3分で分かる「赤と青とエスキース」のあらすじ&ネタバレ解説・感想まとめ【2022年本屋大賞第2位】

2021年で最も心温まる小説と断言したくなる「赤と青とエスキース」(著:青山美智子)。今回はこの本のあらすじをネタバレしない程度に紹介。仕掛けに満ちた作品なので、もう一度読み返したい人向けに分かりやすい解説も交えた考察も行います。筆者の感想や読者の評価もまとめました。

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本屋大賞2位になった小説「赤と青とエスキース」(著:青山美智子)とは

書名 赤と青とエスキース
作者 青山美智子
出版社 PHP研究所
発売日 2021年11月10日
ページ数 240ページ

小説「お探し物は図書室まで」で2021年本屋大賞第2位を獲得した、作家・青山美智子さん。2年続けて本屋大賞の第2位となった小説が、今回紹介する「赤と青とエスキース」です。心温まる小説として話題になっています。

「お探し物は図書室まで」のあらすじを振り返ってみる

エスキースとは、下絵のこと。ある一枚の絵が登場人物たちに影響を与え、奇跡の物語を紡いでいきます。しかも今回は作中に仕掛けがいくつもあり、二度読みしたくなる作品に仕上がっています。

※「赤と青とエスキース」は以下に当てはまる人におすすめ!
・「お探し物は図書室まで」が好きだった人
・ミステリーではないけど、二度読みしたくなる物語を読みたい人
・本屋大賞に候補入りした話題の小説をチェックしたい人

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3分で分かる「赤と青とエスキース」のあらすじ【※ネタバレなし※】

「赤と青とエスキース」は四つの章を「プロローグ」と「エピローグ」で挟む形で構成されています。ここでは四つの章のあらすじをネタバレにならない範囲で紹介していきます。

第一章「金魚とカワセミ」

交換留学生としてメルボルンに来ていたレイは、ブーと呼ばれる青年と出会う。ブーは明るい性格だが、留学生が大学でのんびり過ごしている様を見て「(ここは)竜宮城なんだ」と無表情で呟き、レイはそのことが引っかかる。

デートを重ねる内、二人はレイが日本へ帰るまでの間の「期間限定」の恋人同士になる。ある日、レイはブーから絵のモデルをしないかと頼まれる。アトリエに行くと、そこにいたのはジャック・ジャクソンという青年だった。

「期間限定」の二人の恋の行方は?ブーが心に抱く、歪みとは?ジャック・ジャクソンの描く、赤と青のエスキース(下絵)を通して、二人に訪れるものとは…。

第二章「東京タワーとアーツ・センター」

僕(空知)は、美大を卒業して額縁工房で働いている。工房経営者の村崎さんは流木を額縁にする製法を大事にしているが、生産性が低く今の時代に合っていない。僕は30歳を迎える今、このまま額縁工房で働き続けてもいいのかと悩んでいる。

工房に円城寺画廊の経営者と、付き添いの立花さんという女性が訪れる。僕は円城寺さんとの会話から、額縁と絵が完全にマッチした状態のことを「完璧な結婚」と呼ぶのだと知った。

僕は円城寺さんたちが残した作品リストから、ジャック・ジャクソンの絵があるのを発見する。僕はかつてメルボルンへ行った際に、彼が絵を描いているのを見て、感動していたのだった。そしてこの時の思い出が、僕にある変化をもたらす…。

第三章「トマトジュースとバタフライピー」

俺(タカシマ剣)のかつてアシスタントをしていた漫画家・砂川凌がある漫画賞を受賞した。取材嫌いの砂川だったが、俺との対談なら受けると言う。自分より弟子が活躍する現状に素直に喜べない部分があった俺は、複雑な心境で対談へと赴く。

取材で指定された喫茶店には、絵が好きな店主とウェイトレスがいて、そこにはジャック・ジャクソンが描いた「エスキース」が飾ってあった。エスキースとは下絵のこと。漫画で言うところのネームのようなものだ。

対談前に俺は自分のデビュー秘話をおもしろおかしく話したが、実はそこには嘘があった。そして対談が進むにつれ、砂川の言葉や「エスキース」の絵から受けたインスピレーションにより、自分の中で忘れかけていた大事なものに気づいていく…。

第四章「赤鬼と青鬼」

私(茜)は都内の輸入雑貨店で働いている。オーナーからイギリスへ買い付けに行かないかと誘われたが、元彼の家にパスポートを忘れているのを思い出す。元彼の蒼と連絡をとると、急いでいるなら家まで取りに来てと言われる。

私はパニック障害の症状を発症し、オーナーからしばらく休むように言われた。また、蒼から連絡があり、出張で留守にする間に猫の面倒を見てくれないかと頼まれる。

私は彼と以前に過ごしていた家で、昔の記憶を思い出したり、猫の面倒を見たりしていく内に、段々と心境が変化していく。そうして彼が出張から帰ってきた時、私は彼に今の想いをぶつけて…。

「赤と青とエスキース」のネタバレ解説&考察まとめ

「赤と青とエスキース」は心温まる小説でありつつ、作者の企みが巧みに仕掛けられた一つの作品になっています。ここでは最後まで読むとビックリされるその仕掛けについて解説したり、作中に明かされない密かな伏線についても記述したりと、筆者が考察した内容をまとめました。

また、作中に書かれている、心温まる名言をいくつか紹介します。きっとあなたがこれから生きる上での勇気を与えてくれるでしょう。

二度読みしたくなる仕掛けにビックリ!

