3分で分かる『ブレイクショットの軌跡』のあらすじ&ネタバレ解説・感想まとめ【第173回直木賞候補作】

今回は『ブレイクショットの軌跡』のあらすじや感想を紹介。逢坂冬馬さんが書いた本作について、タイトルの意味やラストシーンのネタバレ考察(解説)、映画化やドラマ化の可能性、直木賞の受賞予想などをまとめました。ぜひ最後まで読んでみてください。

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【第173回直木賞候補作】逢坂冬馬の小説『ブレイクショットの軌跡』とは

書名 ブレイクショットの軌跡
作者 逢坂冬馬
出版社 早川書房
発売日 2025年3月12日
ページ数 584ページ

作者の逢坂冬馬さんは、デビュー作『同志少女よ、敵を撃て』が2022年の本屋大賞を受賞した作家です。2作目の『歌われなかった海賊へ』を経て、発表された本作『ブレイクショットの軌跡』は第173回直木賞候補作に選出されました。

『ブレイクショットの軌跡』は、ブレイクショットと呼ばれる1台のSUVを通じて、さまざまな人に変化が訪れるという小説です。8つの物語で構成されており、マネーゲーム、特殊詐欺、LGBT、親子愛、友情、紛争などさまざまなテーマが集約されています。

※『ブレイクショットの軌跡』は以下に当てはまる人におすすめ!
・本屋大賞受賞作『同志少女よ、敵を撃て』が好きだった人
・構成が優れた読み応えのある小説を読みたい人
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3分で分かる『ブレイクショットの軌跡』のあらすじ【※ネタバレなし※】

ブレイクショットと呼ばれる1台のSUV車を巡る、人々の物語。マネーゲームの世界に身を置く霧山冬至、板金工の職人で実直な性格の後藤友彦、不動産営業で業績を上げようと躍起になっている十村稔など、それぞれの人生に大きな影響を与えていく。

なかでも冬至の息子・修悟と、友彦の息子・晴斗は、お互いに住む環境は違えど、どちらもサッカーに夢中で打ち解けていた。しかし、どちらも父親に思わぬ事態が訪れ、二人の運命が変わっていく……。

『ブレイクショットの軌跡』の主な登場人物まとめ

『ブレイクショットの軌跡』の主な登場人物についてまとめました。

【プロローグ・エピローグ】
本田昴:自動車期間工。常にTwitterのことを考えている。期間最終日に同僚がボルトを落とすミスを見つけるも、すぐに言い出せずにいた
・鈴木世玲奈:昴の交際相手
・幻龍:ラッパー

【アフリカのホワイトハウス】
エルヴェ:貧しい家庭に生まれ、家族から兵士へと差し出された少年兵。中央アフリカで外部ゲストの護衛を務める
・フェリックス:エルヴェの相棒のような役割を務めるアフリカ兵士。通訳もできる
・ジェイク・ウィルソン:ゲストとして来るも、置き去りにされた少年

【日本】
霧山冬至:ファンドグループ「ラビリンス」の副社長。タワーマンションで暮らす。
・宮苑秀直:ラビリンスの社長。冬至とは大学時代からの友人
・深見大地:ラビリンスのメンバーだが、覚醒剤使用が明らかになる

・霧山香織:冬至の妻
霧山修悟:冬至の息子。サッカーに打ち込み、後にプロを夢見るようになるが、父には反対される

後藤晴斗:修悟が慕う頭脳明晰な人物。サッカーが好きで、修悟にスキルを教える
後藤友彦:板金工の職人。実直な性格をしている
・後藤絵美:友彦の妻

・中邑翔:友彦の後輩の職人。友彦のことを慕っている
・須藤幹也:修悟や晴斗が所属するユースチームの司令塔

十村稔:松代不動産の営業職。業績をあげるために躍起になっている
・松代拓也:松代不動産創業者の長男。東京支社長を務める

志気和馬:「カズ塾長」の名義で主に経済学にまつわるYouTube動画をあげる
・古川:志気の高校時代のクラスメイト
門崎亜子:真田の上司として紹介された女性
・真田城生:運輸にかかわる企業の課長

・大内充・羽奈:夫婦でバー経営が夢
・コーナー・ウィルソン:アメリカNFLの元スター選手

『ブレイクショットの軌跡』のネタバレ解説&考察まとめ

ここからは『ブレイクショットの軌跡』の魅力を深掘りするために、タイトルの意味、作品の魅力、ラストシーンのネタバレ考察などを行います。

タイトル「ブレイクショットの軌跡」の意味とは?

