3分で分かる「虎狼の血」(原作)のあらすじ&ネタバレ解説まとめ

2021年8月に「虎狼の血 LEVEL2」が映画化され、松坂桃李や鈴木亮平の熱演が話題になっています。今回は再評価されている原作「虎狼の血」(著:柚月裕子)をピックアップ。あらすじやラストの場面などを詳しく解説します。映画化されたけど原作はチェックしていない方はぜひ読んでみてください。ネタバレ部分は隠しているので、既に作品を読んで復習したいという方だけクリックして中身を読むようにしましょう。

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柚月裕子の小説「虎狼の血」とは

書名 虎狼の血
作者 柚月裕子
出版社 KADOKAWA
発売日 2017年8月25日(文庫本)
ページ数 413ページ

2021年に映画化された「虎狼の血 LEVEL2」の原作は「狂犬の眼」ですが、元々は今回紹介する小説「虎狼の血」から始まりました。本作は第69回日本推理作家協会賞の長編及び連作短編集部門を受賞し、直木賞の候補にもなりました。

※「虎狼の血」は以下に当てはまる人におすすめ!
・ハードボイルドな作品が好きな人
・映画が好きで原作も気になっている人
・正義とは何か?を自問自答している人

「虎狼の血」の簡単なあらすじ【ネタバレなし】

舞台は昭和63年の広島県における架空都市・呉原市。ヤクザの抗争が激しいこの街で、街の平和を保たれているのには、ある一人の警察官の尽力があった。暴力団員たちからガミさんと呼ばれている刑事・大上章吾だ。

広島大学を出て新人刑事となった日岡秀一は、大上章吾と暴力団の癒着を調べるように命令される。大上と過ごすうちに、手荒い仕打ちを加えられたり、違法捜査を目撃したりする。しかし日岡は次第に、大上にはある信念のもとに行動していると考え出す。

ある日、加子村組が運営に絡んでいる闇金業者・呉原金融の経理、上早稲二郎が3ヶ月行方不明になっていると発覚。それをきっかけに暴力団同士の諍いが増えていく。このままだと大規模な抗争で市民を巻き添えにしそうだ。

暴力団同士の抗争を止めるために、大上にはある秘策があるようだが…。失踪した上早稲の行方は?大上は本当に暴力団と癒着しているのか?「正義とは何か?」を考えながら、日岡がたどり着いた答えとは…。

「虎狼の血」の登場人物|警察組織や暴力団の相関図を掲載

「虎狼の血」の詳しいあらすじ紹介に入る前に、登場人物について整理しておきましょう。今作は「警察組織」と「暴力団」を中心に描いており、人物が多く組織図も複雑になっています。そこで「虎狼の血」の公式サイトに掲載された人物相関図を掲載します。


出典:カドブン

暴力団関係者と警察組織の繋がりで特に深いのが、大上章吾と瀧井組組長の瀧井銀次です。2人は旧友であり、大上は瀧井のことを「チャンギン」と親しみを込めて呼んでいます。

また「小料理や 志乃」の晶子と大上章吾も深い関係を想像させられます。2人のやりとりを見た日岡は、2人に男女関係があると推測しますが…。そのあたりは次章の詳しいあらすじのところで書いていきましょう。

「虎狼の血」の詳しいあらすじとは|ネタバレありで伏線回収部分を解説

ここからは「虎狼の血」の詳しいあらすじについて。作品に散りばめられたいくつかの伏線や謎をまずは列挙した上で、伏線回収や謎の解決部分について解説していきましょう。

【物語における謎】
①失踪した呉原金融の上早稲の行方は?事件性あるなら関わった犯人や動機は?
②大上は暴力団と癒着しているのか?
③大上はなぜここまで大胆な捜査活動ができるのか?
④日岡は大上の内偵調査を無事に敢行できるのか?

【物語で描かれる伏線】
①各章の最初に日誌が掲載されているが、ところどころ削除されている。これには何か意味がありそうだ…
②小料理や 志乃の晶子と大上は深い関係がありそうだ。男女関係なのか?
③大上や晶子は、日岡の下の名前「秀一」に過剰反応しているが…

またエスカレートしていく暴力団同士の抗争の行末にも、ハラハラさせられながら読み進めていきましょう。

※ネタバレ部分は隠しコマンドになっています。読んでもいいという方だけクリックして中身を見るようにしてください。※

失踪した大早稲の行方は?事件の顛末を解説

まずは加子村組が関わる闇金業者・呉原金融の経理、上早稲二郎が失踪した件について。

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【事件性はあるか?】
→事件性あり。上早稲は何者かに連れ去られていた。倉庫で殺された後、頭部と胴体を切断され、その後無人島へと遺棄された。
瀧井から情報を得た大上は、船の乗組員について内偵調査を実施。その結果、加古村組の人物と小学校時代の同級生だと判明し、遺体発見及び犯人特定へ近づいていく。

