青山美智子『お探し物は図書室まで』のあらすじ・感想・ネタバレ解説まとめ【2021年本屋大賞候補作】

帯の「お探し物は、本ですか?人生ですか?」というフレーズが印象的な小説『お探し物は図書室まで』。人生で悩んだ時に読んでもらいたいおすすめ小説です。今回はそんな『お探し物は図書室まで』のあらすじをご紹介。ネタバレが気になる方は途中読み飛ばしてください。読みどころや感想などもまとめました。

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『お探し物は図書室まで』はどんな小説?

書名 お探し物は図書室まで
作者 青山美智子
出版社 ポプラ社
発売日 2020年11月9日
ページ数 300ページ

人生に悩んでいる時に読んでほしい小説

人生に悩んだ時、勇気や生きるための金言を与えてくれるのが、今回紹介する『お探し物は図書室まで』です。作中に出てくる人物たちも人生に行き詰まり、図書館へ訪れて本を探すところから人生に変化が訪れます。きっとあなたの人生にも良い影響を与えてくれるでしょう。

『お探し物は図書室まで』は短編集で、各章で登場する人物が違います。それぞれが抱えている悩みも違うので、自分と同じ境遇の登場人物がいれば、より親近感がある状態で読書体験できるでしょう。

◎『お探し物は図書室まで』は人生(特に仕事面)で悩んでいる人におすすめ!

・自分がやっている仕事に熱が入らない人
⇒一章がおすすめ!

・自分がやりたい仕事をできてない人
⇒二章がおすすめ!

・子育てしながら仕事することに悩んでいる人
⇒三章がおすすめ!

・就職でつまずいた人
⇒四章がおすすめ!

・老後の生き方に悩んでいる人
⇒五章がおすすめ!

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2021年本屋大賞の候補に!

『お探し物は図書室まで』は2021年本屋大賞にノミネートされました。これまでブクログの月間ランキング1位や、読書メーターでの読みたい本ランキングでの月間1位を記録した作品なので、本屋大賞の受賞にも期待がかかりますね。

『お探し物は図書室まで』のあらすじとは【※多少のネタバレあり※】

人生(特に仕事面)で悩みを抱える人たちが、あるきっかけをもとにコミュニティハウスに併設する図書室へと訪れる。そこにいたのは、大柄の女性司書・小町さゆりさん。「何をお探し?」と聞いてくる彼女は本を探しに来た人と会話をした後に、目当ての本とは関係なさそうな一冊を紹介する。さらに付録として、これまた妙な羊毛フェルトを渡すのだった…

「一章 朋香 二十一歳 婦人服販売店」のあらすじ

朋香は総合スーパーの中の婦人服販売店「エデン」で、レジ打ちや接客の仕事をしている。風紀委員みたいな存在のパートさん・沼内さんが苦手だし、今の仕事内容も好きになれない。田舎がいやで上京したが、悶々とした日々を過ごしている。

眼鏡売り場で働く桐山くんは、朋香が職場でフランクに話せる唯一の友達だ。彼は転職で今の仕事に就いたため、朋香も転職を考えていると明かす。転職に必要なパソコンのスキルを得るために教室へ行くことを勧められる。

朋香はパソコン教室へ行ったついでに図書室へ寄る。司書の小町さんにパソコンに関する本を尋ねる中で、転職を考えていること、今の仕事にやりがいや目的が見つけられないことも伝える。すると小町さんはパソコン関連の本の他に、なぜか『ぐりとぐら』を勧めてきた。またフライパンの形をした羊毛フェルトも、本の付録として渡される…。

※ここからはネタバレあり※
朋香は『ぐりとぐら』を読んでみた。そこで出てくる卵料理がホットケーキだと思っていたが、実はカステラだったことに驚く。その時田舎にまだ住んでいる同級生から電話が来る。彼女は東京に行った朋香を羨ましがっており、朋香は今の生活の実情を空かせないでいる。

短大のころは、彼女の称賛がただ心地よかった。自分を鼓舞してくれた。でも最近は、「すごい」って言葉を受けとるのがしんどくなり始めている。(33ページ)

言いがかりをつけてくる女性客への接客がうまくいかず、落ち込む朋香。逃げるように向かった非常階段で桐山くんと会う。朋香が彼になぜ転職したか聞くと、多忙で「食うために仕事しているのに、仕事しているせいで食えないなんておかしい」と思ったと聞かされる。しかし彼は忙しく仕事をしている人を悪く言うつもりはなく、「今の自分にできることを今やってる」と言う。

