3分で分かる『アルプス席の母』のあらすじ&ネタバレ解説・感想まとめ【本屋大賞候補作】

今回は『アルプス席の母』のあらすじや感想を紹介。実話かどうか、モデル高校はあるのか、裏金の事実はあるのか、といった点の考察や、ラストシーンのネタバレ解説、映画化・ドラマ化の可能性についても言及します。

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【2025年本屋大賞候補作】早見和真の小説『アルプス席の母』とは

書名 アルプス席の母
作者 早見和真
出版社 講談社
発売日 2024年3月15日
ページ数 354ページ

作者の早見和真さんは、高校野球を題材にした小説『ひゃくはち』でデビューした作家です。これまで『笑うマトリョーシカ』や『95』などの映像化された原作をはじめ、さまざまな小説を発表してきました。

本作『アルプス席の母』は、高校球児の母の視点から息子との成長を描いた物語です。主人公の秋山菜々子は、新天地・大阪での慣れない暮らしや、父母会でのいざこざなどを乗り越えて、息子とともに甲子園出場を目指していきます。

※『アルプス席の母』は以下に当てはまる人におすすめ!
・高校野球が好きな人
・子育て中の親
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3分で分かる『アルプス席の母』のあらすじ【※ネタバレなし※】

阪神甲子園球場の一塁側アルプス席。伝令を伝えに言った息子・航太郎の姿に腹の底から強い衝動を覚えた母・秋山菜々子は、亡き夫の遺影を掲げて息子の名前を大声で叫んだ。大歓声にその声は打ち消されるが、たしかに息子と目が合った気がした……。

思い出すのは、航太郎の中学時代。夫を亡くしてから、菜々子は看護師をしながら女手一つで息子を育ててきた。神奈川県のシニアリーグでエースピッチャーとして活躍していた航太郎は、大阪の強豪校・山藤学園への進学を志す。

しかし、山藤から自分が求められていないのを悟った航太郎は、大阪にある新興校・希望学園へ入ることとなった。入寮する息子とともに、借家を借りて大阪で暮らすことを決めた菜々子。そこからの生活は苦難の連続だった。

慣れない大阪での暮らし、野球部の父母会でのしがらみ、ピッチャーの重圧を背負った息子の苦悩。菜々子はそれらの課題を乗り越え、息子とともに山藤学園を倒して、甲子園に出場することを夢見るが……。

『アルプス席の母』の主な登場人物まとめ

『アルプス席の母』の主なキャラクターをまとめました。読み進めるうえでの参考にしてみてください。

【希望学園 野球部】
(秋山航太郎の世代)
秋山航太郎:シニアで全国優勝を経験した投手
・西岡蓮:シニア時代に活躍。プロ注目の三塁手
・馬宮陽人:三塁コーチャー。一般受験組で躍進
・林大成:一年生の頃からレギュラー遊撃手

(秋山航太郎の世代の2つ上の世代)
・前田裕吾:キャプテン。横浜のシニア出身

(秋山航太郎の世代の1つ上の世代)
・佐々木太陽:次期キャプテン。投手
・江波光紀:投手

(秋山航太郎の世代の1つ下の世代)
・及川翔真:エースピッチャー

(監督、コーチ)
・佐伯豪介:監督
・田中秀夫:コーチ

【希望学園 父母会】
秋山菜々子:航太郎の母。本作の主人公。会計係を務める
・西岡宏美:蓮の母。父母会長
・馬宮香澄:陽人の母。開業医
・佐々木純一郎:太陽の父
・江波透子:光紀の母。会計係

【その他の人物】
秋山健夫:菜々子の夫。事故で亡くなった
・池田豊樹:健夫の友人
・内田泰明:山藤学園の監督
・原凌介:山藤学園のエース
・大竹博司:航太郎のシニア時代の監督
・本城和紀:本城クリニックの先生
・富永裕子:本庄クリニックの看護師長

『アルプス席の母』のネタバレ解説&考察まとめ

ここからは『アルプス席の母』の魅力を深掘りするために、タイトルの意味、作品の魅力、実話かどうかの考察、映画化の可能性、ラストシーンのネタバレ解説などを行います。

タイトル「アルプス席の母」の意味とは

タイトルの「アルプス席の母」は、主人公である秋山菜々子自身を指しているといっていいでしょう。よくある高校野球などの高校スポーツをテーマにした小説だと、部活動をしている生徒自身が主人公となるケースが多いですが、本作は親目線で物語が進んでいくのが特徴です。

母である秋山菜々子は、夫を亡くしており、看護師をしながら息子を育てています。野球に打ち込む息子は明るい性格ながらどこか親に心を打ち明けていないところを感じており、菜々子としてはそこに不安な気持ちを抱いているのです。

そんな菜々子は、息子の高校進学とともに、自身も新天地の大阪へ引っ越し、新たな生活を始めていきます。慣れない暮らしや、父母会での軋轢、そして息子との対話を通じて、成長していく姿に注目です。

『アルプス席の母』は実話?モデル高校は?裏金は本当なの?