ミステリー小説ならば、たくさんの伏線を仕掛けてトリックを明かす際に伏線回収というのが定番の流れですね。しかし「赤と青とエスキース」は一つの人間物語でありながらも、二度読みしたくなるような仕掛けが作中にいくつも散りばめられています。

ネタバレになるのであまり言えないことが多いですが、読者は四章の最後の記述でまずハッとさせられることでしょう。そこからエピローグで、怒涛の伏線回収がされていき、そういうことだったのかと深く感心させられます。

最後まで読んだ上でもう一度作品を読み返すと、登場人物たちをまた違った見方で捉えることができます。一つの作品を読んだのに、二種類の違う物語を読んだ感覚にすらなる、ある意味で「お得」な小説だと言えます。

エピローグで明かされない、第一章にあった大胆な伏線とは

先に述べた通り、ほとんどの伏線がエピローグにて回収されるのですが、そこでも明かされない大胆な仕掛けがありました。ネタバレになるので、一度読んだ方だけ以下をクリックして読むようにしましょう。

ネタバレしていいから伏線部分を知りたい方はこちらをクリック!

作中の仕掛けはズバリ各章に出てくる登場人物たちが同一人物で、2人の成長を物語全編通して楽しめるというものでした。実はこの仕掛け自体をさらっと明かしている箇所が第一章の割と冒頭部分にあったのです。

ブーは(中略)本を手に取りとんでもないことを言った。
「これ、実はふたりが同一人物だと知ってびっくりしたよね」
引用:「赤と青とエスキース」単行本43ページ

ブーとレイがまだ付き合う前にデートをしている場面でした。レイの読みかけの本を手にとったブーが、レイに対してネタバレを先に明かしてしまうという一幕だったのですが、実はこれは小説「赤と青とエスキース」そのものについても言っていたのですね。そう考えると、序盤で大胆な仕掛けを明かしていたのだとびっくりさせられました。

心温まる名言の数々を要チェック!

「赤と青とエスキース」には、これから生きる上での重要な金言になりそうな名言がいくつもあります。ここでいくつか抜粋して紹介しましょう。

生命力って、生きる力じゃなくて、生きようとする力のことだよ
引用:「赤と青とエスキース」単行本35ページ

ブーがレイに対して言う言葉です。この小説の大きなテーマにも繋がる重要なフレーズになっています。

人生は何度でもあるけど、それを経験できるのはこの体ひとつしかないのよね。だから、なるべく長持ちさせなきゃ
引用:「赤と青とエスキース」単行本197ページ

第四章でパニック障害になった茜に、勤め先のオーナーが温かく接してくれる言葉です。自分の会社の上司にこんなことを言われたら、感動しますね。

「赤と青とエスキース」の装丁(表紙の絵)はU-ku(ゆーく)氏の作品

「赤と青とエスキース」の装丁(表紙の絵)は、水彩作家のU-ku(ゆーく)氏が担当しています。「春一番」という絵で、作中の雰囲気にすごく合っていますね!青山美智子さんはこの絵にインスピレーションを受けて、「赤と青とエスキース」を書き上げたそうです。

YouTubeでは二人の対談がアップされています。「赤と青とエスキース」が生まれた経緯などを話していますが、二人の人柄の良さが伝わってくる動画です。ぜひチェックしてみてください。

「赤と青とエスキース」の感想、評価レビューまとめ

ここからは筆者が「赤と青とエスキース」を読んだ上で感じたことを記します。また読者がTwitterや各レビューサイトに書き込みした口コミや評価などを併せてご紹介します。

【筆者の感想】読後感の良い、心温まる小説だった

以前、青山美智子さんの小説「お探し物は図書室まで」を読んだとき、とてもハートフルな気持ちになりました。今回も同じように心温まる内容で、読後感がとても良く、普段本をあまり読まない方にも薦めたくなるような小説だと思います。

2年連続で本屋大賞2位ということで、できれば1位を獲らせてあげたかったというのが正直な思いです。ただ連続で上位入賞ということ自体珍しいことなので、やはり実力ある作家さんなんだなと感じます。

個人的に好きだったのは、第二章と第三章。第二章では額縁に対しての捉え方が私自身変わり、美術館に行ったらそこも含めて鑑賞してみようという気持ちになりました。また第三章では対談を通じて変わっていく師匠の気持ちにとても共感できました。

二度読みしたくなる仕掛けには、途中で気づいてしまった部分はあったのですが、それでも作品の価値自体は下がるわけではありません。再読した際に、これほど作品の評価自体が上がる小説はないと思いました。

【読者の評価レビュー】タイトルに込められた意味に気づいた時の感動

続いて読者の評価やレビューをまとめました。

タイトルに隠された意味に気づいたとき、ハッとさせられます。

途中から涙がするっとこぼれ、とっても温かい気持ちになりました。
この本の題名の意味と込められた想いが溶けた時はなんとも言えない幸せな気持ちになりました。
引用:Amazon

読みやすいし、アートとして優れたフィクションだと思います。青山さんの物語を読むと、いろいろな能力に気づきますが、その一つは登場人物とほかの内容をうまく繋げることです。この本を最後まで読むと、おそらく多くの読者がその巧みな繋ぎ方に感銘を受けると思います。
引用:Amazon

まとめ:「赤と青とエスキース」は二度読み必至の心温まる小説だった

いかがでしたか?「赤と青とエスキース」の内容をまとめました。

・2022年本屋大賞第2位になった小説
・読後感がすっきりする、心温まる小説
・二度読みしたくなる作品

以上です。この小説を読んだら、きっとあなたも二度読みしたくなるでしょう。

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