仕事場に戻ると、先ほどのクレーマー客に対して、パートの沼内さんが素晴らしい対応をしていた。朋香は心のどこかでパートの沼内さんを見下していたことを恥じ、逆に彼女のことを尊敬するようになる。

『ぐりとぐら』がきっかけで料理を始めた朋香。カステラを作ろうとした時に、自分が『ぐりとぐら』に抱いていた思い込みが違うことが分かってきた。ぐりとぐらが森に入った理由は、卵を見つけるためでもカステラを作るためでもなかった。いつものようにどんぐりや栗を拾いに森へ入った時に、たまたま卵を見つけ他だけで、既にカステラの作り方は習得していたのだと思い至る。

カステラ作りは失敗続きだったが、何度か練習したら作れるようになった。その時パートの沼内さんが言ってた「続けているうちに分かることがある」という言葉の意味が分かる。沼内さんにカステラを渡すと喜んでくれた。『ぐりとぐら』の話をすると、沼内さんはぐりとぐらの2人で相談して協力しあう場面が好きだと言う。

「ね、仕事は協力しあってやっていけばいいのよ」(55ページ)

最後に、朋香はぐりとぐらの2人の姿に自身を投影しつつ、静かに決意する。

何ができるのか、何をやりたいのか、自分ではまだわからない。だけどあせらなくていい、背伸びしなくてもいい。
今は生活を整えながら、やれることをやりながら、手に届くものから身につけていく。備えていく。(57ページ)

「二章 諒 三十五歳 家具メーカー経理部」のあらすじ

35歳の諒は高校時代に訪れたアンティークショップ「煙木屋」での出来事が忘れられず、自分のお店を持つことを夢見ている。しかし現実は冴えないサラリーマン生活を送る毎日。仕事を押し付けられたり、言いがかりをつけられたりしている。

恋人の比奈とある日、図書館へ行くことに。司書の小町にアンティークショップを「いつか」開きたいと曖昧な夢があることを伝えると、『植物のふしぎ』という本を薦められる。また「コミハ通信」に掲載された「図書室より、小町さゆり司書のイチオシ!」を通して、本屋「キャッツ・ナウ・ブックス」の存在を知る…。

※ここからはネタバレあり※
諒はやる気のない社員の吉高さんに業務指示をしたところ、言いがかりをつけられパワハラ扱いさせられる。しかも吉高さんは社長の姪だと分かり、暗澹とした気持ちになる。

比奈は週3日で事務のバイトをしていて、シーグラスのアクセサリーを作るのが好きだ。最近はネットショップを開いて、目標達成したことに喜んでいる。諒はそんな比奈の呑気そうな姿を見て苛立ち、彼女に辛く当たってしまう。

そんな中、「コミハ通信」に書かれた「キャッツ・ナウ・ブックス」の紹介で、会社員勤めの傍ら本屋を開いた安原さんの存在を知る。また図書館で借りた『植物のふしぎ』を読んだ内容をヒントに、パラレルキャリアという働き方へと思い至る。

諒は実際に安原さんが働く本屋を訪れ、起業した経緯や今の考えを聞く。諒が「お金も時間も勇気もない」と起業を迷っている考えを知った安原さんは、次のように提言する。

「その『ない』を、『目標』にしないと」(103ページ)

大事なのは、運命のタイミングを逃さないってことじゃないかな(104ページ)

安原さんと話した後、諒は『植物のふしぎ』を返しに図書館へ行く。そこで「すでに始まってる」と起業への後押しをしてもらう。

諒は彼女のもとへ行き、この前苛立っていたことを謝る。また比奈の考えを知った諒は、自分がアンティークショップを開きたいと思った理由を見つける。起業したい旨を明かすと、彼女は協力的な姿勢だと分かる。

ネットショップ運営の経験を踏まえ、諒に対して「信用を回すのが大事」だと説く。会社に行くと吉高さんからパワハラ扱いされた一件は誤解だと分かり、疑いが晴れる。諒はやはり「信用」が大事だったと改めて思う。

最後に諒は以下のように思い至り、物語は終わる。

やることはたくさんあるけど、「時間がない」なんて言い訳はもうよそうと僕は思った。「ある時間」で、できることを考えていくんだ。(118ページ)

「三章 夏美 四十歳 元雑誌編集者」のあらすじ

崎谷夏美は出版社「万有社」で働いている。『Mila(ミラ)』という雑誌編集部で、15年間がむしゃらに頑張ってきた。妊娠してもできる限りギリギリまで働き、子どもの双葉が生まれてからも僅か4ヶ月で職場復帰を果たす。

