「むき出し」にはEXIT・兼近大樹の全てがあった!今回は人気芸人の初小説のあらすじをご紹介。ネタバレ部分はクリックしたら読めるようにしています。「むき出し」が兼近の実話かどうかの検証や、みんなの評価、感想などもまとめました。
EXIT・兼近大樹の初小説「むき出し」とは
書名 | むき出し |
作者 | 兼近大樹 |
出版社 | 文藝春秋 |
発売日 | 2021年10月27日 |
ページ数 | 229ページ (Kindle版) |
若者に絶大なる人気を誇るお笑いコンビ・EXITの兼近大樹。彼が出した初めての小説が、いきなり週間ランキング1位になるなど、話題を集めています。
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「むき出し」というタイトルは、芸人・兼近大樹がお笑いを志した理由や、これまでの生い立ちを全てさらけ出しているという意味でしょう。EXITが好きな人はもちろん、芸人になりたい願望がある人や、芸人の生い立ちに興味がある人も必読の小説です!
また芸能人が書いた小説ということで、興味を持ちやすいですね。「むき出し」は帯でピース・又吉直樹さんも評しているように、誰にでも分かる簡単なことばで描かれています。普段は小説を読まない人でも、気軽に読書できるでしょう。
※「むき出し」は以下に当てはまる人におすすめ!
・芸人・EXITが好きな人
・お笑い芸人の生い立ちに興味がある人
・勉強ができず将来に希望を持てない人
・普段は小説をあまり読まない人
「むき出し」のあらすじ【※ネタバレなし】
テレビに引っ張りだこの人気若手芸人・石山大樹。しかし彼には過去に犯したスキャンダラスな罪があった。石山はどうやって幼少時代を過ごし、現在に至ったのか。勉強ができず喧嘩に明け暮れてばかりの少年が、人気芸人になるまでの過程を「むき出し」にして描く…。
【※ネタバレあり】「むき出し」のあらすじ
若者言葉を使った芸風でブレイクしたお笑いコンビ・entranceの石山大樹。忙しい毎日を送る中、週刊文春が駆けつける。石山は悟った。「ついにやってきましたか」と。ここから石山(以降、俺)により、壮絶な過去が語られる。
ここからはネタバレありで、詳しいあらすじを紹介していきます。作品を読んだ方のみ、以下クリックして中身を確認することを、おすすめします。
中学時代まで
まずは石山の中学時代までのエピソードをまとめました。
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俺は勉強ができず、クラスのみんながやっている普通の学園生活が分からずにいた。俺はいつも悪戯したり喧嘩したり。しかも厄介なのは、それでなぜ自分が叱られるか分かっていないことだ。
「言うこと聞きなさい」「ジッとしてなさい」ってババもママも先生もいつも同じことを言ってくる。
ジッとってなんだろう?大人しくってなんだろう?
