1分で分かる「硝子の塔の殺人」のあらすじ&ネタバレ感想まとめ

ミステリー史に残る傑作として高い評価を受けている、小説「硝子の塔の殺人」(著:知念実希人)。今回はあらすじを簡単に紹介した後に、読んだ感想を一部ネタバレありで詳しく綴ります。ただし作品の肝心な部分は伏せているので、安心して最後までご覧ください。

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知念実希人の小説「硝子の塔の殺人」とは

書名 硝子の塔の殺人
作者 知念実希人
出版社 実業之日本社
発売日 2021年7月30日 (Kindle版)
ページ数 541ページ (Kindle版)

知念実希人さんが2021年に発表した「硝子の塔の殺人」。島田荘司さんが「今後このフィールドから、これを超える作が現れることはないだろう。」とべた褒めしており、他にも有栖川有栖さんや法月綸太郎さんなどの実力作家から高い評価を得ています。

ミステリーとしてふさわしい舞台である、硝子の塔。連続殺人の仕掛けられた「密室」のトリック。そしてラストのどんでん返しに繋がる、いくつもの伏線。ミステリー好きを唸らせる本作は、2021年最注目の推理小説です。2022年本屋大賞にノミネートされています。

※「硝子の塔の殺人」は以下に当てはまる人におすすめ!
・とにかくミステリーが好きな人
・これまでにない斬新な仕掛けの推理小説を読みたい人
・2022年本屋大賞候補になった話題の小説をチェックしたい人

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1分で分かる「硝子の塔の殺人」のあらすじ【※ネタバレなし※】

ミステリー好きの大富豪・神津島太郎は、長野県北アルプス南部の蝶ヶ岳中腹に硝子の塔を建てた。まるで本格ミステリーの舞台になりそうな円錐状の美しい硝子の塔に招かれたのは、刑事、医師、小説家、料理人、霊能力者など。そして実際に事件は起こった。

外部との連絡が断たれた、クローズドサークルで起こる連続殺人事件。医師・一条遊馬は自称「名探偵」の碧月夜と共に、謎を解明しようとするが…。

「硝子の塔の殺人」を読んでみた感想【※一部ネタバレあり※】

ネタバレありで詳しいあらすじを紹介すると作品の魅力が半減してしまうので、今回は省略します。ここからは筆者が読んだ感想を述べていきます。一部ネタバレもありますが、作品の肝心な部分については分からないようにしているので、安心してお読みください。

ミステリー愛がこれでもかと伝わってくる

主人公の医師・一条遊馬をはじめ、登場人物の多くはミステリー好き。特にミステリーについて話し出したら止まらないのが、自称「名探偵」の碧月夜です。彼女がミステリーについて喋りだすと、過去の名作からミステリー作家の系譜などを詳しく語っていきます。

筆者はそこまでミステリーに精通していないので、碧月夜の発言などで得られる情報はとても勉強になりました。ミステリーを知るなら避けては通れない名作たちを具体的に紹介してくれるので、参考になります。

そういう意味ではミステリー小説の入門書として楽しめる側面もあるでしょう。実際に筆者は過去の名作と呼ばれている作品や、「屍人荘の殺人」などの最近の話題作も読んでみたいと思うようになりました。

碧月夜と一条遊馬の絶妙な距離感のタッグが面白い!

医師の一条遊馬と、自称「名探偵」の碧月夜の二人が協力して事件を解明していくので、いわゆるバディものとしても楽しめます。頭が切れる月夜がホームズなら、主人公の遊馬はワトソン役を担おうとしますが、彼がどうやって月夜に相棒役として受け入れられるかが最初の読みどころです。

少しネタバレになってしまいますが、作品冒頭で明かされている点を書きます。実は主人公の遊馬は硝子の塔の主人である神津島に殺意を抱いており、彼を毒殺します。しかしその後は遊馬以外の誰かが、連続殺人事件を起こします。

遊馬は神津島殺しも、他の殺人犯になすりつけるために事件を解明しようとします。そこで自分に疑いが向かずに事件が解決するように、月夜をうまく取り込もうとした経緯があったのです。

こういった真犯人と名探偵という奇妙な連携は、常に緊張感があります。また月夜は大のミステリー好きという一癖も二癖もある人物なので、遊馬がどういった対応をするのかが面白いです。

硝子の塔で巻き起こる「密室」のトリックを暴くのが楽しい!

