今回は「ソリティアおじさんがいた頃」(著:村司侑)のあらすじや感想を紹介します。タイトルの意味や、登場人物の紹介、ラストシーンのネタバレ考察(解説)、読者の口コミレビュー、芥川賞の受賞予想などをまとめました。
【第175回芥川賞候補作】村司侑の小説「ソリティアおじさんがいた頃」とは
| 書名 | ソリティアおじさんがいた頃 |
| 作者 | 村司侑 |
| 初出 | 『文學界』2026年5月号 |
作者の村司侑さんは、福岡県出身で、九州大学文学部を卒業した作家です。2026年に「ソリティアおじさんがいた頃」で第131回文學界新人賞を受賞。同作は第175回芥川賞の候補に選出されました。
ポストの固定ってどうやるんだろ? https://t.co/x0kRl1kWdX
— 村司 侑 (@murashiyuw) May 20, 2026
「ソリティアおじさんがいた頃」は、味噌屋に勤める主人公が、二年前に退職したソリティアおじさんこと黒野田さんの訃報を聞いたところから始まる物語です。黒野田さんのことを思い出すと同時に、無職の彼氏と同居する自分のあり方についても見つめ直していきます。
※「ソリティアおじさんがいた頃」は以下に当てはまる人におすすめ!
・饒舌な語りで読ませる文章の世界に浸りたい人
・会社にいる窓際族の存在が気になる人
・第175回芥川賞の候補となった話題作をチェックしたい人
⇒・「ソリティアおじさんがいた頃」を購入したい人はこちらから
・「ソリティアおじさんがいた頃」が掲載されている『文學界』2026年5月号を購入したい人はこちらから
3分で分かる「ソリティアおじさんがいた頃」のあらすじ【※ネタバレなし※】
味噌屋に勤めるわたしは、一昨年に定年退職したソリティアおじさんこと黒野田さんが火事で亡くなったと知る。最後の愛弟子だった同居人の海史が葬儀に行けなくなったため、代わりにわたしが参列することになった。
仕事中そして葬儀へと向かう道中で、わたしはソリティアおじさんがいた頃のことを思い出すが……。
「ソリティアおじさんがいた頃」の主な登場人物まとめ
「ソリティアおじさんがいた頃」の主な登場人物についてまとめました。
・わたし(=古井瀬瑠奈):本作の主人公。三山味噌株式会社には中途で入った。周囲の人間に心の中でツッコんだり毒付いたりしている。
・黒野田郁夫:二年前に定年退職。以前は有望おじさんだったが、定年前はソリティアおじさんとなっていた。一昨日に火事で亡くなった。
・黒野田琴美:郁夫の娘で、喪主。シンプルなひとつ結びの黒髪で若く見える。言いたいことをズバリと言う性格。
・川上海史:わたしの交際相手。黒野田さんの最後の愛弟子だった。趣味は将棋で、現在はだらだらと無職を続けている。
【三山味噌株式会社】
・結子:ゆーこさん。わたしと一番歳が近い先輩。顔も背もちっこいけど、頼りにしている。
・菅野:直営店店長兼品質管理課長。ええとこのお嬢さんがそのまま歳を重ねたみたいな感じの人。
・諏訪&井田:仕事に必要なこと以外はいつも野球の話ばかりしている、でこぼこコンビ。
・平見:第一営業部長。海史が葬儀に行くか、わたしに尋ねてくる。
・三山社長:ごつい。平見とともに通夜に参列する。
人気の芥川賞受賞作をお得に読める方法を公開!
毎回受賞作が話題になる芥川賞。話題となった『コンビニ人間』(著:村田沙耶香)、『火花』(著:又吉直樹)、『推し、燃ゆ』(著:宇佐見りん)などは、Amazonが展開するサービス・Audibleにて無料で配信されています。
Audible(オーディブル)は、プロのナレーターが本を朗読したものをいつでも聴けるサービス。月額1500円のサービスですが、30日間月額199円で体験できるお得なキャンペーンを実施中(※7月15日までの登録者限定※)です。ぜひお得な期間のうちにチェックしておきましょう!
【Audibleにて無料配信中の主な芥川賞受賞作品】
・『コンビニ人間』(著:村田沙耶香)
・『火花』(著:又吉直樹)
・『推し、燃ゆ』(著:宇佐見りん)
・『ハンチバック』(著:市川沙央)
・『バリ山行』(著:松永K三蔵)
↓↓オーディブルの最初の3ヶ月月額199円キャンペーン利用(※7/15までの登録者限定※)は以下をクリック!!↓↓
今すぐオーディブルを最初の3ヶ月月額199円で体験してみる!
「ソリティアおじさんがいた頃」のネタバレ解説&考察まとめ
ここからは「ソリティアおじさんがいた頃」の魅力を深掘りするために、タイトルの意味、作品の魅力、ラストシーンのネタバレ考察(解説)などを行います。
「ソリティアおじさんがいた頃」のタイトルの意味は?
