3分で分かる『鳥居きみ子: 家族とフィールドワークを進めた人類学者』のあらすじ&読書感想文を書くコツまとめ

課題図書『鳥居きみ子: 家族とフィールドワークを進めた人類学者』を読んで読書感想文を書きたい中学生、必見! 今回は本作のあらすじを要約(ネタバレあり)したうえで、読書感想文を書くコツを例文付きで解説します。

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『鳥居きみ子: 家族とフィールドワークを進めた人類学者』(中学校の部の課題図書)の内容とは

書名 鳥居きみ子: 家族とフィールドワークを進めた人類学者
作者 竹内紘子(著) 岸積(解説)
出版社 くもん出版
発売日 2024年2月26日
ページ数 184ページ

『鳥居きみ子: 家族とフィールドワークを進めた人類学者』は、人類学者・鳥居龍蔵の妻で、自身も家族とともにフィールドワークを行い、婦人研究者の先駆者として活躍した鳥居きみ子の生涯をまとめた本です。

※『鳥居きみ子: 家族とフィールドワークを進めた人類学者』は以下に当てはまる人におすすめ!
・読書感想文を書こうとしている中学生
・人類学に興味や関心がある人
・活躍した女性がどんな生涯を歩んだか知りたい人

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3分で分かる『鳥居きみ子: 家族とフィールドワークを進めた人類学者』のあらすじ要約【※ネタバレあり※】

師範学校を出た後に、鳴門市の小学校で教師をしていたきみ子。自分のやりたいことが何か分からず、見つけたら実家を勝手に飛び出して東京の音楽学校へ入学するなど、行動力のある女性ではあった。

ある日、きみ子は鳥居龍蔵から結婚を申し込まれる。龍蔵は、東京帝国大学の人類学教室に雇われて、助手をしながら勉強している人物であった。きみ子から人類学とは何かと聞かれ、龍蔵はこう答えた。

人類の歴史を考える学問です。大昔からの人間の歩みを調べるのです。今、教室では『日本人のルーツ、日本人がどこからやってきたのか』を調査研究しています。
引用:『鳥居きみ子: 家族とフィールドワークを進めた人類学者』本文(33‐34ページ)より

きみ子は、龍蔵が人類学に打ち込んでいる姿勢や、自分のことを一人の女性・相棒として見てくれているのを知り、結婚を決意した。

龍蔵の学問の手助けが少しでもできるなら、それが自分の生きがいになるかもしれない
引用:『鳥居きみ子: 家族とフィールドワークを進めた人類学者』本文(44ページ)より

それからきみ子は、たくさんの子どもたちを産み、子育てに奔走するが、そんななかで夫と一緒にアジアでフィールドワークを行った。時には成長し、興味を示した子どもたちを同行させることもあった。

子連れのモンゴル探検調査は話題となり、日本に帰国後、きみ子には体験記や講演の依頼が舞い込んだ。ただし、どれも「夫を献身的に支える妻」の姿を求められており、きみ子はいつか自分が研究したことを本にまとめられたらと思った。

その後、実際に調査研究書を出版できることになった。そのなかできみ子は、欧米と比べて女性がまだ研究者として活躍できていない当時の状況をふまえ、このようなことを書いた。

この時にあたって、婦人研究者の先駆者となれば、幸いです。
引用:『鳥居きみ子: 家族とフィールドワークを進めた人類学者』本文(114-115ページ)より

必ずしも人生は順風満帆ではなかった。特に留学先で息子が病気で亡くなったのは、家族にとってあまりにも大きな悲劇だった。それでもきみ子は前を向き、フィールドワークを続けた。

フィールドワークをしている際に危険な目に合うことも少なくなかった。満州事変が起こった場所の近くでゲリラたちに襲われそうになったこともある。しかし、きみ子は家族が一つになって、同じ方向へ向かっていることに幸福感を覚えた。

自分たちのやっていることを、子どもたちに引きついでほしいといったことはなかった。それでも、わかってくれている。
(中略)
気がつけば、家族は今、同じ方向に向かってひとつになった。
引用:『鳥居きみ子: 家族とフィールドワークを進めた人類学者』本文(133-134ページ)より

きみ子たちは、現地で見つけた壁画や、人々から聞いた話から、貴重な情報を集めていった。そうしたきみ子たちの活躍が評価され、きみ子の死後には鳥居記念博物館が建てられ、中庭には「龍蔵」と「きみ子」の二人の名前が刻まれたドルメンが設置された。

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『鳥居きみ子: 家族とフィールドワークを進めた人類学者』の読書感想文ガイド【例文つき】

