平等、土地の荒廃を木を植えることで変えていこうというスンダルさんの大きさと行動力がすごい pic.twitter.com/GSvEAcJ2Z0— 琴子 (@komaco24) June 29, 2021
子どものために買ったのですが、母の私が本当に感動して、読書感想文書きたくなりました。
1人の村長さんの行動が、村を変える。
その行動の素晴らしさよ。
いろんな地域、あるいは国のリーダーとなる人々、私達一人ひとり大人が、この村長さんのような心を忘れてほしくないと思いました。
引用:Amazon
課題図書に選ばれるのも納得の内容です。
心優しく賢い男性の真っ直ぐな人生。
悲しく重い事も、明るく強い事も描かれていて好感を持ちました。
引用:Amazon
『111本の木』読了。
冒頭にお母さんと水を汲みに行くシーンがあったので『みずをくむプリンセス』みたいな話かと思ってたら全然違った。短い絵本やが、読書感想文から派生して、自由研究や社会問題を勉強できる本だと思った。アロエベラってシロアリに効果があるんやな。植えよかな… #光村教育図書 pic.twitter.com/Qdatb4dsqX— c3h8 (@c3h8_pro) April 28, 2022
まとめ:「111本の木」は男女平等や教育格差、自然環境について考える良い教材だった
いかがでしたか?「111本の木」の特徴を以下にまとめました。
・2022年の課題図書(小学校中学年の部)
・自然環境、男女平等、教育格差について考えさせられる
・行動力の高さに感心させられる
以上です。大人の読者の方でもSDGsについて少しでも意識のある方ならおすすめできる本なので、ぜひチェックしてみてください!
↓↓「111本の木」を買いたい人は以下から↓↓
コメント