3分で分かる「DTOPIA」(デートピア)のあらすじ&ネタバレ解説・感想まとめ【第172回芥川賞受賞作】

今回は安堂ホセさんの小説「DTOPIA」(デートピア)を取り上げます。芥川賞を受賞した本作のあらすじや感想を紹介し、さらにタイトルの意味や作品の魅力、ラストシーンのネタバレ考察(解説)も行います。

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【第172回芥川賞受賞作】安堂ホセの小説「DTOPIA」(デートピア)とは

書名 DTOPIA(デートピア)
作者 安堂ホセ
出版社 河出書房新社
発売日 2024年11月1日
ページ数 160ページ
初出 『文藝』2024年秋季号

作者の安堂ホセさんは、「ジャクソンひとり」で文藝賞を受賞し、デビュー。デビュー作がいきなり芥川賞の候補となり、二作目の「迷彩色の男」も続けて芥川賞候補に選出されました。そして、本作「DTOPIA」で三度目のノミネートとなり、見事に芥川賞を受賞しました。

「DTOPIA」は南の島、ボラ・ボラ島で開催された恋愛リアリティーショーが主な舞台。そこに参加した男性・井矢汽水をおまえと呼ぶ語り手のモモが登場し、汽水とモモとの間にあった過去のある出来事を交えて、物語は進んでいきます。

※「DTOPIA」は以下に当てはまる人におすすめ!
・恋愛リアリティーショーに興味がある人
・人種や性別の問題に関心がある人
・第172回芥川賞を受賞した話題作をチェックしたい人

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3分で分かる「DTOPIA」のあらすじ【※ネタバレなし※】

南の島、ボラ・ボラ島で開催される恋愛リアリティーショー「DTOPIA(デートピア)」。一人の白人女性・ミスユニバースを巡って十人が競いあう恋愛ゲームだ。Mr.L.A.、Mr.ロンドンなどの世界から集められた男たち十人の中に、おまえ・井矢汽水(いやきすい)がいた。

ショーはミスユニバースがある提案を持ちかけたことで、初日から荒れ始める。さらに、事件が起き、いよいよ正式に壊れ始めたなか、ミスユニバースの「ここには黒人が一人もいない」という発言を受け、急きょさまざまな人種の女性が集められた。

そうして私・モモは、ボラ・ボラに到着した。実はモモは井矢汽水ともともと繋がりのある人物だった。モモと井矢汽水にあった過去とは? それを知ると、「DTOPIA」はまた複雑な様相を見せることになる……。

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「DTOPIA」のネタバレ解説&考察まとめ

ここからは「DTOPIA」の魅力を深掘りするために、タイトルの意味、作品の魅力、ラストシーンのネタバレ考察などを行います。

タイトル「DTOPIA」(デートピア)の意味とは

タイトルの「DTOPIA(デートピア)」とは、あらすじでも書いたように、ボラ・ボラ島で開催される恋愛リアリティーショーのことを指しています。作中人物の井矢汽水が参加しているゲームです。

しかし、そもそもなぜこの名称が採用されているのでしょうか。作者がタイトルに込めた思いをXで投稿しています。

デートとユートピアを組み合わせた造語なんですね。ただ、作者が「リラックスしたいな~」と言っているわりに、本作は緊張感がある作風となっているように感じるのは、筆者だけでしょうか。中盤からの予想外の展開に注目です。

作者が一貫して描いてきたブラックミックスやトランスジェンダー

本作では恋愛ゲーム中盤にミスユニバースが「ここには黒人が一人もいない」と発言したことで、さまざまな人種が集まる展開になります。さらに、語り手の<私>ことモモは、もともと少年であったことも明らかになり、睾丸を切除したのが井矢汽水だったことも明かされます。

さらに井矢汽水が成長するなかで、「無国子女」と呼ばれる子たちの存在も出てきます。ネタバレになるので詳しくは書きませんが、ここには作者の安堂ホセさんが、デビュー以降一貫して描いてきた「ブラックミックス」や「トランスジェンダー」などのテーマが反映されています。