『鳥居きみ子: 家族とフィールドワークを進めた人類学者』は課題図書に選出されていますが、いざ読書感想文を書こうとすると、どこから書きだせばいいか迷ってしまう人もいるでしょう。

読書感想文を書くうえで大事なのは、単に本のあらすじを要約するのではなく、本を読んでどう感じたかを自分のことばで書くことです。また、以下のような構成にすると、まとまった文章になりやすいので、ぜひ参考にしてみてください。

・起:なぜ、この本を手に取ったか、さらに読む前にどういう印象を抱いたか書く
・承:「起」で書いたテーマをふまえて、本を読み進めるうちに考えたことを書く
・転:テーマや本質からはそれるかもしれないが、独自の視点で気づいた点を書く
・結:本を読む前と読んだ後の考え方の変化をまとめる

なぜ、この本を手に取ったかを書く

導入で、なぜこの本を選んだのかについて書いておきましょう。

人類学への関心があった
→(例文)人類学がどういうものかあまり知らなかったので、もっと知りたいと思った。人類の歴史について古い文献を調べていく学問だと思ったので、現地調査するフィールドワークがどんなものか気になった。
→(中盤以降)人類学について分かったことを書いていく。フィールドワークの大変さややりがいなど、気づいたことをまとめていく。

活躍する女性について興味があった
→(例文)日本はほかの国に比べて、女性の経営者が少ないといわれ、活躍しにくい国だといわれている。現代は改善されつつあるようだが、特に男性優位といわれた当時の時代において、活躍した女性とはどんな人物だったのか知りたいと思った。
→(中盤以降)当時、女性が置かれた状況や、きみ子の苦悩や功績について、気づいたことを書いていく。

このように導入で書いたことをふまえて、中盤以降で読み進めて感じたことを記すことで、自然な流れになっていきます。

人類学の意義ややりがい、大変な点について学んだこと・感じたことを書く

人類学はなかなか馴染みが薄い学問なのではないでしょうか。今作を読んで、鳥居龍蔵や鳥居きみ子という人物を初めて知った人もいるでしょう。

本作を読んで、人類学の意義ややりがい、大変な点について学んだことを書いていきましょう。

・あなたは本作を読んで人類学を学びたいと思いましたか? その理由は?
・自分がフィールドワークするとしたらどのような点を重視しますか?

など、あなたがもしきみ子の立場だったらどんな選択をするか考えてみるのもよいですね。そのうえで、自分ときみ子の行動の共通点や違うところについて書いてみましょう。

家族で一つの方向を見て目指せることの意義を書く

龍蔵やきみ子のほかにも、家族が一つの方向を向いて調査活動をしてきました。その点について言及してみるのもいいでしょう。

【例文】
きみ子の子どもたちは、両親が自分たちの仕事をついでとは言ってないのに、自然と自分たちにできることを探していき、活動に参加していきました。子どもたちが積極的に関わったのは、きみ子たちが常に楽しそうに仕事をしていたことが理由なのかもしれません。

きみ子の子どもたちは一般的な家庭と違って小さいころに遊んでもらえる時間は少なかったかもしれません。それでもそれだけ夢中に仕事に打ち込んでいる姿を見たことで、自然と興味がわいたのではないでしょうか。

上記のように、考えたこと・感じたことを自由に書いてみてください。間違いはないので、臆さずに書くのが大事です。

参考にしたい『鳥居きみ子: 家族とフィールドワークを進めた人類学者』の感想・口コミ評価まとめ

ここでは読者がSNSやレビューサイトに投稿した感想や口コミをいくつか紹介します。読書感想文を書くうえで、何かしらの参考になるかもしれません。

鳥居きみ子さんが、鳥居博士と結婚して、モンゴルや台湾などに考古学、民俗学、人類学の調査行った事が詳しく書いています。現在のインディージョーンズみたいですね。
引用:Amazon

人生の流れを素直に受け入れつつ、いかなる場面でも面白がって、楽しむ精神があったからこそ挑戦できたのだろう。
引用:Amazon

まとめ:『鳥居きみ子: 家族とフィールドワークを進めた人類学者』は先駆的な婦人研究者の生涯に迫った本だった

いかがでしたか?『鳥居きみ子: 家族とフィールドワークを進めた人類学者』の特徴を以下にまとめました。

・2025年における読書感想文の課題図書(中学校の部)
・先駆的な婦人研究者となった鳥居きみ子の生涯を描いた
・人類学やフィールドワークの意義ややりがいについて学べる

以上です。まだチェックしていない方は、ぜひ読んでみてください!

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