2021年の本屋大賞に見事輝いた小説「52ヘルツのクジラたち」(町田そのこ著)。児童虐待という重いテーマを扱った作品で、読むのに覚悟がいるのでは?と感じている方も多いでしょう。そこで今回はこの小説の簡単なあらすじや読みどころ、皆さんの感想をまとめました。本人のインタビューを交えながら紹介しますね。気になった方はぜひ読んでみてください!
「52ヘルツのクジラたち」はどんな小説?
書名 | 52ヘルツのクジラたち |
作者 | 町田そのこ |
出版社 | 中央公論新社 |
発売日 | 2020年4月18日 |
ページ数 | 260ページ |
町田そのこさんによる話題の小説、「52ヘルツのクジラたち」。タイトルが印象的な一冊ですが、どんな小説なのか紹介しますね。

タイトルの意味から聞いてもいいですか?
はい。そもそもクジラは鳴くときに周波数を出して仲間と交信する生き物。その中で52ヘルツの周波数を出すクジラが世界で1頭だけ存在します。他のクジラには認知されない周波数なので、孤独なんです。

世界に1頭だけなのに、タイトルは「クジラたち」と複数形なんですね。
良いところに気づきましたね。それがこの作品最大のポイントなんです。
家族から人生を搾取された女性と虐待を受ける少年との交わりを描いた話題作
誰にも届かない声を出している、1頭のクジラ。助けの声をあげても誰にも気づかれず、孤独な状況に陥ってる者たちに重ねています。小説「52ヘルツのクジラたち」に出てくるのは、家族から人生を搾取されたり、児童虐待を受けたりする者たちです。
2人が出会い絆を深めていく様や、彼女たちの声に気づいた周囲の変化などが読みどころです。児童虐待だけでなくLGBTの問題なども絡んできて、重いテーマを真っ直ぐに捉えた力作になっています。
出版界の各賞を受賞し話題に!2021年本屋大賞にも選ばれる!
「52ヘルツのクジラたち」は出版後から話題になり、2020年における出版業界の各賞を受賞しています。主な受賞項目を以下に載せます。(リンク先に賞の概要や結果発表があります)
・TBS系「王様のブランチ」BOOK大賞
・「読書メーター オブ ザ イヤー 2020」
・第4回未来屋小説大賞
さらに出版業界で最も力がある、本屋大賞にもノミネート。早くも大賞受賞の「大本命」と囁かれていましたが、4月14日に本屋大賞の受賞(第1位)が発表されました。
「52ヘルツのクジラたち」のあらすじとは※多少のネタバレあり※

「52ヘルツのクジラたち」とはどんな小説なのでしょうか?
あらすじをざっと紹介しますね。多少ネタバレがあるので、知りたくない方は飛ばしてください。
【主な登場人物】
・三島貴瑚:主人公。あだ名は「きなこ」。これまで人生を家族に搾取され続け、生きるのに疲弊している。
・52:母親からは「ムシ」と呼ばれ、児童虐待を受ける男の子。貴瑚からは「52」と呼ばれる。
・琴美:シングルマザー。息子を虐待している。
・村中:大分県の港町で働く青年。琴美の同級生。貴瑚に思いを寄せている。
・村中の祖母:コンドウマートに集まり噂話をする集団の一人。
・品城:老人会の会長。琴美の父。
・美晴:貴瑚の高校時代のクラスメイト。久々の再会後、貴瑚を気にかけるように。
・アンさん:貴瑚の「声」に気づいた存在。ある秘密を抱えている。
・主税:貴瑚が勤めていた会社の専務。貴瑚と付き合うようになる。
【主な舞台】
・大分県の港町:貴瑚が移り住んだ町。貴瑚の祖母がかつて芸妓として暮らしていた古い家があり、現在はそこに貴瑚が住んでいる。
・コンドウマート:貴瑚が住む町にあるお店。食料品から農機具などを扱う雑多な店で、隅のイートインスペースには住民が集まり、噂話をしている。
・北九州市小倉:52の親戚を探すのに訪れた町。作中で描かれる観覧車はショッピングモール「チャチャタウン」にある。
・東京の家:大分に移り住む5年前、貴瑚は義父の介護に追われていた。
・東京の新居:アンさんに救われ、家族から離れて生活していた場所。会社勤めした時に専務の主税と出会う。
【あらすじ※多少のネタバレあり※】
貴瑚は大分県の港町に移り住む。祖母がかつて住んでいた家だ。自宅の修繕に来た村上という青年から、町の老人たちから悪い噂話を立てられていることを知る。貴瑚にはこれまで家族に搾取された過去や、人には言えない「ある経験」をしていた…
貴瑚は義父の介護を押しつけられるなどして、自分の思うような生活をずっとできないでいた。人生に絶望していた頃、彼女が出す助けの「声」に気づいた人物がいた。それがアンさんだ。貴瑚はアンさんとの出会いを経て第二の人生をスタートさせる。仕事も恋も順調かと思われたが…
舞台はまた大分の港町。現在に戻る。貴瑚は自分と同じように孤独を抱えている少年と出会う。次第に彼が児童虐待を受けて「ムシ」と呼ばれていること、彼の母が村上の同級生の琴美で、祖父が老人会会長の品城だと知る。
貴瑚は「52ヘルツのクジラ」の存在を踏まえて、少年に愛着を持って「52」と名付ける。やがて母の琴美と会うが、事態が解決しないと感じた貴瑚は自分がこの子の世話をすると宣言する。そこから北九州にいる親戚を訪ねたり、祖父の品城が出てきたりしていき、物語はラストへ向かっていく…
「52ヘルツのクジラたち」の読みどころ6つ
ここからは「52ヘルツのクジラたち」の読みどころを解説していきます。