とはいえ、作者の明確な主張が描かれているというよりかは、読者一人ひとりの読み方・捉え方によって受け取り方が変わるような、複雑な書き方となっています。中盤は恋愛ゲームはどこにいったんだ?というような意外な展開となるので、そのあたりもぜひ楽しみにして読み進めてみてください。

ラストシーンのネタバレ考察

ここでは本作のラストシーンの内容を踏まえて、筆者なりに考察してみます。ネタバレとなるので、最後まで読んだ人だけ以下をクリックして読んでみてください。

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まず、恋愛ゲームの結果については、本作の序盤~中盤あたりで簡単に明かされます。最後に井矢汽水が選ばれるという結末です。では、ここまでどういう過程があったのかと気になるところですが、中盤では恋愛ゲームの模様以上に、井矢汽水の半生が語られます。

ラストで描かれるのは、恋愛ゲームの中盤の場面。ミスユニバースと浮気をした使用人のマルセルが井矢汽水と会話するところです。マルセルはかつて核実験が行われていた際、デート兵と呼ばれる白人の青年たちが、本国の子でも植民地の子でもない、両方の子を残すために、現地の女性を妊娠させていた事実を語ります。

その結果、ミックスの子たちは態度がまず可愛いと言います。

ミックスの子供って、必ず両方の気持ちの間で揺れ動きながら、結局どちらのことも崩壊させずに架け橋になることを期待されるだろ
(中略)
だから、可愛く振る舞うことがものすごく得意になってるよ
引用:「DTOPIA」本文より

このやりとりにミスユニバースが交じり、その後、作品は以下のように締め括られます。

十一人とも島から帰って、やったことの意味だけが変動し続ける。私たち視聴者によって
引用:「DTOPIA」本文より

【考察】
最後にミスユニバースが交じって、マルセルとの会話を聞いたことが、井矢汽水のことを認めたきっかけになったのではないかと、ほのめかしているように感じます。

最後の視聴者によって、という部分は、視聴者が恋愛ゲームを独自に追跡して編集できる仕組みのことを踏まえて語っているのでしょう。転じて、この作品自体も、読者によって自由に解釈、編集できる話だと主張しているのかもしれません。

「DTOPIA」を読んでみた感想

ここからは「DTOPIA」を読んでみた感想を書いていきます。また読者のレビューも合わせてまとめました。

【筆者の感想】エンタメの中に深いテーマを入れ込むのが凄い!

安堂ホセさんの作品はこれまで三作読んできたのですが、いずれもまず読みたいと思わせる設定が面白いんですよね。デビュー作の「ジャクソンひとり」は登場人物がブラックミックスであることを活かした復讐劇で痛快な気持ちにさせられました。

今作も恋愛リアリティーショーがテーマということで、若い人から興味関心を持たれるテーマだと思います。序盤から狂った展開でどうなるか気になるというところで、中盤からかなりの方針転換。しかし、そこで作者の主張したかったであろう複雑な人物描写が展開されていきます。

こういったエンタメ的な要素を出しつつ、そこに純文学的な要素を入れ込むのがうまいなと思います。途中から自分は何を読んでいたんだっけと思わされそうになりつつも、どんどん引き込んでいくような描き方は、他の人にはなかなか真似できない才能でしょう。

【みんなの感想や評価】世界文学に匹敵する完成度の高さ

ここからは作家が寄せたコメントや、読者のレビュー、感想などをいくつか紹介します。

まとめ:「DTOPIA」は恋愛ゲームの話と思わせつつ、人種や性別がテーマの深い作品だった

いかがでしたか?「DTOPIA」の特徴を以下にまとめました。

・第172回芥川賞受賞作
・恋愛ゲームの意外な展開が面白い!
・人種や性別について深く考えさせられる

以上です。まだチェックしていない方は、ぜひ読んでみてください!

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