今回は『森に帰らなかったカラス』のあらすじや概要(ネタバレあり)をまとめたうえで、読書感想文の書き方について解説しています。小学校高学年の部の課題図書となった本作をぜひチェックしてみてください。
『森に帰らなかったカラス』(小学校高学年の部の課題図書)の内容とは
書名 | 森に帰らなかったカラス |
作者 | ジーン・ウィリス(著)
山﨑美紀(訳) |
出版社 | 徳間書店 |
発売日 | 2024年10月25日 |
ページ数 | 304ページ |
『森に帰らなかったカラス』は、ロンドン動物園の元飼育員による実話がもとになった小説です。人と動物とのふれあいがメインテーマですが、1959年当時の戦後の色合いが強く残っているのも特徴となっています。
※『森に帰らなかったカラス』は以下に当てはまる人におすすめ!
・読書感想文を書こうとしている小学生
・動物と人とのふれあいや命の大切さを感じる物語を読みたい人
・戦争がもたらす人々への影響に関心がある人
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『森に帰らなかったカラス』のあらすじ【※ネタバレなし※】
1957年、戦争の名残が感じられるロンドン郊外で過ごす11歳のミックは、つばさをケガしたニシコクマルガラスのヒナを連れ帰ってきた。ジャックと名づけたそのヒナは、両親や親友のケンとともに手当てや飛行訓練をするうちに、だんだんとなついてしまった。
そんなジャックとミックや地域の人とのエピソードを交えながら、父が抱えている戦争についての秘密も影を落としながら、物語は進んでいく…。
3分で分かる『森に帰らなかったカラス』の要約【※ネタバレあり※】
前章でネタバレなしのあらすじを紹介しましたが、ここでは本書の内容を要約したものを記載します。ネタバレが大丈夫な人だけ、下記をクリックして中身をチェックしてみてください。(※できるだけ自分の力で作品を全て読みましょう)
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ジャックは、ミックの両親が経営するパブに出入りするようになり、地域の人から馴染みの存在になっていく。それから町の人に誘拐(?)されかけたり、電車とともに失踪したりといったエピソードが起きるが、その度にジャックが戻ってきた安心感を抱く。
ジャックの姿は、戦争を経験した父の姿と度々重ねられる。野生のニシコクマルガラスが仲間を守ろうとするように、父も仲間みんなで戦った。ある日、ジャックは電車にぶつかって亡くなってしまう。ジャックの死についても、戦争の影が重ねられる場面が描かれた。
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『森に帰らなかったカラス』の読書感想文ガイド【例文つき】
本作は小学校高学年の部の課題図書に選出されていますが、小学生にとっては本作の舞台設定は戦後のロンドンということでイメージしにくく、感想文もやや書きにくいといえます。そこで、今回はちょっとしたコツを解説しましょう。
そもそも読書感想文で大事なのは、テーマを要約するだけでなく、読んでどう感じたかを自分の言葉で書くことです。また、構成を以下のようにすると、流れが決まって書きやすいでしょう。
起:なぜこの本を手に取ったかを書く
承:作品の簡単な要約や、印象に残った場面について記す
転:具体的な場面や登場人物の心理・行動について、気づいたこと・感じたことを書く
結:読む前と読んだ後の自分の考え方の変化をまとめる
この流れに沿って、解説していきます(作品全体の要約は、先に書いているので割愛します)。
なぜこの本を手に取ったかを書く
まずは本作を手に取ったきっかけや理由について書きましょう。
・タイトルや表紙から受けた印象
・Amazonの作品ページや本の帯に書かれた紹介文で気になった点
・先生や友人からの口コミ
などをふまえて、書くとよいです。
以下、いくつか例を提示します。起の部分を例文で紹介し、その場合の以降の流れについてもざっと説明しましょう。
・自分も野生の動物を持ち帰りたいと思ったことがあった
【例文】
本作は、野生のニシコクマルガラスのヒナを持ち帰ったことから始まる物語だと知り、興味を抱きました。なぜなら、ぼくも数ヶ月前に傷ついたのらねこを見つけて、連れて帰りたいと思ったからです。
→承:ニシコクマルガラスのヒナを持ち帰った後に、どうなったか?
転:ジャックがなついたことで楽しそうだと感じた点、逆に辛そうだと感じた点などを書く
結:本作を読んでも、野生の動物を連れて帰りたいと思ったか?そうでもなくなったか?をまとめる
・人間と動物が交流する物語を読みたかった
【例文】
本作を読む前は、カラスというと、町のきらわれものといったイメージがありました。しかし、表紙に書かれたカラスは全身真っ黒ではないところから見ても、好印象を抱くようなものでした。きっと今までにないカラスと人との交流が書かれているに違いないと察して、ページをめくってみました。
→承:ニシコクマルガラスとカラスの違いは?どうやって村の人から愛される存在になったのか?