作者の早見和真さんは神奈川県の強豪校・桐蔭学園高校の野球部出身。2学年上には巨人に入団した高橋由伸選手がいたそうです。本作には、そんな作者の高校時代のエピソードが、大きく影響しているのでしょう。また作者は様々な高校で野球部の子どもがいる親に取材したとも語っています。

そこで、本作が実話に基づいたストーリーじゃないかと気になる人もいるでしょう。特に中盤で出てくる裏金(父母から寄付金を募り監督に献金していた話)のエピソードはかなりリアルです。ただし、これはあくまで創作(だと信じたい)ですね。

また、モデル高校も明かされてはいません。ただし、強豪校の山藤学園は、大阪府の強豪校とあるように「大阪桐蔭高校」を連想させますね。

『アルプス席の母』のラストシーンをネタバレ考察

『アルプス席の母』のラストシーンについて、考察していきます。ネタバレを含むので、最後まで読んだ人だけ以下をクリックして読んでみてください。

ネタバレしていいからラストシーンの考察を知りたい方はこちらをクリック!

【あらすじ】
希望学園は、大阪府大会決勝で宿敵の山藤学園を破り、甲子園出場を決めた。航太郎は甲子園でベンチ入りを果たし、それが本作冒頭での伝令のシーンとつながる。しかし、航太郎の出番はそこで終わらなかった。

その試合、航太郎はリリーフ投手として登板したのだ。三者連続三振を奪い、チームを勝利へ導く。さらに次の試合では完投勝利をあげるなど、大活躍した。

一躍ドラフト候補にも挙がり、プロ志望届を提出。しかし、ドラフト会議では指名漏れして、葛藤の末に大学進学して4年後のプロ入りを目指すこととなった。

ラストでは、冒頭のシーン(菜々子がアルプス席から息子の名を叫んだ場面)を振り返り、航太郎が母への感謝を口にする。母の期待に応えたいと思い、その後の投手としての活躍に繋がったのだった。

【考察】
甲子園に出場することやベンチ入りすることは冒頭で明かされるなか、伝令として動く場面となっているので、すっかり投手としての道は絶たれたと思っていました。

しかし、甲子園でまさかの快投。その源がアルプス席からの母からの声援がラストで明かされるという構成が鮮やかでした。最後まで読んでもう一度冒頭のシーンを読むと、また違った味わいがありますね。

『アルプス席の母』は読書感想文にもおすすめ!書く際のポイントは?

『アルプス席の母』は、母からの目線の物語ではありますが、高校生の青春を扱っているので、同時期を生きる高校生にとっては共感を得やすいでしょう。読書感想文の課題図書として活用するのもいいと思います。

感想文を書くコツは、あらすじをただまとめるのではなく、そこからどう感じたかを書くこと。部活動に打ち込んでいるなか、親は自分のことをどうやって見守ってくれているのだろうというのは、なかなか想像しづらいですよね。本作を読んで、自分の両親が今までしてきてくれたことを振り返ってみるのもいいでしょう。

また、本作は新たな部活動の形を提示するものでもあります。具体的には
・先輩から暴力を振るわれる文化があったが、自分たちで取りやめた
・頭髪が坊主強制ではなく、自由となった
などが挙げられます。そうなるに至った野球部員や監督たちの心情を踏まえて、自分たちに置き換えて、できることや配慮すべきことは何かと考えて、自由に書いてみるとよいです。

ちなみに、本作は入試問題に使われやすい題材であることも特徴です。もし試験問題に出題されたら、一度作品を読んでいるとアドバンテージがありそうですね。

『アルプス席の母』は映画化・ドラマ化される?キャストを妄想してみた

これまで作者の早見和真さんの小説はよく実写化されてきました。これまで映像化された作品の一部を列挙します。

・ひゃくはち(2008年・映画)
・ぼくたちの家族(2014年・映画)
・ポンチョに夜明けの風はらませて(2017年・映画
・イノセント・デイズ(2018年・WOWOWドラマ)
・95(2024年・テレビ東京ドラマ)
・笑うマトリョーシカ(2024年・TBSドラマ)

本作も映像化が期待されますね。作品のボリューム的には、ドラマ化というより映画化の方が適しているのかなと感じます。

本記事執筆時点(2025年2月)では、まだ実写化の話題はありませんが、もしそうなった場合に主要キャストはどうなるか予想してみました。

・秋山菜々子:菅野美穂
・秋山航太郎:窪塚愛流
・佐伯豪介:山中崇
・西岡宏美:市川実日子
・馬宮香澄:MEGUMI
・秋山健夫:市原隼人

いかがでしょうか。俳優の山中崇さんは、作者の早見さんとかなり仲が良いので、起用されたらおもしろいですね。

『アルプス席の母』の感想やレビューまとめ

ここからはSNSやレビューサイトに寄せられた『アルプス席の母』の感想をまとめました。

2人の息子が高校野球をやった親としては、読んでいて「あるある」「そうそう」などと、ものすごく感情移入してしまった。親の会のしきたり、監督への気遣い、背番号、スタメン、応援、etc。15年ぐらい前を思い出し涙が出た。
引用:Amazon

まとめ:『アルプス席の母』は高校球児の息子とともに成長する母の物語だった

いかがでしたか?『アルプス席の母』の特徴を以下にまとめました。

・2025年本屋大賞候補作
・高校球児の母から見た目線の物語
・子育てのヒントにもなる話

以上です。まだチェックしていない方は、ぜひ読んでみてください!

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