3分で分かる「コンビニ人間」のあらすじ&ネタバレ解説|普通とは何かを問う話題作

コンビニ店員としか生きられない人間を描き、「普通とは何かを問う問題作」「現代社会を反映した傑作」だと高く評価された小説「コンビニ人間」(村田沙耶香・著)。累計100万部を突破した人気小説ですが、まだ読んだことがない方に向けて、簡単なあらすじを紹介します。過去に一度読んだ方など、ネタバレになってもいいという方に向けて詳しいあらすじやラストの展開も解説。さらに「コンビニ人間」の評価や感想も合わせて紹介します。ぜひ最後まで読んでみてください。

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村田沙耶香の小説「コンビニ人間」とは

書名 コンビニ人間
作者 村田沙耶香
出版社 文藝春秋
発売日 2018年9月4日(文庫本)
ページ数 168ページ

全世界累計発行部数が100万部を突破したベストセラー!第155回芥川賞受賞作

村田沙耶香の小説「コンビニ人間」は第155回芥川賞を受賞したことで、社会的なニュースになります。一見とっつきにくい印象がある純文学作品ですが、大衆受けが重なり大ヒット!コンビニという身近な存在を題材としていることが世間の興味を集めたのか、単行本化してわずか半月余りで30万部を超えるセールを記録します。

その後、世界各国にて翻訳され、世界各地でベストセラーに。2020年9月時点で累計100万部を超え、2021年6月時点では130万部を超えています。

コンビニ店員として生まれた女性を通して「普通とは何か?」を問う傑作

タイトルの「コンビニ人間」の意味は、コンビニ店員としてしか生きられなくなった主人公の女性自身を指しています。大学卒業後就職せずに、18年もの間コンビニのアルバイトとして働く主人公。世間的には「普通ではない」とされそうな状況ですが、筆者はそういった世間に溢れている固定観念に疑問符を投げかけます

主人公の目を通して、周囲の状況を描くことで、「普通」とは何なのか?を読者に問いかける問題作。現代社会に潜む問題点を浮かび上がらせた著者の筆力が高く評価されています。

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【ネタバレなし】「コンビニ人間」の簡単なあらすじ

古倉恵子は、36歳未婚女性。小さい頃から「普通」の感覚が分からずに過ごし、周囲からはどうすれば「治る」かと心配されて育つ。そんな恵子は大学在学中にコンビニのバイトを始め、卒業後も就職せずにそのままコンビニ店員として働き続けていた。

ある日、男性・白羽が新人として入ってきた。白羽は何かと人を馬鹿にした差別発言を、受け売りして話してくる。白羽になぜコンビニバイトを始めたか聞くと、「婚活」が目的だと言う。恵子は白羽にコンビニ的な生き方は恥ずかしいと言われるが…。

【※ネタバレあり※】「コンビニ人間」の詳しいあらすじ

※この章はネタバレを含みます。ネタバレしたくない方は読み飛ばしてください。※

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白羽は勤務態度が悪く、早々に店を辞めさせられる。恵子は店の前にいる白羽を偶然見つけた。彼が泣いているのを見て「こんなところを客に見られたら迷惑をかける」と考えた恵子は、ファミレスへ連れ出す。さらに明け方までドリンクバーで粘りそうな白羽に対し、「寝不足になると勤務時に迷惑をかける」と考えた恵子は彼を家に家に泊めることにした。

恵子との同棲は白羽にとって好都合だった。起業願望があるものの今は何もしていない白羽は、現代社会から排除されないために結婚している体裁をとるのが目的だった。それに恵子にとっても周りから恥ずかしいと思われないための対策になると思われた。

実際、電話で妹に「家に男性がいる」と伝えると、「おめでとう」と言われた。妹は姉が「治った」と勘違いしているようだ。また旧友の同級生やコンビニで働く同僚からも同じように良い反応をされる。こうして奇妙な同棲生活は続くのだった。

【※ネタバレあり※】「コンビニ人間」のラスト(結末)を紹介

※この章はネタバレを含みます。ラストをまだ知りたくない方は読み飛ばしてください。※

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ある日、白羽の義妹が家に訪ねてきた。白羽が家賃滞納している件や二人の今の状況を非難すると、白羽が「彼女にはコンビニバイトを辞めてもらい、職探しをしてもらう。僕はネット起業に専念し、もし子供ができたら僕も仕事を探す」と答える。

白羽は恵子と子供を作る気などさらさらないが、恵子にはコンビニバイトを辞めさせ、職探しをさせた。寿退社かと勘違いしたコンビニの同僚は、恵子の最後を喜んで送り出した。しかしコンビニという基準を失った恵子は、人間らしい生活ができなくなった。

