今回は『#台所のあるところ』(著:原田ひ香)のあらすじや感想を紹介。登場人物の相関図や、ラストシーンのネタバレ考察(解説)、読者の口コミレビュー、映画化やドラマ化の可能性についても、まとめました。
【第175回直木賞候補作】原田ひ香の小説『#台所のあるところ』とは
| 書名 | #台所のあるところ |
| 作者 | 原田ひ香 |
| 出版社 | 文藝春秋 |
| 発売日 | 2026年5月13日 |
| ページ数 | 304ページ |
作者の原田ひ香さんは、NHKでドラマ化されたベストセラー『三千円の使いかた』をはじめ、ヒット作を多く発表している作家です。
『#台所のあるところ』(文藝春秋)の重版出来を送っていただきました!
帯も変わりました🥹ひゃー😵 pic.twitter.com/BwDkuD1Kpy
— 原田ひ香 (@hika_harada) June 21, 2026
『#台所のあるところ』は、台所をテーマにした6人の女性を巡る物語です。世代も境遇も異なる女性たちを作中ドラマ「台所のあるところ」が繋いでいます。本作は第175回直木賞の候補作に選出されました。
※『#台所のあるところ』は以下に当てはまる人におすすめ!
・おいしそうな料理の描写が好きな人
・ドラマを見て感想をSNSに投稿するのが好きな人
・第175回直木賞の候補となった話題作をチェックしたい人
・『#台所のあるところ』を購入したい人はこちらから
3分で分かる『#台所のあるところ』のあらすじ【※ネタバレなし※】
『#台所のあるところ』は、台所をテーマとした6つの短編からなる物語です。各章について、簡単なあらすじを紹介しましょう。
ままならないキッチン、ままならない人生
飯森敦子は、二人の子が育ち、夫も海外ボランティアに出て行ったため、広い家に一人で暮らしている。冷凍庫が壊れて、冷蔵庫の買い替えを考えているが、なかなか決められない。
半殺し
村松陽愛乃は、やたらとコスパやタイパを重視し、ややモラハラ気味の彼氏と同棲生活を続けている。将来に不安を感じる中、年末に祖母の家を訪れることになって……。
冷凍庫冷蔵庫合わせて五台
鈴木寿子は、結婚を機に、奇妙な風習が残る島へと移住した。十年前に亡くなった夫から聞かされていた島の風習に、現在も翻弄され続ける寿子の運命は?
毎日、揚げもの
高木花絵は、訪問介護の仕事をしながら、四人の子を育てているシングルマザーだ。台所にはいつも中華鍋が鎮座していて、揚げものばかりの日々を送るのだが……。
犬のご飯、私のご飯
海原多美は、新聞配達員をしながら、保護犬三匹と暮らしている。いつも朝に家の前で新聞を待っている老人・飯倉の姿を最近見ていないことに気づき……。
鎌倉の家
みなみまどかは、鎌倉にある広い一軒家の持ち主だ。家の前に立っていた老女に声を掛け、家の中に招いた。
『#台所のあるところ』の主な登場人物まとめ
『#台所のあるところ』の主な登場人物についてまとめました。ネタバレにならない程度にまとめています。
ままならないキッチン、ままならない人生
・飯森敦子:主人公。五十五歳。一人広い家に残され、冷蔵庫の買い替えを検討中。
・尚喜:敦子の夫。定年退職後に、ボランティア活動のためにアフリカへ行った。
・悠華:敦子の長女。一人暮らしがしたくて、一年前に実家を出た。
・尚人:敦子の長男。就職して数年後に実家を出た。
半殺し
・村松陽愛乃:主人公。二十七歳。恵比寿の1LDKのマンションで彼氏と同棲している。
・中原蓮:陽愛乃の同棲相手。やたらとコスパやタイパを重視する。
・田中和夫:ファイナンシャルプランナー。陽愛乃の相談を受ける。
・陽愛乃の祖母:陽愛乃が年末に訪れ、半殺し(餅)を作ってもらう。