ソリティアおじさんとは、一時期流行ったネットスラングで、窓際族のことを指します。一昨年に退職したソリティアおじさんこと黒野田さんが火事で亡くなったと知り、かつて彼がいた頃のことを思い出すという物語です。
物語の終盤では、主人公自身もソリティアをやってみて、本人がどういう気持ちだったかを想像する場面も出てきます。葬儀に参列し、それから数日間を通して、主人公の心情がどう変化していくのかにも注目です。
饒舌な語りで展開される文章が大きな魅力|新人賞選考会でも高評価
本作は、主人公のわたしの視点で、展開されていきます。特徴的なのはその文体。難しい言葉はほとんど出てこず、京都弁を交えた語りで物語が進んでいきます。
主人公の会話は敢えて「」を使わず、主人公以外の会話は「」で書かれるため、どこからが実際に口に出して、どこまでが心のうちに留めているか、敢えて曖昧にしています。
文學界新人賞の選評でもこの語りのような文体で、すいすいと読ませる力を高く評価している声が多く見られました。
「ソリティアおじさんがいた頃」のラストシーンをネタバレ考察(解説)
ここでは、「ソリティアおじさんがいた頃」のラストシーンについて考察(解説)した内容を記します。ネタバレとなるので、大丈夫な人だけ下記をクリックして読んでみてください。
ネタバレしていいからラストシーンの考察を知りたい方はこちらをクリック!
【ラストシーンまでのおおまかなあらすじ】
かつては有望だった黒野田さんがなぜソリティアおじさんになってしまったのか、といった様々な思考をしながら、当日葬儀に参列したわたし。喪主の琴美さんからは、フラフラと生活する海史を強く非難されてしまう。
葬儀から帰ってきて体調を崩したわたしは、職場に休むことを伝える。海史が職業安定所へ行っている間に、わたしはソリティアをやりながら海史とのことを考え、やがて別れようという結論に達する。
体調が良くなり、月曜にまたわたしは出社する。琴美さんが遊びに来ていて、小さい頃になりたかったものの話をしたり、漠然と結婚について考えてみたりする。最後は、わたしが自分の職場に居場所を感じているのが分かるような文で締められる。
【考察(解説)】
ざっくりというと、主人公は半ヒモの彼氏と別れて、人生の再出発を果たしたといった流れですが、そこに至る心情の変化を丁寧に読み取ることで、人それぞれの仕事や恋人との向き合い方を見つめ直すきっかけになるでしょう。
「ソリティアおじさんがいた頃」を読んでみた感想
ここからは「ソリティアおじさんがいた頃」を読んでみた感想を書いていきます。また読者のレビューも合わせてまとめました。
【筆者の感想】生産性が無いものと向き合うこと
主人公が、生産性の無いことをし続けるおじさんに逆に感心する気持ちがわいた点に興味を持ちました。今の世の中はなにかと生産性を求めるものですが、そんななかでこの気づきは、今を生きるうえでの一つの重要な考え方になってくるのかもしれません。
また、多くの方が評価しているように、饒舌な語りが面白いです。ときどき「知らんけど」と突き放すのが、なんというかいかにも京都人という感じがして、まんまとやられました。
さて、本作は芥川賞の候補作に選出されていますが、果たして受賞はどうなのでしょうか。語りはたしかに魅力ですが、ストーリーとしては凡庸で、引っ掛かりが少ない分、選考会ではあまり高く評価されないかもしれません。
受賞予想:ー(なし)
(全候補作を読み終えた段階でもう一度予想してみます)
【読者の口コミレビュー】静かな中毒性を感じた
続いて、読者がSNSに投稿した口コミレビューをまとめました。
村司侑『ソリティアおじさんがいた頃』(第131回文學界新人賞)。#読了… pic.twitter.com/JLhydYEvUb
— 大滝瓶太 (@BOhtaki) April 8, 2026
パソコンのソリティアだけが纏うやつ。引き延ばされるようにやめどきだけが見つからない、静かな中毒性👍 村司侑『ソリティアおじさんがいた頃』 pic.twitter.com/OGrkIIubEr
— t_yamachy (@ytm) April 11, 2026
職場にいた、黒野田さんが亡くなった。忘れてたこと確かめようのないことがとりとめなく浮かんでくる。
いい!言葉で刺しに来るタイプでなくて全体的な雰囲気で包みに来る感じの作品かも、年代的におじさん側の人間なので主人公とは違う目線で物語を思う。
#ソリティアおじさんがいた頃
#読了 pic.twitter.com/6dTpXT5jb9— オタさん(ちゅぱかぶら、ちゅぱさん) (@otahukusyokudou) May 12, 2026
楽しみにしてた文學界5月号「ソリティアおじさんがいた頃」語りも描写も終始魅力的でおもしろかった。読みながらもう会うことのないであろう色んな人が通り過ぎていった pic.twitter.com/OWf4fJppGT
— ふじつぼ (@famlsaiko) April 8, 2026
まとめ:「ソリティアおじさんがいた頃」は饒舌な語りが魅力の文体だった
いかがでしたか?「ソリティアおじさんがいた頃」の特徴を以下にまとめました。
・第175回芥川賞候補作(受賞予想はー【なし】)
・京都弁を交えた饒舌な語りが魅力
・主人公の心情の変化に注目
以上です。まだチェックしていない方は、ぜひ読んでみてください!
⇒・「ソリティアおじさんがいた頃」を購入したい人はこちらから
・「ソリティアおじさんがいた頃」が掲載されている『文學界』2026年5月号を購入したい人はこちらから


コメント