重たそうなテーマなので、読むのに覚悟が入りそうです。でも逆に安易にハッピーエンドを迎えちゃって、いかにもフィクションっぽいのもどうかと思いますが…
そうですね。重いテーマを扱っていてやはりそこが最大の読みどころに繋がってきますが、村上とのやりとりや、大分の港町の描写など、読み手を軽くしてくれる箇所も随所にあります。その辺りを楽しみつつ、核心に触れていけると良いですね。
作者の町田そのこさんのインタビュー内容を交えて、読みどころを紹介していきます。
児童虐待について深く考えさせられる点
「児童虐待」が一つの大きなモチーフとなっています。児童虐待についてのニュースは後を断ちません。最近では
・2018年:目黒女児虐待事件
・2019年:野田小4女児虐待事件
どちらも女児死亡という最悪の結末で、大きなニュースとなりました。
ニュースとして表面化していないものも多くあるでしょう。作者の町田さん自身も一人のママとして、虐待問題についてしばしば考えていたそうです。
私には子供がいるので、やはりどうしても虐待問題についても考えてしまうんですよね。どうすれば子供たちはこんなひどい目に遭わずに済んだのだろう、誰か手を差し伸べてあげることはできなかったんだろうか、自分だったらどうすればいいのだろう、ということを。
引用:「親が子を愛すというのもそんなに簡単なことじゃない」 作家・町田そのこが考える、虐待問題の難点|Real Sound|リアルサウンド ブック
「52ヘルツのクジラたち」作中では、少年だけでなく母親の方にもフォーカスして書かれている内容があり、その記述から事態の深刻さを感じさせられます。ネタバレしそうなので結末は詳しく書けませんが、ある一つの救いが描かれる一方で、やはり全ては解決しません。根深い問題だからこそ、この小説を通して一度考えてみる必要がありますね。
助けを求める「声」を聞くことの大切さ
「52ヘルツのクジラたち」のタイトルにも象徴されるように、助けを求める「声」に気付けるかどうかといったところも、本作の重要なテーマです。本作には児童虐待だけでなく、LGBTのテーマも絡んできます。家族から、恋人から、世間から、それぞれ虐げられている状況の者たちが登場します。
孤独で苦しんでいる者たちの「声」にどうやって気付けることができるでしょうか?作中では同じ境遇における立場の人物が「声」に気付くという構造になっていました。
・児童虐待される52←家族に虐げられていた貴瑚が「声」に気づく
・家族から虐げられる貴瑚←ある秘密を抱えるアンさんが「声」に気づく
読み終わったあとに「もう少し頑張ってみようかな」と背中を押してあげられるぐらいの物語になっていたらいいな、と思っているんです。だから「私もちゃんと“声”を聞こうと思った」という感想が想定していた以上にいただけて、驚くと同時にとても嬉しく思っています。
引用:「親が子を愛すというのもそんなに簡単なことじゃない」 作家・町田そのこが考える、虐待問題の難点|Real Sound|リアルサウンド ブック
例え同じ境遇でなくても気づくことができるのか?読者が積極的に声を聞こうという姿勢や優しさが、もしかしたらこの問題を解決してくれるのかもしれません。
善意のあり方について考えさせられる点
作中では虐待された少年・52に遭遇した貴瑚が自分に何ができるか考えます。親子ではなく、「他者」である彼女がどうすべきか?他者だからこそ容易に介入できない難しさがありますね。この点は物語の終盤でも大きなテーマとして降りかかってきます。
善意って、難しいですよね。示し方ひとつで刃にも変わる。貴瑚が小学生のころ、担任の先生の「考えなしの善意」によってより家庭環境を悪化させたように、露見しないすべを身につけるだけ、より根深い問題となっていく可能性もある。
引用:「親が子を愛すというのもそんなに簡単なことじゃない」 作家・町田そのこが考える、虐待問題の難点|Real Sound|リアルサウンド ブック
ただ優しくすればいい訳ではない、という一筋縄ではいかない命題が示されています。身の回りにいる、弱い立場や境遇にいる人に向かってどう接するべきか、深く考えさせられるきっかけになりますね。
田舎町ならではのコミュニティーの描き方
物語の主な舞台である、大分県の田舎町。作者の町田さんも九州北部の出身であり、自身が育った経験が活かされています。町の描き方には好意的に捉えられる点と、ネガティブに感じる点の2つがあります。
まずはネガティブな方から。悪い噂がすぐに広まりやすいという点です。序盤では外れ者の貴瑚に対して、一方的な噂をしている老人たちが登場します。コンドウマートという店野イートインスペースに居座って、ずっと噂話をしているのです。この辺りは閉塞したコミュニティーならではのデメリットが描かれていますね。
次にポジティブな方を。閉塞した社会だからこそ、密接に関わることで生まれる一体感です。児童虐待の事実が発覚してからの流れにこの点を感じさせてくれます。
また田舎町ならではの綺麗な自然描写も魅力です。貴瑚が海へと向かうシーンは爽やかで印象に残ります。
欠点だと思っていた点が魅力だと感じられること
序盤で嫌なキャラクターだった人物が、終盤に良いキャラクターになる、といったどんでん返しを楽しめるのもポイントです。
村中のおばあちゃんは敵に回すと厄介だけど、歩み寄ってみたら実はすごく頼りになって、適切に手を差し伸べてくれる人だった、とわかったように、物事を見る角度をちょっと変えるだけで状況は変わる。欠点だと思っていたところは、魅力かもしれない。
引用:「親が子を愛すというのもそんなに簡単なことじゃない」 作家・町田そのこが考える、虐待問題の難点|Real Sound|リアルサウンド ブック
このことは、人と接するときに先入観や偏見を持ってはいけないという戒めも込められていると思います。
装丁に隠された「声」
最後に。読みどころとは、少し違うかもしれませんが、装丁にもひと工夫されています。