転:失踪事件や誘拐事件などの具体的なエピソードから感じたこと
結:カラスへの印象は変わったか?動物と積極的に交流したいと思ったか?
・戦争についての話を知りたかった
【例文】
レビューサイトの簡単な紹介文を読むと、「父親の兵士時代の心の傷」が描かれていると知りました。ぼくは以前から戦争の悲しさについて知っておかないといけないと思っていましたが、重苦しい話が苦手でさけているところがありました。しかし本作はあくまでカラスと人との話がメインだと思ったので、まだ読めそうかなと思って手に取りました。
→承:父は戦争でどんな経験をしたか?負った傷とは何だったのか?
転:ジャックの話と戦争の共通点は何か?戦争が人々の暮らしに与えた影響をどうとらえたか?
結:戦争について新しく知ったこと。今後、戦争が起きないようにするためには?
森に帰らなかったカラスの行動や、ミックの気持ちを読み解く
上記の起の部分をふまえ、以降の文章を書いていきます。一つ例を示しましょう。
・森に帰らなかったカラスの行動について
【例文】
(承)ミックやその両親がジャックの手当をする内に、ジャックへの愛情がだんだん芽生えたのでしょう。それはジャックの方もそうだったのです。なついたことで公園で放っても、ミックの経営するパブに戻ってくるようになりました。(転)村の人の癒しのような存在になったのでハッピーな話としても読めますが、必ずしもそうではないかもしれません。それはジャックが最後に電車に衝突して亡くなったシーンを読んで感じました。人の生活圏に近づき過ぎたために起こった悲劇だと感じました。
(結)野生の動物の場合はやはり人が勝手に慣れさせようとしてはいけないんだと思います。もともとペットとして飼う目的で販売されている動物を飼うべきだし、そうして育てたペットをちゃんと世話することが人の役目ではないでしょうか。
戦争が落とす暗い影について考える
本作の重要なテーマの一つ・戦争についても触れておきましょう。こちらは書く上でのヒントのようなものを示します。
・何が英雄なのか?
→父は逃げた、しかしそれが正しい決断だったのではないか?
【解説】戦争は誤ったヒーロー像を作り出すものではないでしょうか。序盤でミックは父が戦から逃げた臆病者だと誤解しているような記述があります。しかし後半では父の行動や当時の心理状態を知り、考えを改めるのです。
このあたりのミックの心境の変化を読み解き、そのうえで戦争がもたらす悪い部分に踏み込んで書いてみましょう。
・ジャックとの交流と、戦争の共通点は?
→生きる尊さを見つめ直す良いきっかけになったのではないか? など
【解説】本作ではところどころジャックとの交流と、戦争の話を重ねて描いている部分があります。そのシーンについて抜き出し、自分が感じたことを書きましょう。例として、戦争では命が軽視されがちだが、ジャックとの温かな交流のなかで命の尊さを村の人たちが感じるようになったのではないかというところに言及してみる、などです。
参考にしたい『森に帰らなかったカラス』の感想・口コミ評価まとめ
ここでは本作のレビューサイトなどに寄せられた感想や口コミをいくつか紹介します。感想文を書く上での何かしらのヒントになるかもしれません。
短い物語のなかで、ミックが命に対してどう思い、また、自分以外の立場への考えが「自分軸」から抜け出して客観性を持つところまで 描き出されている。 また、家族が(父親が)戦争にどうかかわっていたのかを知ることでミックの気持ちが変化するところは圧巻だ。
引用:読書メーター
ロンドン動物園の元主任飼育員の少年時代の実話というのが驚きなくらい、ドラマチックで感動的な良い話。カラスと少年の触れ合いだけではなく、父親の兵士時代の物語を織り込むことで深みがでた。後半は涙腺崩壊。
引用:読書メーター
人間と動物との間にエピソードは多く、一つとして同じものはなく、各々の作品で愛が育まれている。特に鳥は知能が高く本能を超え、憧れの存在である。交わせない言葉が結びつき、心通わせることで少年たちを豊かにしていく。
引用:読書メーター
まとめ:『森に帰らなかったカラス』は、人に飼い慣らされたカラスとの交流がテーマの児童文学だった
いかがでしたか?『森に帰らなかったカラス』の特徴を以下にまとめました。
・2025年における読書感想文の課題図書(小学校高学年の部)
・ジャックとミックや村の人との交流に心温まる
・戦争が人々の暮らしに与えた影響を考えさせられる
以上です。まだチェックしていない方は、ぜひ読んでみてください!
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