恵子は面接先へ向かう途中に、知らないコンビニに立ち寄った。そこで恵子はコンビニの「声」を聞いた。ディスプレイでの不備を直し、研修中の店員に店員としての振る舞いを指摘した。恵子は自分がコンビニ店員という動物であることを実感した。

「コンビニ人間」の読みどころ3つ

「コンビニ人間」の魅力をより深堀するために、3つの点からこの作品を詳しく知っていきましょう。

普通とは何か?当たり前だと思っていた「普通」の概念が揺らぐ点

普通の人間っていうのはね、普通じゃない人間を裁判するのが趣味なんですよ

これは白羽が恵子に対して言うセリフです。白羽も恵子も世間から見ると外れた人間ですが、そんな側の人間だからこそ見えてくる世界があります。

作品に登場してくる、一見、普通の人たち。
・コンビニで働く同僚や店長
・旧友の同級生
・主人公の妹

彼女たちの態度を見ていると、その不自然さが浮かび上がってきます。我々が「普通」と思っている捉え方や態度は、実は異常なのではないか?と「普通」の概念が根底から覆られそうになるのです。

白羽の厨二病(?)的な世界観炸裂の発言が笑える!

白羽は人を見下しているようで実はそうではなく、そういった差別的発言を受け売りしているだけの存在です。彼の主義主張には矛盾した点が多くあり、主人公の恵子からもそのトンチンカンぶりを指摘されるほど。

特に「縄文時代だったら〜」と縄文人を引き合いに出す点がかなり笑えます。現実逃避した人間もここまでいくと、あっぱれだと感じます。しかし自分の身内や近しい人に白羽がいると想像すると、笑えなくなりそうですが…。

著者のリアルな経験が反映された、コンビニバイトの描写

芥川賞の会見でも話題になったのが、著者自身がコンビニのバイトに入っているということ。作品を読んでみると、なるほどその経験が大きく活かされた描写になっています。購買者だとなかなか気づきにくい点を細かく書いており、コンビニで働く際の研修マニュアルに盛り込みたい内容も多々あります。

コンビニバイトのシーンで五感に訴えてくるものがあるのも良い点です。コンビニでかかる音楽、揚げ物の匂い、ディスプレイで商品を取るときの手触りなども感じられます。非常に精密に描かれている印象があります。

芥川賞選考会での「コンビニ人間」の評価は?

第155回芥川賞を受賞した「コンビニ人間」。選考委員はこの作品をどう評価したのでしょうか?

この作品には小説のおもしろさのすべてが、ぎゅっと凝縮されて詰まっている。十数年選考委員をやって来たが、候補作を読んで笑ったのは初めて。
引用:芥川賞のすべてのようなもの

「ぼくは勉強ができない」の著者でもある山田詠美さんはおもしろい作品だと高評価でした。

傑作と呼んでよいと思います。
引用:芥川賞のすべてのようなもの

奥泉光さんは、世間の常識から外れた人物を主人公に据えた点を褒めています。

作者は、「コンビニ」という、どこにでも存在して、誰もが知っている場所で生きる人々を厳密に描写することに挑戦し、勝利した。
引用:芥川賞のすべてのようなもの

作家であり、「カンブリア宮殿」で司会を務める村上龍さんの選評。「コンビニ」を舞台に選んだのが勝因だと述べています。

おそろしくて、可笑しくて、可愛くて(選評で「可愛い」という言葉を初めて使いました)、大胆で、緻密。圧倒的でした。
引用:芥川賞のすべてのようなもの

「可愛い」という言葉は、なかなか純文学作品の書評には使わない表現ですよね。川上弘美さんなりの褒め言葉だと思います。

SNSに寄せられた「コンビニ人間」の感想まとめ

続いて一般読者の方の感想をご紹介します。

まさにこの小説の本質を捉えた感想だと言えます。

古倉さんというのは、主人公の恵子のことです。

確かに、この作品を読んだらコンビニ行ったときに陳列棚を気にするようになりました。

生きにくい世の中で、逆に恵子さんのような人間が一番生きやすく生きているのかもしれません。

まとめ:「コンビニ人間」は「普通」の概念を問う衝撃作だった!

いかがでしたか?「コンビニ人間」はコンビニ店員として生きられない主人公の姿を描くことで、「普通」とは何か?を問う小説でした。

・我々が「普通」と思っているものは、本当に普通なのか?
・「普通」と思って生活している我々が実は「異常」になることもあるのか?
・現代社会を生きる上での苦悩
・現実逃避する青年のユーモラスな姿

などが読みどころの小説。まだ読んだことがない方はぜひ手にとってみてください。

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