キレイな装丁だなと思っていたのですが。何か隠されているのですか?
はい。よく見てみるとあるメッセージというか、文字というか…。何かが隠されています。
装画の福田利之さんが、52ヘルツに耳を傾ける様子を絵で表現し、このような仕掛けを施してくださったのを知った時、本当に感動しました!
引用:「52ヘルツのクジラたち」町田そのこさんインタビュー 虐げられる人々の声なき声をすくう|好書好日
装画の福田利之さんの遊び心が活かされています。ぜひ手にとって、見つけてみてください。
「52ヘルツのクジラたち」の感想は?みんなの口コミ評価レビューまとめ
「52ヘルツのクジラたち」の感想や評判をまとめてみました。
世界中で発せられている助けを求める声がいつか誰かに届いてほしい。そう願わずにはいられない、深い絶望の先にあたたかな希望が見える、感動の物語です。
引用:第4回 未来屋小説大賞は、町田そのこさんの『52ヘルツのクジラたち』に決定! | 株式会社未来屋書店のプレスリリース
イオングループの未来屋書店が発表した「第4回未来屋小説大賞」での選評です。書店員さんが推したいという強い気持ちが伝わってきますね。
小さいころの僕は、クラスの中心にいたわけではないけれど、中心の人たちについていこうと必死な人だったんですよ。『52ヘルツのクジラたち』を読んで、そのとき、クラスの端っこにいたあいつはどんな顔をしてたっけ、と思い浮かべてしまって。心ない言葉をかけてしまったことや、いじめに加担してしまったことが、僕にもきっとあったはず。自分の一番見たくない部分を見せられたような感じがしましたね。自分の中でフタをしてきた感情、自分の持っている罪にあらためて向き合えたのは、僕にとっては本当にいいことでした。
引用:『52ヘルツのクジラたち』町田そのこさん×『明け方の若者たち』カツセマサヒコさんの対談が実現! 創作と小説を語り尽くす | ダ・ヴィンチニュース
対談した作家・カツセマサヒコさんによる感想です。
ここからは一般読者の感想を載せていきます。
物語の二人のように救いを差し伸べてくれる人がいればいいが、現実はそううまくはいかない。 ならばせめて自分はアンさんのように微細な変化にも気づけるようになりたい。 この物語はどうしようもない程、人を優しくさせる。
引用:『52ヘルツのクジラたち (単行本)』|本のあらすじ・感想・レビュー・試し読み – 読書メーター
被害者意識が高く、自分は加害者だとは一切疑わない人の闇の感情ってとても怖いなと思いました。でも、読後は後味は悪く引きずらないところがちょっと不思議な感覚でした。読んでよかったなと思いました。
引用:『52ヘルツのクジラたち (単行本)』|本のあらすじ・感想・レビュー・試し読み – 読書メーター
虐待シーンは辛くて、なかなか読み進められなかったけれど、最後まで読んでよかったと思いました。人は生きていく上で、誰かを傷つけずにはいられないけれど、贖罪の気持ちを持ちながら生きていけば、それでいいのではないでしょうか。この2人に幸せになって欲しいです。
引用:『52ヘルツのクジラたち (単行本)』|本のあらすじ・感想・レビュー・試し読み – 読書メーター
「52ヘルツのクジラたち」で町田そのこさんの文章を初めて読みました。「人」の強さ、弱さ、脆さ、残酷さ、隠された内面、汚い部分などを独特の表現や言い回しで巧みに表現していて、心に響きます。他の本も是非読んでみたいと思いました。#町田そのこ#52ヘルツのクジラたち#読書好きと繋がりたい
— はるき@音楽読書映画好き IBD (@haruki_14) February 12, 2021
「52ヘルツのクジラたち」
町田 そのこ著
母親からの虐待やネグレクトを受けた主人公の心情がとても切ない。
作中、「親から受けているのはそれはもう恩ではなく、呪いだ」という言葉が沁みる。
暗闇に必ず光はさすという事を教えてくれる優しい作品。
読後感も最高だった。— さわさわっ (@sawanuts) February 17, 2021
全体的に、内容は重たかったが感動した、読んで良かったという感想が多かったです。
「52ヘルツのクジラたち」は本屋大賞を受賞できる?ズバリ大予想!
この記事をアップロードした時は、まだ本屋大賞の発表前でした。ここでは当時の受賞予想を残しておきます。まずはノミネート作品の振り返りから。
【2021年本屋大賞候補作 全10作品一覧(作品タイトル あいうえお順)】
「犬がいた季節」伊吹有喜
「お探し物は図書室まで」青山美智子
「推し、燃ゆ」宇佐見りん
「オルタネート」加藤シゲアキ
「逆ソクラテス」伊坂幸太郎
「52ヘルツのクジラたち」町田そのこ
「この本を盗む者は」深緑野分
「 自転しながら公転する」山本文緒
「八月の銀の雪」伊与原新
「滅びの前のシャングリラ」凪良ゆう