しかしそこで待っていたのは、編集部から資料部への異動だった。かつては作家の彼方みづえの連載をとってくるなど、かなり貢献していたはずなのに…。家でも育児にあまり協力的でない夫にイラついてしまう。

ある日、双葉を連れてコミュニティハウスに遊びに行くと、図書室のスタッフから声をかけられる。司書の小町さんと話していく中で、絵本を案内してもらう他に『月のとびら』という占いの本と地球の模様が描かれた羊毛フェルトを渡される…。

※ここからはネタバレあり※
夏美がいなくなった雑誌編集部では、独身女性の木澤さんが副編集長に抜擢されていた。自分が担当していたみづえ先生も木澤さんが引き継ぐことになり、夏美はあまり快く思っていない。そんな折、木澤さんから作家のみづえ先生のトークイベントに誘われる。

みづえ先生と連絡を取るとお茶することになり、夏美は嬉しく思う。翌日に控え、早く双葉を寝かせて彼女の新刊を読もうとするが、今日に限って言うことを聞いてくれない。なんとか翌日トークイベントに行くが、最中に保育園から連絡が入る。熱が出た双葉を迎えに行くため、トークイベントは途中退席。お茶の予定もキャンセルになり、夏美は落ち込む。

後日みづえ先生の方から夏美に声をかけてもらい、改めてお茶する。みづえ先生は雑誌『Mila(ミラ)』での連載で夏美が親身になって支えてくれたことに、感謝の気持ちを伝える。

あなたのおかげよ、崎谷さん。誕生に立ち会って、一緒に育ててくれた。崎谷さんは私やあの小説にとって、助産師さんで、保健師さんで、夫で、お母さんだった。(158ページ)

感動した夏美は、今の子育てと仕事がうまくいってない現状をみづえ先生に打ち明ける。すると嫉妬する感情が堂々巡りしていく様を、メリーゴーランドに例えてアドバイスされる。「幸せには優劣も完成形もない」と伝えられる。

帰宅後、図書館で借りた占いの本を読んでいると、「変容」について書かれていた。みづえ先生のアドバイスと重なり、夏美は自分が本当にやりたいことは「小説の編集がしたい」だと思い至る。

しかしその場ですぐに応募した大手出版社からは不採用となり、やはり子育てをする自分にはもう無理なのかと諦めかける。そこに追い打ちをかけるように、木澤さんが『Mila(ミラ)』の編集長に昇進する。しかし、木澤さんが発表会見をする際に見せたふとした表情から、彼女にも相応の苦労があったと知る。夏美は嫉妬の「メリーゴーランドが止まった」ことを実感する。

そんな折、かつて親交があった者から絵本を主に扱う出版社への中途採用を勧められる。そこは子育て中の女性も働きやすい職場であり、夏美にはぴったりな環境だった。夏美は新天地で新たな一歩を踏み出す。

「四章 浩弥 三十歳 ニート」のあらすじ

小さい頃から漫画が「友達」だった浩弥。絵が大好きになりイラストの専門学校に通ったが、就職でつまずいた。バイトも続かず、現在はニートだ。

浩弥は偶然行ったコミュニティーハウスのマルシェで、好きな漫画キャラのぬいぐるみを見つける。それを作った人物が気になり、図書室へ訪れる。するとイメージとは違った大柄の司書・小町さんが現れ、会話を交わす。

浩弥は漫画家の夢が無理だと思っていると、小町さんに伝える。すると、彼女はなぜか『ビジュアル 進化の記録 ダーウィンたちの見た世界』を勧め、本の付録として飛行機のフェルトを渡してきた…。

※ここからはネタバレあり※
高校生の頃に埋めたタイムカプセルを開ける会に参加した浩弥。自分の記憶では「歴史に名を残すようなイラストレーター」と紙に書いたはずで、恥ずかしさのあまり内容を見ずにそのまま回収した。またその時、浩弥は旧友の征太郎と再会する。征太郎は小さい頃から夢だった小説の夢を追いかけ、今でも水道局で働く傍ら小説を書き続けていた。

浩弥は『進化の記録』を読むためにコミュニティーハウスに通う。『種の起源』を書いたダーウィンの陰にウォレスという自然学者がいたと知る。ウォレスの方が先に発表を挑んだはずなのに、先に公表したダーウィンの方が歴史に名を残した事実に、浩弥は困惑する。