硝子の塔で起こる三つの殺人事件は、いずれも「密室」で起きた事件。どうやって殺人事件が起きたのか、推理するのが楽しいんです。小説内には鍵の形状などを図解で示しているところがあり、イメージしやすい状態で読者も推理に参加できます。

途中で小説の登場人物が、謎が解けるか読者へ挑戦状を送りつけてくる場面があります。そこまでに張り巡らされた伏線を結びつけ、あなたは真実にたどり着けるのでしょうか?ちなみに筆者は最後まで分からず終いでした…。

また往年のミステリーならではの仕掛けは他にも。外部からの連絡を断たれた、いわゆるクローズドサークルという状況もミステリーの王道ですね。ネットや電話が繋がらない、下山する方法がなく閉じ込められたという、緊迫した状況が出来上がっています。

最後のどんでん返しが秀逸!続編の可能性を示唆するラスト

「硝子の塔の殺人」最大の魅力は、ラストに仕掛けられたどんでん返しと言っていいでしょう。物語途中から「これまでにないミステリーを!」と自分で自分のハードルをあげているような記述がありますが、それも納得!誰もが思いもしない展開で、本当にびっくりさせられました。詳しくはネタバレできないので、作品を読んでみてください。

ただ一つだけ苦言を呈するならば、最後モヤっとしたものも残ってしまいました。トリックは秀逸で何の文句もないのですが、犯人の殺害動機や犯人発覚後の展開にはやや不満でした。詳しくは書けないですが、そんな理由で殺された人がいていいの?と少々不憫に思えました。

しかしラストは次作への期待を残す終わり方でもありました。続編でまた月夜と遊馬のタッグが見られるかどうか?シリーズ化したらぜひまた読んでみたいですね。

小説「硝子の塔の殺人」の本当の評価とは

小説「硝子の塔の殺人」は帯で、多くのミステリー作家から称賛する声をもらっています。ただし帯は宣伝文句を兼ねているので褒められるのは当然。本当に高い評価を得ているかどうかは気になるところですね。そこで読者の感想や評価、レビューを詳しくまとめてみました。

多くのミステリー作家から称賛の声

小説「硝子の塔の殺人」には多くのミステリー作家たちから称賛する声が寄せられています。

まるで本格ミステリのテーマパーク。
――――有栖川有栖
引用:実業之日本社

綱渡りのどんでん返しにもぶれない
物語筋肉(ストーリーマッスル)の強さにねじ伏せられた。
――――法月綸太郎
引用:実業之日本社

頭から尻尾まで本格ミステリ愛がぎっしり!
この挑戦状は受け取らないわけにはいきません(負けました)!
――――芦沢央
引用:実業之日本社

作中に溢れる名作の足跡を辿るうちに
引きずり込まれる展開は予測不可能だ。
――――今村昌弘
引用:実業之日本社

これらはあくまで一部抜粋したものばかり。今、人気の作家ばかりがコメントをしており、同業者から高い評価を得ているのが分かります。

ミステリー好きなら必読!と読者からも高い評価

ここからは読者の声を紹介していきます。まずは高い評価から。

続編に期待してしまいますね!