なにかの記事かニュースで、「52ヘルツのクジラたち」が大本命だと聞きました。
そうですね。各出版業界の文学賞を多く獲っていることもあり、大本命と言えそうですね。あとは兼ね合いというか…。他でもかなり推されている本ではあるので、本屋大賞としては別の作品を受賞に推そうという傾向もあるかもしれません。
社会的に影響力があり、コロナ禍で暗いテーマと直視せざると得ない現代において、ぴったりな内容でもあります。
ちなみに個人的には、これまで読んだ作品の中では凪良ゆうさんの「滅びの前のシャングリラ」が良かったです。ただ去年も凪良ゆうさんでしたからね。さすがに2年連続受賞は難しいでしょう。
【*4/15追記*】
既にみなさんご存知の通り、見事『52ヘルツのクジラたち』が2021年の本屋大賞に輝きました!大本命の作品がそのまま受賞したということになりましたね。町田その子さん、おめでとうございます!
なお芥川賞を受賞した宇佐見りんさんの「推し、燃ゆ」は以下の記事で紹介しています。芥川賞受賞発表前に書いた内容ですが、気になる方は読んでみてください。
※宇佐見りんの「推し、燃ゆ」の紹介記事はコチラをチェック!
「52ヘルツのクジラたち」が映画化されたら…キャスティングを妄想してみた