引用:「むき出し」本文より
俺はある日、友達と一緒に教室の中に墨汁をばらまいた。友達と共謀したつもりが、その友達からは俺に「やらされた」と言っていた。
俺のパパがやっていた会社が倒産した。さらにママがガンになった。その後回復するも、俺の家はずっと貧乏だった。中学になり、ママとパパは離婚した。
中学時代、自分と同じように見栄をはって嘘をつきながら懸命に生きている男・斉藤や、野球部エースの米山と仲良くなった。ポイ捨てした男を恫喝したり、またヤンチャな日々を過ごす。
そんな中、女性教師に注意されたことに反抗して「殺すぞ」と恫喝する。すると教室から出て行った女性教師がその後、脳しんとうで倒れたため、俺が殴ったのではないかとあらぬ疑いをかけられる。否定するも信じてもらえず、俺はつい悔し泣きをしてしまう。
中学卒業後〜20歳まで
続いて石山が中学を卒業してから後をまとめました。
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卒業後、就職するもうまくいかず、定時制の高校も2日行っただけだった。そんな中、テレアポの会社で俺は仕事を始める。しかしすぐに怪しい詐欺会社だと思い、正義感の強い俺はすぐに会社の入ったビルを抜け出す。
ビルを出てすぐに大学生から話しかけられ、喧嘩をふっかけられる。苛立ちが募っていた俺は、つい殴りすぎてしまう。幸い相手は死なずに済んだが、相手の家族から強く非難される。
またフラフラしていた俺は、中学の友達の斉藤の紹介でデートクラブの仲介業をすることに。欲にまみれた大人たちに疑問を抱く。ある日デートクラブで働く女の子が、男たちに集団暴行されそうになったところを助ける。
喧嘩ばかりしてきた俺だが、人一倍正義感は強かった。しかしもともと俺がこの仕事をしなければ、全て起こらなかったのではないか、と自問自答する。なかなかはっきりした答えは出ないまま、俺は米山と斉藤と風俗店で働き始め、このままダラダラテキトーな大人になっていくのだろうと思う。
20歳〜芸人の道を志すまで
20歳を超えてから、石山の人生は大きく変化していきます。
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俺が過去に働いていたデートクラブが摘発され、俺は売春防止法違反により逮捕された。刑務所で生活する中、俺は本を読むのにハマった。その中には尊敬する芸人の又吉直樹の本もあった。
俺は本を読む中で、過去の行いを反省した。
小学校の墨汁事件も、無理矢理やらせていたんじゃないか?
先生への暴行事件。あれは、本当に殴っていなかったのか?
詐欺と決めつけたテレアポだって、実は真っ当な会社だったかも知れない。
引用:「むき出し」本文より
俺は刑務所で知り合った人との縁で、出所したBARで働くことになった。しかし俺はその男に利用され、結局その仕事も無くなった。ここにずっといるのはまずいと思い、俺は東京へ行くことを決めた。
生きてきた環境、繋がり、全てを捨てる決意が出来た。
強制的に人生をリセットして、新しい人生を始める。
引用:「むき出し」本文より
芸人人生の始まり〜現在
石山がいよいよ芸人への道を切り拓きます。
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俺はお笑い学校に入学するも、自分が普通の価値観で生きてこなかったと悟った。そこであらゆる人たちの話を聞き、普通の価値観を理解しようと努力した。一時期、大家さんに追い出されホームレス状態になったが、その経験も芸人になるきっかけを与えてくれた。
お笑いって最高じゃん。面白い人になりたい。いやなるんだ。人と人との架け橋になれる芸人になる。
引用:「むき出し」本文より
俺がテレビに出るきっかけとなったのは、エロコント番組だった。俺はその番組出演を受けて、幼い頃に出会った女性(彼女は母子家庭でその後、母親が自殺していた)から応援のDMが届いた。俺はかつてその女性から逃げていたのだが、今こうしてメッセージをもらったことに感涙してしまう。
俺と当時組んでいた相方がスキャンダルが原因で活動休止となった。その後、俺は中島さんとコンビを組む。俺と同じような理由で相方を失っていた中島さんから、LINEが届いた。
「マジで頼む。俺の最後のチャンスなんだよ。全てをかけて頑張るから1年だけくれ。スターにするから。俺はお前の過去も背負うよ」
引用:「むき出し」本文より
俺はこうしてコンビ・entranceを結成した。entranceの意味は「素晴らしき世界の入口になれるように」だ。
自伝的小説「むき出し」は芸人・兼近大樹の実話なのか?
いかがでしたか?あらすじを振り返ると、作中の登場人物・石山が過ごしてきた人生がかなり濃いと分かります。ここでたいていの読者が気になるであろうことが、「これは実話なのか?」というところです。
【作中人物と兼近大樹の共通点】
・主人公と作者の名前が一緒
・複雑な家庭環境のもとに育った
・売春防止法違反容疑で逮捕される
・ホームレス経験がある
など。
ホームレス経験があるのまで、実際のエピソードと重なってきます。「むき出し」は芸人・兼近大樹の実話に基づいた自伝的小説と言っていいでしょう。
「むき出し」の感想や評価は?