浩弥は図書室で司書ののぞみちゃんとも会話する。彼女は、浩弥が書いた一見気持ち悪そうな絵を見て、褒めてくれた。浩弥は彼女から、小町さんが昔は小学校で養護の先生をしていたこと、彼女の読書感想文を読んで褒めてくれたこと、司書補としての仕事を勧めてくれたことを聞く。

浩弥は出来の良い兄に比べ、ニートの自分は母親からよく思われていない、自分に居場所はない、と考えている。『進化の記録』に書かれた「好ましい変異は保存され、好ましくない変異は消滅させられる」の一文に自身の境遇を重ね、落ち込む。

俺は探し続けている。ひとつでいい、こんな俺の存在を許してくれる安らかな「居場所」を……。(221ページ)

図書室で小町さんにウォレスの不遇を嘆くと、彼女は「浩弥くんがウォレスの存在を知り、ウォレスについて考えているだけでも、ウォレスの生きる場所を作った」のだと答える。

そんな折、小説家を目指す征太郎から電話がかかってきて、彼の作家デビューが決まったと伝えられる。征太郎は高校生の時に浩弥だけが作家デビューを信じれくれたことが、書き続けられた原動力だったと感謝される。

浩弥はタイムカプセルに書かれた内容を確認すると、過去の自分は「人の心に残るイラストを描く」と記していたと気づく。人生でうまくいかないことが続いた末に、勘違いしてしまったのだ。

浩弥は図書室での仕事を新たに見つけ、コミハ通信でのイラストが小さい子から好評を得て嬉しくなる。また母親が自分に対して温かく見守っていてくれたことにも気づき、感謝の気持ちを抱く。浩弥は、自分が今生きていることを強く実感する。

「五章 正雄 六十五歳 定年退職」のあらすじ

正雄は定年退職した翌日から、自分が何をしたらよいか分からないでいる。自分には趣味がなく、何者でもなくなった自分は社会からは認識されていない。そんな折、妻の依子から囲碁教室に行ってみてはと勧められる。

正雄より九歳年下の依子は、現役でパソコンのインストラクターをしてる。囲碁教室の先生である矢北さんは、依子の生徒だ。矢北さんは熟年離婚しており、正雄にも「お宅も、そろそろ気をつけたがいい」と言われる。

囲碁教室のついでに立ち寄った図書室で、司書の小町さんと出会う。彼女が使っていた菓子箱を見て、正雄はこの菓子メーカーに勤めていたと語る。また定年退職後に「残りの人生が、意味のないものに思える」と漏らすと、彼女は囲碁の本に加えて『げんげと蛙』という詩集を案内し、カニを模した羊毛フェルトを本の付録として渡してきた…。

※ここからはネタバレあり※
正雄はさっそく詩集を読んでみる。編者の言葉に「詩人と一緒に生きる」「詩を書きたくなったら、ぜひ書いてください」とあるのに、大げさだと思いながらも書き写すことはできそうだと始めてみる。『カジカ』という詩が気になるが、何を意味しているか分からずに書きやめてしまった。

翌日、妻の依子と総合スーパーへと出かけた。紳士服売り場で働く女性店員の朋香も妻の生徒だ。正雄は朋香から「奥さんにおにぎりを作ってあげたら喜ばれる」とアドバイスを受ける。帰りに食品売り場でカニを見つけ、「唐揚げに!ペットに!」と売り出されていることに気づく。自身の会社員時代の境遇と重ね、自分は会社で愛でられる存在だったか、組織に食われる存在だったか、と考える。

帰りに立ち寄った本屋で、娘の千恵が働いている様子を観察する。そこで千恵から「カジカ」の意味を教えてもらい、「詩は好きなイメージをして読めばいい」と言われる。正雄は帰宅後に改めて『カジカ』を読んでみると、その面白さに気づく。

正雄は『窓』という詩にも引き寄せられる。「波はよせ、波はかえし」という言葉が繰り返される詩の題名がなぜ「窓」なのか、疑問に思う。

正雄は後日マンションの管理人の海老川さんと会話していると、彼が以前に様々な職を渡り歩いたことを知る。一つの仕事しかしてこなかった正雄は彼の経歴に驚く。海老川さんは社会について

人と人が関わるならそれは全て社会だと思うんです。接点を持つことによって起こる何かが、過去でも未来でも(285ページ)

