3分で分かる『人魚が逃げた』のあらすじ&ネタバレ解説・感想まとめ【本屋大賞候補作】

今回は『人魚が逃げた』について、あらすじや感想を紹介します。タイトルの意味や、伏線、各章の登場人物のつながり、表紙、などにも言及し、ラストシーンのネタバレ考察(解説)も行うので、ぜひ最後まで読んでみてください。

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【2025年本屋大賞候補作】青山美智子の小説『人魚が逃げた』とは

書名 人魚が逃げた
作者 青山美智子
出版社 PHP研究所
発売日 2024年11月14日
ページ数 240ページ

作者の青山美智子さんは、ハートウォーミングな作品を主に発表し続ける作家です。ここ最近の本屋大賞候補の常連作家としても知られており、『お探し物は図書室まで』『赤と青とエスキース』『月の立つ林で』『リカバリー・カバヒコ』に続けて、本作で5年連続の本屋大賞候補となりました。

『人魚が逃げた』は、銀座の歩行者天国に現れた王子の格好をした青年が「人魚が逃げた」という発言をきっかけに、その青年と出会った人たちに人生の転機が訪れるという物語。各章のつながりや伏線回収の仕方にも魅力のある作品です。

※『人魚が逃げた』は以下に当てはまる人におすすめ!
・銀座によく行く人
・ハートウォーミングな話を読みたい人
・2025年本屋大賞の候補となった話題作をチェックしたい人

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3分で分かる『人魚が逃げた』のあらすじ【※ネタバレなし※】

三月の最後の土曜日、正午12時を過ぎて歩行者天国となった銀座中央通りに現れたのは王子だった。ヨーロッパ貴族のような格好で頭に王冠を載せた青年は、テレビ中継のインタビューでマイクを向けられるとこう言った。

「僕の人魚が、いなくなってしまって……」
(中略)
「……逃げたんだ。この場所に」
(中略)
「タイムリミットは……五時まで」
引用:『人魚が逃げた』本文より

生放送のテレビを見た視聴者からSNSで話題になる。

時を同じくして、銀座へと訪れていた五人の男女。彼らは王子とある接点を持つことで、それぞれのターニングポイントを迎えることになり……。

『人魚が逃げた』のネタバレ解説&考察まとめ

ここからは『人魚が逃げた』の魅力を深掘りするために、タイトルの意味、作品の魅力、ラストシーンのネタバレ考察などを行います。

タイトル「人魚が逃げた」の意味とは

タイトルの「人魚が逃げた」は、あらすじでも紹介したように、銀座で王子を名乗る青年が発した言葉に由来しています。この人魚は一体誰のことを指すのか、そもそも人魚はいるのか、といったところが作品を詠み進める一つの鍵となるのです。

また、作中に度々登場するのが、誰もが知る童話『人魚姫』。しかし、物語をはっきりと知り、解釈している人は意外と少ないのかもしれません。本作でも人魚姫についての様々な解釈が入り込み、それが登場人物たちの考えや行動に影響を与えていきます。

『人魚が逃げた』に登場する名言5選!

『人魚が逃げた』には、生きる希望を与えてくれる名言がたくさん登場します。ここでいくつか抜粋してみましょう。

彼女に僕は物足りないんじゃないかなんて懸念しながら、実はその逆だったのかもしれない。僕が、足りないって思ってたんだ。もっともっと、彼女の「好き」が欲しくて。
引用:『人魚が逃げた』39ページより

自分に自信が無いときこそ、偽りの自分を出すのではなく、本当の自分をさらけ出すのが大事なのかもしれません。

「お母さんだって、作ってくれたじゃない」
(中略)
「毎日を、毎日作ってくれたよ」
(中略)
「私ね、お金とかじゃなくて、豊かさってこういうことなんだあって、子ども心にずっと思ってた。……お母さん、ありがとう」
引用:『人魚が逃げた』70,71ページより