もし本屋大賞を獲ったら映画化もされるのではないでしょうか?誰がキャスティングされるのか気になります。
そうですね。勝手な妄想ですが、主人公の貴瑚は井上真央さんあたりが適任かと。映画「八日目の蝉」で難しい役どころを見事に演じていますし、子役の頃から活躍しているというのも、この作品に合いそうです。

52役は難しいですね。男の子役がパッと思いつかない…。ジャニーズの若い子とか?
児童虐待というテーマなので、かなり演技力を求められますね。
なんとなくですが、
アン→窪田正孝
琴美→木南晴夏
美晴→榮倉奈々
主税→北村一輝
あたりのイメージですね。この辺りは作品を読まれた方で、ご自由に想像してみてください。
作家・町田そのこのプロフィール
最後に作者の町田そのこさんのプロフィールを紹介しましょう。2016年に第15回「女による女のためのR-18文学賞」で「カメルーンの青い魚」が大賞を受賞し、デビューしました。選考では直木賞作家の三浦しをんさんと辻村深月さんが特に高評価。受賞作を収めた『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』が第一作となります。
町田そのこさんは作家になった経緯や動機について、以下のようにインタビューで語っています。
―最初は携帯小説に応募した?
「乳飲み子を抱えながらではパソコンには向き合えなくて。でも、携帯なら夜中に子どもを抱っこしながら片手でもできるじゃないですか。ガラケーで小説書いて、ボタン一つで投稿サイトに応募したんです。でも、最初は一次審査も通らず、人気も出なくて、続けるのは大変でした」
引用:何かをあきらめて孤独な人へ。児童虐待を描く「52ヘルツのクジラたち」で本屋大賞ノミネート 町田そのこさんに聞く | 子育て世代がつながる | 東京すくすく ― 東京新聞
小学生の高学年から中学生の頃にいじめに遭っていて、本当に学校に行くのが辛くて、本の世界に逃げていました。その頃大好きだったのが氷室冴子さんで、『明日続きを読みたいから頑張ろう』と、本を支えにしていたんです。だから私も、誰かが『明日も頑張ろう』って思ってくれるようなものを書きたいという思いがありました
引用:「52ヘルツのクジラたち」町田そのこさんインタビュー 虐げられる人々の声なき声をすくう|好書好日

かなり努力をされて作家デビューされた方ですね。今回の作品もそうですが、他の小説も読んでみたくなりました。
まとめ:「52ヘルツのクジラたち」は本屋大賞の大本命!
いかがでしたか?4月に発表される本屋大賞の発表が楽しみですね。出版界の各賞を受賞しており、本屋大賞も大本命とされる小説だけに、期待してしまいます!「52ヘルツのクジラたち」をまだ読んだことがない方にはぜひ手にとってみてください。
コメント
[…] ⇒『52ヘルツのクジラたち』のあらすじを詳しく読む […]
[…] ⇒「52ヘルツのクジラたち」のあらすじをおさらいしてみる […]
[…] ⇒2021年本屋大賞「52ヘルツのクジラたち」の内容を振り返ってみる […]