「むき出し」はどういう評価を持たれているのでしょうか?作品を読んだ方の感想をまとめました。
そういえば買って読んだ!
正直ニュース見てへぇそうなんだ〜くらいにしか思ってなかったんだけど、想像以上にやばかった。
でも共感もできて、結果的にいい方向に見方が変わった。
過去は消せないけど、それを超えるほどの努力ってまじで大事だな。
久々にいい本に出会えた😊#むき出し #兼近大樹 pic.twitter.com/Q0TD6LqFKa— たっく (@nbti_M) November 1, 2021
過去に真っ向から向き合って書かれた力作でしたね。
教育に携わる方にお薦めしたい本。
EXIT兼近大樹さんが書いた『むき出し』。
裏の世界を生きる不良にとっての正義にハッとさせられる。
大人が何を言っても耳を傾けてくれない子ども達の、言葉にならない思いを言葉にしてくれたような、そしてとっても優しい気持ちになれるような、そんな本でした。 pic.twitter.com/XnnbQ9cQA3— はらぺこ@養護教諭 (@Fey4g) November 1, 2021
ヤンキーの生徒と接する教諭の立場から読むと、また違った見方ができそうです。
兼近大樹さんの「むき出し」読了。
私のように発達障害児を息子にもつ保護者の方、学校教育関係の方、児童福祉に携わる方。
もし良かったら、一度手に取ってみてほしい📖#むき出し pic.twitter.com/zfGWG6ZStO— あはまのる (@deguchikanechi) October 27, 2021
こちらは親の視点から。
最高だった。
後輩とか吉本とか関係なく、本当に本当にすごい本だった。
自分の語彙力の無さと薄っぺらい経験だと何を言っても下手な感想になってしまうんだけど、今までで一番人に読んで欲しいと思える本。「むき出し / 兼近大樹」 pic.twitter.com/uxf5vqoHN0
— ぬまんづ 原いい日 (@numanz_hara) October 26, 2021
友達に勧めたくなる小説です!普段本を読まない人にもおすすめしやすいですね。
この本が、多くの図書室や図書館に置かれて、ふと手に取っただれかに読まれて、そのだれかにとっての一条の光となればいいなと思います。
引用:amazon
ずっと“裏の世界”で生きてきた主人公が様々なエピソードをきっかけに、思考変換しながら成長し、遂には表の世界に羽ばたいてゆく姿はあらゆる層の人達に勇気と希望を与えると思います。
引用:amazon
希望が感じられる小説で、きっと読んだ人の勇気になるでしょう。
「アベプラ」でEXIT・兼近大樹がこぼれ話を披露
EXIT・兼近大樹さんが生出演しているAbema TVの報道番組「アベプラ」では、これまでの人生を踏まえてコメントするシーンがよく見られます。小説「むき出し」を読んだ方だと深く突き刺さることでしょう。
例えばこちらの放送回。自身も少年の頃にヤンチャしてきて、実際に服役された経験を踏まえて「自分のやってきた道全部含めて、今の自分がある」とコメントしています。
またこちらは学生時代に、暴れていた経験を語っています。これも小説「むき出し」と照らし合わせながら読むと、より説得力を持って心に響いてきますね。
このようにAbemaで放送中の「アベプラ」では兼近さんのリアルな意見を聞けます。過去の放送回はAbema TVに登録すれば閲覧可能なので、ぜひこれを機にチェックしてみてください。
まとめ:「むき出し」は兼近大樹のルーツが分かる感動の小説だった!
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いかがでしたか?「むき出し」についてまとめました。
・発売してすぐランキング1位になる程の人気
・EXIT・兼近大樹の自伝小説
・普段本を読まない人にもおすすめしたくなる作品
これを機にさらにEXITのことが好きになった方は、今後も温かく彼らの活動を見守りましょう!
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