ブレイクショットには大きく2つの意味があります。

一つ目は本書に登場するSUV車の車種名。プロローグでは自動車期間工がブレイクショットにボルトが落ちる不備を見つけるも、なかなか上司に言い出せないというシーンが描かれます。また、1章以降の物語も1台のブレイクショットが関係する人々の話が繋がっていくという構成です。

二つ目はビリヤードのナインボールにおける最初のショットのことを指します。これは実在する言葉です。作中にナインボールを行うシーンも挿入され、それも物語で重要な役割を果たします。読み進めるなかで、どういった意味か考えながら読むと、作品のおもしろさがより感じられるでしょう。

『ブレイクショットの軌跡』のラストシーンをネタバレ考察!

ここでは、『ブレイクショットの軌跡』のラストシーンについて考察した内容を記します。ネタバレとなるので、本書を最後まで読んだ人だけチェックしてみてください。

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【結末までのおおまかなあらすじ要約】
サッカーの実力を認められ、プロを目指そうとする霧山修悟だが、そんな矢先に父の冬至の会社が訴えられてしまう。父は息子がプロサッカー選手を目指すのに反対し、全く取り合ってくれない。

そんな彼のことを応援すると名乗り出たのが、修悟が慕う先輩の後藤晴斗だ。しかし晴斗の父・友彦がブレイクショットで運転中にボルトが原因の事故に遭い、晴斗は父の看病を余儀なくされる。

それでもどうにか修悟を支援しようとする晴斗。次第に特殊詐欺グループの一員・志気和馬に利用されることになる。自分がやっていることに気づいた晴斗は、志気と対峙した。

危機を乗り越えた最後には、プロになった修悟と交際していることや、世間にも自分が特殊詐欺に加担していたことを堂々と公表する。幼い頃から自分の信条を貫いてきた晴斗に救いが訪れる。

また、プロローグでは本田昴が同僚のミスを指摘できず、それが結局負のスパイラルを巻き起こす元凶になったような描かれ方をするが、エピローグで昴はしっかりミスを報告していたと明かされる。

さらに、昴の恋人の鈴木世玲奈=門崎亜子だということも判明する。LGBTの活動もうまくいっているようだと分かり、物語は全体的にハッピーエンドとなった。

【考察】
全体の構成がうまいと感じた。途中まではボルトのミスがどんどん負の連鎖を生み出しているかのように描かれているが、それぞれ再起していく。しかもそもそもミスはしっかり指摘してあり、改善されたことがラストで明かされる。

全体的に人の善良さを信じて書かれた作品だと分かり、心温かい気持ちで終えられるのがよかった。いくつかの重層的な物語や、多様なテーマをしっかりと昇華しているのが、やはりうまいなとただただ感心させられた。

『ブレイクショットの軌跡』は映画化・ドラマ化される?

本作は特に特殊詐欺のシーンに緊迫感があり、映像化しても盛り上がりそうな展開の作品です。映画化やドラマ化も期待されますね。ドラマだとTBSの日曜劇場が合いそうです。

本記事執筆時にはまだ映像化の話はありませんが、もし映画化された場合はまた更新したいと思います。

『ブレイクショットの軌跡』を読んでみた感想

ここからは『ブレイクショットの軌跡』を読んでみた感想を書いていきます。また読者のレビューも合わせてまとめました。

【筆者の感想】読み応えのある作品

読みながら、途中で子どもたちの置かれた境遇が辛すぎて、読むのも苦しかったですが、最後は救いがある描かれ方がしてあって良かったです。善良な人間が最後まで自分の流儀を突き通したことで、報われたというところにすかっとした気分になりました。

多様なテーマをこれでもかと詰め込んでいて、それをうまく昇華していると感じました。ただ、直木賞の選考会では詰め込み過ぎで、どれも中途半端になっていると否定的な意見が出るかもしれません。

そのあたりがどう評価されるかですが、相対的な評価も考えて、受賞予想は◯(対抗)としておきます。

受賞予想:◯(対抗)
(全候補作を読み終えた段階でもう一度予想してみます)

【みんなの感想や評価】〜〜

格差社会の落とし穴が生々しく描かれていて、背筋が寒くなる。
もちろん、著者はこうした詐欺グループの思想に対し、主人公たちの生き方として、「善良に生きること」、「ルールの中で正々堂々と戦いながら勝利をめざすこと」を対置している。
引用:Amazon

まとめ:『ブレイクショットの軌跡』は多様なテーマが詰まった長編小説だった

いかがでしたか?『ブレイクショットの軌跡』の特徴を以下にまとめました。

・第173回直木賞候補作(受賞予想は◯:対抗)
・1台のブレイクショットを巡る人間模様がおもしろい
・多様なテーマと向き合った読み応えのある作品

以上です。まだチェックしていない方は、ぜひ読んでみてください!

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