と思っている考えを述べる。そこで正雄は彼と接点を持ったことと、先日読んだ詩の『窓』を重ね、詩や他人の人生と一緒に生きる、という感覚を味わう。

また『窓』の感想については娘の千恵とも語り合う。正雄は千恵が本屋で働いている意義や、父への想いを知り、娘の成長した姿に心を揺さぶられる。

正雄は図書室へ訪れ、司書の小町さんに本の付録はどのようにして選んでいるか聞く。すると彼女はインスピレーションだと答える。

皆さん、私が差し上げた付録の意味をご自身で探し当てるんです。本も、そうなの。(中略)読んだ人が自分自身に紐づけてその人だけの何かを得るんです(296ページ)

正雄は妻の依子におにぎりをサプライズであげて、喜ばれる。すると彼女は自分がリストラに遭った時の正雄の対応に助けられたと明かす。前向きに生きるのを決意した正雄は、最後に自分だけの詩を作った

『お探し物は図書室まで』の読みどころ3つ

『お探し物は図書室まで』のあらすじを紹介してきました。ここからはさらに踏み込んで、この小説の読みどころを詳しく解説します。

一見、関係のない本や羊毛フェルトが一つの命題に結びついていく様

人生で行き詰まった者たちが訪れた図書室で、司書の小町さんからは一見関係のない本や羊毛フェルトを紹介されます。しかしその本の内容や、フェルトが意味するところが、その人たちの人生の変化に関わる重要なモチーフとなるのです。

一体、どのように関わってくるのか、先を考えながら読み進めると楽しいですよ。不思議なところで繋がって、点と点が線となっていく様子は読んでいて爽快!作者の青山ワールドにハマったかのような感覚になります。

また一見関係のない事象が人生の変化に絡んでくるということ自体が、本小説の重要なテーマになっています。要はこちらの受け取り方次第で、人生なんてどうとでも変えられるのよ、という筆者の明るいメッセージが伝わってきますね。

思い込みで物事を捉えるのではなく、本質を知る大切さを教えてくれること

本作では登場人物たちがある勘違いをしていた、という伏線が起きています。こちらの勝手な思い込みで生きづらくしてした、というのを段々と気付いていくのです。実際に物事を深くみたり、実際に対話をしたりすると、自分の勘違いに気付けるという流れが全体にあります。

これは先入観や思い込みで決めつけてしまわないように、という作者からの注意喚起でもありましょう。物事を浅い部分で表面的に捉えるのではなく、常に本質を見るような意識でいることが大切ですね。

各章で登場する人物たちが、他の章にも関わってくる場面

各短編は独立していますが、各章をクロスオーヴァーするかのように人物が出てきます。特に最終章では、それぞれが成長した逞しい姿を見せてくれるので、気持ちがほっこりとなります。一度読み終わってから再読すると、新たな発見があることでしょう。

『お探し物は図書室まで』の感想は?口コミ評価レビューまとめ

全体的に、「生きる勇気になった」「心がほっこりした」「とても前向きになれた」というポジティブな感想が多かったです。

『お探し物は図書室まで』のモデルが実在する!

『お探し物は図書室まで』の【取材協力】を見てみると、Cat’s Meow Books(キャッツミャウブックス)の文字が。これは「二章 諒 三十五歳 家具メーカー経理部」に出てきたキャッツナウブックスのモデルのようですね。東京都世田谷区にある本屋さんなので、気になる方はぜひ行ってみては?

Cat’s Meow Booksの公式Twitterはこちらから

作家・青山美智子のプロフィール

青山美智子さんは愛知県出身、千葉県育ちの小説家です。オーストラリアの日系新聞社の記者経験や雑誌編集者の経験を経て、執筆活動を開始。第1回ショートストーリーなごやの佳作入選作品となった「街灯りの向こうに」が、奥田瑛二、中村優子主演で映像化されました。

小説としては、2017年に発表した『木曜日にはココアを』がデビュー作。この作品は第1回宮崎本大賞を受賞し、第1回未来屋小説大賞にも入賞しました。さらに収録した短編の一部が中学校の入試問題に使われました。

本人の公式Twitterには自分の本に関することはもちろん、展示会に行った様子や創作の苦労話などが投稿されています。

まとめ:『お探し物は図書室まで』は働く人に勇気を与える感動小説だった!

いかがでしたか?『お探し物は図書室まで』は働く人に、生きる希望や意義、勇気を与えてくれるハートウォーミングな小説でした。自分の仕事内容に自信が持てない人、やりたい仕事につけてない人、仕事を終えて老後を迎えた人など、様々な境遇の人に届く小説となっていますので、ぜひチェックしてみてください。作中に出てくる小町さんの名言は、これから生きる上での金言になるはずです!

◎『お探し物は図書室まで』著:青山美智子
価格:1600円+税

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