【犯人は?】
犯人は加古村組の苗代らだった。苗代は物語序盤の日岡が大上と初めてやりとりした際に、パチンコ屋にて出会った人物だ。その時は大上の計らいにより、日岡は苗代に喧嘩を吹っかけられ散々な目にあっていた。
苗代は逃亡していた先で、捕まった。

【殺害の動機は?】
→苗代たちは経理の上早稲に会社の金を不正に引き出させて、それを私的利用していた。不正引き出しが降り積もっていた頃、加古村にバレそうになったため、全ての罪を上早稲になすりつけ、その結果殺害した。

大上の違法捜査で見えた疑問|過去に殺人を犯してる?

日岡は、大上が行う数々の違法捜査を目撃します。

・新人刑事の日岡に組員からイチャモン付けられるように吹っかけさせ、その後暴行罪などを理由に暴力団での内部事情を詰問する
・組員のバッグに覚醒剤を忍ばせ、その発見をきっかけとして強制捜査を堂々と行う
・瀧井組組長から「今月分」と言われて白い封筒を受け取った
・密輸を黙認する代わりに遺体遺棄について証言を聞き出そうとする

など、いかにもやばそうな手口で、堂々と違法捜査を行います。(他にもっとヤバイものもあるので、それは本書で確認を)しかしそんな中で、ある疑惑が芽生えます。十四年前に暴力団員の金村安則を殺害したのではないかという疑惑です。果たして事実なのでしょうか?

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金村を殺したのは大上ではなく小料理や 志乃の晶子だった。当時、晶子が交際していた賽本の銃殺を企てたのが金村だった。金村に憎しみを抱いていた晶子は、金村を誘惑し油断している隙に殺害されたのだった。

その際に助け舟を出してくれたのが大上だった。大上は晶子の犯行を隠した。つまり大上と晶子は男女の関係を越えた、共犯者という関係で深く繋がっているのだった。

ラストの衝撃的な展開!大上はなぜ大胆な捜査ができたのか?

大上は過去に家族を暴力団員によって殺されていた。亡くなった息子の名前が、日岡の下の名前と同じ秀一であった。大上は秀一を我が子のように可愛がっていた。そして自分が何かあった時の後継者は日岡だと決めていた。

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大上は暴力団員の手によって殺害された。日岡は大上の死にひどくショックを受けるが、やがて大上の残したメッセージに気づき、自分が彼の跡を継ごうと決意する。

大上の残したもの…。それは小料理や 志乃に潜んでいた。独自の調査で集めた警察組織や暴力団員にまつわる機密情報をまとめたノートと、独自に集めた資金だった。機密情報は、誰もが周囲に明かされたくない秘密ばかり。警察はそれを公にされるのを恐れて、大上に強く追及せずに泳がせていたのだった。

日岡は大上と暴力団との関係について内偵調査を依頼してきた上司、嵯峨に対して嘘をついた。ノートの存在は知らない。大上についての調査内容を綴った日誌の一部も削除した。さらに嵯峨が隠したいと思っているゴシップ(この情報は大上のノートに書かれていた)を仄めかす。自分が大上の意志を継ぐと決めた瞬間だった。

2021年に映画化された「孤狼の血 LEVEL2」の原作は「狂犬の眼」

「虎狼の血」は2018年に役所広司や松坂桃李出演で実写映画化。激しい闘争シーンが特に評価され、映画界の各賞を総ナメにしました。そして2021年には「孤狼の血 LEVEL2」として続編が公開。こちらの原作はシリーズ二作目の「狂犬の眼」です。

「狂犬の眼」

なお、映画は原作とは違った出来栄えとなっており、映画の方を逆に小説化した、ノベライズが発表されています。「狂犬の眼」との違いを確認しながら読み進めると楽しいですよ。

「孤狼の血 LEVEL2ノベライズ」

SNSに寄せられた「虎狼の血」の感想まとめ

柚月さんは様々な趣向のミステリー小説を書かれる方ですが、この「虎狼の血」は彼女の代表作と言ってもいいでしょう。

日岡=松坂桃李は本当にハマり役だと感じます。

最後は一種の希望が描かれており、続編を期待させられます。

まとめ:「虎狼の血」は暴力団と警察組織の対決が見もの!

いかがでしたか?「虎狼の血」の特徴を以下にまとめました。

・警察組織と暴力団の対決の構図が面白い
・暴力団同士の抗争や大上の違法捜査にハラハラさせられる
・日誌の謎など伏線回収が痛快!

以上です。映画を先に見られた方も、今から見るという方も、ぜひ原作をチェックしてみてください。読み進めるうちにどんどんひき込まれていくでしょう!

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