日々の暮らしを懸命に支えてもらったからこそ、今があるのですね。

過去を否定し忘却しようとするのはよそうと、私は心に決めた。時をぜんぶ丸ごと受け入れ抱きしめることで、きっと今を生きていける。
引用:『人魚が逃げた』114ページより

人生経験を積んできたからこそ分かる矜持なのかもしれません。

俺が、なぜ小説を書かずにいられないのか。
(中略)
それは、読まれて始めて生命を灯す「小説」というものが、どこかの誰かによって必要な物語の、言葉の集結だからだ。
引用:『人魚が逃げた』155ページより

作者の青山美智子さん自身の言葉とも重なって聞こえてきます。

確かな自分を持つ。それは、臆病さを守るプロテクターを装備することじゃない。
防具を外したときに、ちゃんと立てることだった。
引用:『人魚が逃げた』210ページより

自立とは何かというテーマに対する一つの答えとなっているのではないでしょうか。

『人魚が逃げた』の各章のつながりや伏線に注目!

『人魚が逃げた』は各章で登場する人物や事象が、他の章にもリンクしてきます。

これは青山美智子さん王道の書き方とも言え、これまでの作品でも度々見受けられましたそんな青山さんの魅力を知っている読者ならば、「ここが伏線になりそうだな」とか「この人はまた登場しそうだな」と予想しながら読み進める楽しさも感じるでしょう。

ネタバレとなるので、詳しくは書きづらいですが、一つだけ。一章と五章で出てくる人物は特に大きなつながりがあります。五章を読んだあとに、また一章を読み返せば、きっと新たな発見や読み心地があるはずです。

『人魚が逃げた』の表紙は田中達也さんのミニチュア!

『人魚が逃げた』のかわいらしい表紙は、ミニチュア写真家・見立て作家の田中達也さんによるものです。細かい装飾が魅力の作家で、本作の表紙にもその技が存分に活かされていますね。表紙を表に向けてリビングに飾っていれば、おしゃれな雰囲気を演出しそうです。

ちなみに、そんな田中達也さんは本作のなかでも実際に登場します。いったい彼がどんな形で出てくるのか、そこを楽しみにして読んでみるのもいいでしょう。

『人魚が逃げた』のラストシーンのネタバレ考察!人魚の正体とは?

ここではラストシーンの内容について考察(解説)します。ネタバレとなるので、最後まで作品を読んだ人だけ以下をクリックして読んでみてください。

ネタバレしていいからラストシーンの考察を知りたい方はこちらをクリック!

【ラストシーンまでのおおまかなあらすじ】
五章に登場するホステス・紗奈のエピソードに王子が登場するため、話題となっている王子はこの人物だと思わされたことでしょう。しかし、これはミスリード

実は王子はおとぎ話から出てきた架空の人物だったのです。人魚が架空のものではなく、王子の方こそが架空の存在だったというオチでした。

人間が創作物に触れたとき、喜び、楽しむだけでなく、憤り、悲しむことも多々あるように。
そしてきっと、そこからそれぞれに、何かを学び取っていくのでしょう。
引用:『人魚が逃げた』210ページより

【考察】
最後に読者をいい意味で裏切る展開が待っているとはなかなか予想できませんでした。創作に触れる本質を突いており、ハッとさせられた人も多かったのではないでしょうか。

『人魚が逃げた』の感想やレビューまとめ

ここからはSNSやレビューサイトに寄せられた『人魚が逃げた』の感想をまとめました。

ここに出てくる主人公はみんな、一つひとつ取り上げると小さな事だけれども、丁寧に向き合っている
人たちで、そんな生き方に清々しさを感じる小説群でした。
引用:Amazon

まとめ:『人魚が逃げた』は創作の魅力が溢れる小説だった

いかがでしたか?『人魚が逃げた』の特徴を以下にまとめました。

・2025年本屋大賞候補作
・銀座に登場した王子と出会った人々の人生の転機を描く
・人魚とは誰なのかと考察しながら読み進めるのもおもしろい!

以上です。まだチェックしていない方は、ぜひ読んでみてください!

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