冷凍庫冷蔵庫合わせて五台
・鈴木寿子:主人公。六十五歳。夫との結婚を機に、東京から島へと移住してきた。
・千寿子:寿子におやき作りを教えてくれた。
・信頼:寿子の夫。十年前に癌で亡くなった。
・茶飲みで集まる主婦たち(恵子・亜希子・昭子・高子・須磨子)
毎日、揚げもの
・高木花絵:主人公。四十八歳。訪問介護で働きながら四人の子を育てるシングルマザー。
・遥花:花絵の長女。高校二年生でもうすぐ受験を控える。
・優花&桃花:次女の双子。中学生。
・圭太朗:末っ子。小学四年生。不登校気味になっている。
犬のご飯、私のご飯
・海原多美:主人公。四十一歳。新聞配達員をしながら、保護犬三匹と暮らす。
・飯倉:裕福な老人。毎朝、家の前で新聞を待っている。
・隆史:飯倉の息子。
鎌倉の家
・みなみまどか:主人公。鎌倉にある大きな一軒家の持ち主。
・鎌倉の一軒家を見に来た謎の老女
【番外編】作中ドラマ「台所のあるところ」の主な登場人物と相関図
本作には作中作として、深夜に放送されている30分のBSドラマ「台所のあるところ」が挟まれています。こちらの登場人物についてもまとめ、相関図も提示します。
・三浦瑠奈(演・高杉玲奈):大学生。二十歳。二歳の時に母が出て行って以来、智子と同居している。
・遠藤智子(演・高橋翠):市役所の生活安全課で働く。
・吉田優太郎(演・田口幸太):久々に智子と再会する。
・麻美(演・小田栖):瑠奈の母で、智子の幼馴染。
・翔太(演・柿谷隆一):瑠奈の彼氏。

『#台所のあるところ』のネタバレ解説&考察まとめ
ここからは『#台所のあるところ』の魅力を深掘りするために、タイトルの意味、作品の魅力、ラストシーンのネタバレ考察などを行います。
タイトル「#台所のあるところ」の意味とは?
タイトルの冒頭にある「#(ハッシュタグ)」は、ドラマの感想をSNSに投稿する際につけるマークを指しています。本作は、立場も境遇も異なる女性たちが、作中ドラマ「台所のあるところ」の感想を共有して繋がっています。
ドラマを見ながら感想をリアルタイムでSNSにつぶやいたことがある人なら、共感できる部分が多いのではないでしょうか。
『#台所のあるところ』のラストシーンをネタバレ考察(解説)!
『#台所のあるところ』の結末部分について、考察(解説)していきましょう。ネタバレとなるので、大丈夫な人だけ以下をクリックして読んでみてください。
ネタバレしていいからラストシーンの考察を知りたい方はこちらをクリック!
【結末のおさらい】
最後に収録された「鎌倉の家」で、鎌倉にある一軒家の前に立っていたのは鈴木寿子でした。寿子が移住した島には名字が「内藤」と「鈴木」しかおらず、両者の間に確執があったのです。
千寿子は実は内藤性の女性で、垣根を超えて優しく接してくれる人もいましたが、結局は古いしきたりが依然として残る島に窮屈さを感じ、島を出たのでした。最後は、鎌倉の一軒家に居候させてもらうことになりました。
なお、この一軒家は、作中ドラマの「台所のあるところ」に外観が使われた家です。聖地巡礼のような形でやってくる人もいます。家の持ち主のみなみまどかは脚本家で、このドラマには原案で関わっていました。
また「鎌倉の家」では、それまでに描かれた各短編の後日談が挟まれます。それぞれの女性が、新たな出発を迎える姿が描かれました。
【考察】
境遇は異なりますが、恋や子育てなどにより、何かを諦めかけていた女性が、料理を通じて再生するというのが、大きなテーマとして共通しているように思えます。最後のみなみまどかは脚本ではなく、実は原案で関わっていただけというのも意外な終わり方で良かったです。
『#台所のあるところ』はドラマ化・映画化される?