一条遊馬役を二宮くんだと言っているのでしょうか。たしかに良さそうですが、小説内では20代後半の設定なのでもう少し若い方がいいのかもしれません。なお映画化された時のキャストについては、本記事の終盤で妄想した内容を綴っていますので、最後までぜひチェックしてみてください。

独特な表現で作品の感想を語っていますが、イメージとして分からなくもないです。ラストにかけてドキドキ感が増していきます

ミステリーオタクからは一部厳しいレビューも

続いてマイナス評価も。ミステリーオタクからは一部厳しいレビューが寄せられています。

バカミスとは、現実ではあり得ないような設定で書かれたミステリーのこと。「硝子の塔の殺人」でのトリックが壮大な仕掛けだけに、やや非現実的と捉えられたのかもしれません。

トリックがいかに優れていようとも、動機が貧弱で納得できないとしたら、ホラーならばともかく「本格」ものとしては失敗でしょう。
引用:Amazon

筆者も共感する点です。動機が弱いと感じたのが、残念でした。

結局のところ、やはりこの作者の作品では医療ものミステリー系(天久鷹央など)がおもしろいなと、個人的には思いました。
引用:Amazon

同じ作者の作品なら医療もののミステリーの方が好きだという意見がありました。もし「硝子の塔の殺人」が合わなくても、別の作品なら気にいることがあるかもしれません。

「硝子の塔の殺人」は2022年本屋大賞を受賞できる?予想してみた

「硝子の塔の殺人」は2022年の本屋大賞の候補作に選ばれました。全国の書店員が選ぶ本屋大賞では、これまでなかなか本格ミステリーが大賞を受賞することはないのですが、今作では受賞なるかと期待されています。

筆者は2022年本屋大賞の候補作を全て読んで、どれが受賞するか予想してみました。結論から言うと、今回の受賞は…やや難しいかと思います。

ミステリーとしては仕掛けが優秀で他の人におすすめしたいと思いますが、読後感がすっきりしない人もいそうで、多くの読者に受け入れられるかどうかはやや疑問。また本屋大賞の他候補作品と比べたときに、もっと大賞にふさわしい小説があるので、そちらの方が期待値が高いです。

現時点で候補作品10作中5作を読んだのですが、一穂ミチさんの「スモールワールズ 」が今最も受賞に近いのではないかと考えています。

一穂ミチさんの「スモールワールズ 」についてまとめた記事を読んでみる

「硝子の塔の殺人」が映像化されたら…登場人物のキャストを妄想してみた

「硝子の塔の殺人」は話題性が高く、映像化されやすそうな作品です。綺麗な硝子の塔はCGじゃないと再現しにくいと思われますが、美しい映像として楽しめるでしょう。そこでここでは、ドラマや映画などでもし映像化されたら…と仮定した場合、キャスト(主演者)はどうなるか妄想してみました。

一条遊馬:中島健人
医者。20代後半で知的、主演をはれる人物

碧月夜:中条あやみ
名探偵。175センチの高身長、20代半ば、頭脳明晰

神津島太郎:吉田鋼太郎
館の主人。60代、いかつい顔

九流間行進:笹野高史
ミステリ小説家。髪の毛が薄い73歳

加々見剛:佐藤二郎
刑事。中年、無精ひげ、固太り

巴円香:古川琴音
メイド。20代後半だが若く見える

老田真三:石丸謙二郎
執事。白髪混じり
酒泉大樹:間宮祥太朗
料理人。円香に好意を持っている

左京公介:田中哲司
月刊超ミステリ編集長。

夢読水晶:馬場園梓
霊能力者。太ってる、派手

以上、あくまで妄想でした。実際に映画化やドラマ化されたら、どうなるでしょうか?その際は記事更新しますね。

まとめ:「硝子の塔の殺人」はミステリー史に残るトリックが秀逸な推理小説だった!

いかがでしたか?「硝子の塔の殺人」の特徴を以下にまとめました。

・ラストのどんでん返しが秀逸な推理小説
・ミステリー愛に溢れた作品
・2022年本屋大賞の候補作

以上です。まだチェックされてない方は、誰が犯人か、どういうラストになるのか、ぜひ予想しながら読んでみてください。

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