これまで『三千円の使いかた』がドラマ化された原田ひ香さんの作品ですが、本作はドラマをテーマにしていることもあり、映像化を期待したいですね。
映像化するなら、映画だと収められないと思うので、おそらくNHKやNHK BSあたりで短い連続ドラマとして放送されるのではないでしょうか。
ただし、「冷凍庫冷蔵庫合わせて五台」は奇妙な味わいがある作品で、これだけ「世にも奇妙な物語」として放送される可能性もありそうです。
キャストを予想してみました。
・飯森敦子:永作博美
・村松陽愛乃:堀田真由
・鈴木寿子:宮崎美子
・高木花絵:青木さやか
・海原多美:木南晴夏
以上です。皆さんはどんな俳優をイメージしますか?
『#台所のあるところ』を読んでみた感想
ここからは『#台所のあるところ』を読んでみた感想を書いていきます。また読者のレビューも合わせてまとめました。
【筆者の感想】料理が一つひとつおいしそう!
台所をテーマにしているだけあって、料理が一つひとつおいしそうに思えるのが良いです。どれも丁寧に作っている感じが伝わってきます。「半殺し」にいろんな食べ方のバリエーションがあるのも初めて知りました。
ドラマの考察や感想を見るのが好きなので、同じことを考えている人がいたら共感してほっこりしたり、他の人が書いていないことを探して投稿してみようとしたりといった、ところもすごく分かるなーと思って読んでいました。
直木賞の受賞作としては、もう少し作品に奥行きが欲しいと言われて、受賞とまではないかなと思いますが、現時点でまだ一作しか読んでいないので、全候補作読んだうえで改めて予想してみます。
受賞予想:ー(なし)
(全候補作を読み終えた段階でもう一度予想してみます)
【みんなの感想や評価】作中ドラマも含めておもしろい
続いて読者がSNSやレビューサイトに投稿した感想や口コミをいくつか紹介します。
『#台所のあるところ』読了しました。
原田ひ香さんらしい世代も境遇もそれぞれ異なる6人の女性たちの悩みや行く先を、それぞれの台所や食卓を主題において描いていて、作者推しの方は安心して読める、ほろ苦さもありつつ、ほんのり救いのある物語でした。 pic.twitter.com/1kNMxifXEm— ビブリオサポートいずみ (@y03d50zJkmGTLKo) June 29, 2026
台所に因んだ5人の女性の悲喜こもごも。とても生活感があるのに全体的にふわっとしてる感じ。作中ドラマも含めると一粒で二度美味しい。 読んで初めて、台所のあるところに # がついてる意味がわかった😊 Twitter住民歳では親近感湧いた。 pic.twitter.com/DdeTCWfBRI
— Eriko Sakaki (@erikohanako) June 22, 2026
それぞれのおうちの様子を俯瞰して見ている感じで面白い。それに加え、台所のあるところというドラマのストーリーが少しずつ進んでいくので、そこも気になりながらどんどん読んでしまいます。
引用:Amazon
2026年60冊目読了#台所のあるところ
連作短編集。一話を読んだ時は、ほんわかとしたお話なのかなー、と思ったら。その先はほんわかと、毒っ気というかヒリって感じもあってよかった。
鈴木と内藤の話が…なんとも後味が悪い気味悪さがあって、全体が引き締まるよねー。 pic.twitter.com/vXOJWVxfcT— おしず_読書垢 (@Osizu_Book) July 1, 2026
まとめ:『#台所のあるところ』は台所をテーマに境遇の異なる女性の姿を描いた物語だった
いかがでしたか? 『#台所のあるところ』の特徴を以下にまとめました。
・第175回直木賞候補作(受賞予想はー:なし)
・台所をテーマに立場も境遇も異なる女性たちの姿を描いた物語
・作中ドラマ「台所のあるところ」もおもしろい
以上です。まだチェックしていない方は、ぜひ読んでみてください!
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